プレゼントの花
女性にプレゼントで花を贈ったことはあるだろうか?
僕はない。
銀座で働いていると、女性に花をプレゼントする人をよく見かける。誕生日に花を贈るなんて、カッコつけた大人がやるものだと思っていたが、 ここはどうもそういう土地らしくけっこうそういう方がいる。
では貰った花はどうなるかご存知だろうか?
一回の誕生日に女性がもらう花はかなり量である。小さい花束でも、たくさん貰えば帰りのタクシーは花でいっぱいだ。
つまりどうなるかいうとほぼ捨てである。
死ぬほど忙しいサラリーマンが、やっと時間をつくって花を買い、お気に入りの子のためやってくる。
その花を5時間後に僕が捨てる。
なぜみんな花を選ぶのだろう?
誕生日を過ぎてしまえば当然のようにゴミである。しかしみんなきちんと選ぶ。お店の人に任せるかもしれないが、その子の好きな花を織り混ぜたり工夫も様々。
でもどんなにアイディアを入れ込んでも、だいたい5時間後には僕が捨てている。
尚さら不可解なのは、お客さんもそれを薄々わかっている。
花はバッグや貴金属、その他よくあるプレゼントに比べれば値段が手頃だ。5,000円もだせば立派な花束が作れるだろう。
だからその他のプレゼントに比べて圧倒的に安い。例え家庭があってもポケットマネーでなんとかできるだろう。
仮に貴金属やブランド物のバッグを渡すと妙なイヤらしさがでてしまう。たちまちお金の香りが漂い、余計な気持ち悪さを想像してしまう。それが花にはない。
そして日保ちがしない。先にも書いたが最後には捨てることを前提でみんな渡している。つまり残らない。
残らないのは重要で、後、バッグのように使っているかどうかが気にならない。自分があげたものが使われなければ、多少傷つくが、花ならその心配はない。
中には本命の彼氏がいる子もいるが、花なら持って帰らなくて済むので揉めることもないだろう。
高くないから捨てることに罪悪感を覚えないし、バッグのように売ることはできない。
花の価値はほんの一瞬で、渡した瞬間そのときが一番輝いている。そしてそれ以降は残ってはならない。
花は渡す側にももらう側にちょうど良い刹那的なプレゼントなのだ。
捨てられることまでが愛情の一部であることに気づいた28歳。
思いやりの塊を、今日は少しだけ丁寧に袋につめる。
しかし僕はまだ子供である。
一瞬の繋がりのために花を渡すことはできない。もし自分がそれをやったときは、好きな子を諦めてしまった時なのかも。
なぜなら僕は自分があげたものを使ってくれている姿がものすごくみたいから。
自分の優越感のためにプレゼントをする、いわばキッズなのである。
この下は大したこと書いてないです。
1度この設定をしてみたかっただけです。
ちなみに。
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