クロネコヤマト宅急便約款を読み解いてみた
利用規約ウォッチャー みなしボウイです。
「クロネコヤマト宅急便約款」をウォッチしていきます。
日本で1年間にトラックで配送される荷物は35億個超と言われています。その中でもヤマト運輸(クロネコヤマト)のシェアは5割近く、トップシェアとなっています。
今回、重要な5つのポイントに注目して約款をウォッチしていければと思っています。
安心安全にサービスをご利用頂けるポイントになりますので、最後までよろしくお付き合いください。
法律
日本の場合、トラックを使用して他人から運送の依頼を受けて荷物を運送し、かつ運賃を受ける場合は、貨物自動車運送事業法の「一般貨物自動車運送事業」に該当し、国土交通大臣または地方運輸局長の許可が必要な事業となります。
もちろん、「宅急便」も許可を得た事業となっています。
適用範囲
「宅急便約款」第1条に適用範囲の定めがあります。
同じクロネコヤマトのサービスである、小さな荷物を専用BOXで手軽に送れる「宅急便コンパクト」、ポスト投函・配達サービスである「ネコポス」、EC事業者向け新配送サービス「EAZY」、グループ会社であるヤマトホームコンビニエンスが取扱っている、大型家具や家電の輸送サービス「らくらく家財宅急便」などには、それぞれ別の約款が適用されることになっています。
引受不可となる荷物
「宅急便約款」第6条で、引受不可となる荷物の定めがあります。
現金
現金を送付する方法は、郵便局取り扱いの現金書留のみであり、宅急便で送ることは出来ません。現金書留以外の郵便で現金を送付することは法律で禁止されているため、違反した場合には罰金を科される可能性もあります。
有価証券類(小切手、手形、株券その他)、カード類(クレジットカード、キャッシュカード等)
勘違いしやすいのですが、有価証券類やカード類を宅急便で送ることは出来ません。これは、宅急便が貴重品輸送のためのサービスではないからだと思われます。
書留郵便で送るか、他社で提供している貴重品輸送サービスを利用することになります。
遺骨、位牌、仏壇
遺骨を一般の宅配便で配達しても法律的な問題はありませんが、民間の宅配便サービスで引受不可としているところがほとんどです。
現状で遺骨の配送を引き受けているのは、日本郵便の「ゆうパック」のみであると思われます。
受験票、パスポート、車検証類
このあたりは、郵便法や信書便法で定められている「信書」に関わってくるものになります。一般的に「信書」とは、「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」とされていて、具体的には総務省がガイドラインを出しています。
総務省のガイドラインによれば、車検証は信書に該当する文書、パスポートは信書に該当しない文書、受験票は特に記載がありませんでしたが、いずれも信書の定義には色濃く入ってくるものだとは思われます。
複数の個人情報が内容物に含まれたもの
個人情報の取扱いについては、その発送元(依頼人)の責任が強く求められることから、他の荷物と同様に扱われる一般の宅配便での配送は控えたいところです。
宅急便では、複数の個人情報が内容物に含まれたものの引受を不可としています。具体的には、名簿や顧客リストなどが該当するものと思われます。
受取人不在時の隣人配達
受取人が不在時の対応として、隣人へ荷物の引き渡しを委託することが約款上は可能になっています。
私が子供の頃は、隣人配達がされていた記憶があります(都内)。近所付き合いの減っている現代では、実際には行われない取扱いではないでしょうか。
荷物の紛失・破損についての責任
宅配便で荷物の発送を依頼したが、運送業者の過失により、荷物が紛失・破損してしまった場合には、運送業者に損害賠償責任を求めることになります。
上記以外にも、補償については詳細の規定が存在します。指定されている期間内に届出をしても、必ず補償をしてもらえるわけではありません。例えば、電化製品やパソコン機器に多いトラブルで、液晶部分が割れていたり、電源を入れても動かなかったりします。これらは配送時の振動や、過度な梱包による圧迫で起こりますが、配送業者の落ち度とは認められないことがあるようです。
私もクロネコヤマトのヘビーユーザーだと思います。日常的にECの荷物を受取りますし、発送もだいたいヤマトですね。ただ、カード類の配送などは気をつけたいです。
今回は、このあたりで終わります。ありがとうございました。
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