勇気の基礎！人・事に誠意を尽くす「忠」【忍者の技と知恵 #91】

忍者・忍術において最も重要なことは「正心」であり、正心を身につけるため条目7つ目は「勇気」でした。いついかなる時も勇気を持って行動できることが大事で、この勇気は仁義忠信じんぎちゅうしんという道徳の心から発動されるといわれます。

仁義忠信の1つ「忠ちゅう」は誠意を尽くすことです。主君のため、目的のために持てる力を全て発揮します。また、自分一人だけでなく家族・友人や仲間が一丸となり心を合わせ尽くすことも忠（中心に心を寄せるから忠）です。

しかし、誰彼構わず忠を尽くすのは忠ではありません。忠誠を尽くせる人を見極め、大義のために忠を使いましょう。上官は大義のために行動し、部下は上官を信じて行動する。この人ならついていける、この人のために働きたいというのは、その人が好きというだけでなく、その人の思想や行動に共感しているから起こる「忠」の心です。

現代において封建的な忠誠はありませんが、「忠」から学べることは多いです。一つの目的や目標に真摯に取り組む、好きなことに迷いなく全力を注ぐ、人ではなく事に対して忠を尽くすことでパフォーマンスを最大限引き出すことができるのではないでしょうか？

主君に誠意を尽くす「忠」

【忍者の技と知恵】は毎週 月・水・金曜 朝8時ごろ更新！『図解 万川集海』を元に、忍者の技と知恵をお届けします。

図解忍術秘伝書 万川集海 第一帖: 序・正心編 （図解 万川集海）

万川集海とは
『万川集海（ばんせんしゅうかい／まんせんしゅうかい）』は伊賀甲賀49流派の忍びの術、古代中国や日本の謀略家・名将軍の技と知恵を結集し、悪しきものを捨て良いものを厳選し集大成した全21巻に及ぶ忍術秘伝書である。
万の川が集まり大海となるように、数多の術を結集したことから名付けられる。

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