ベビーシッター及びベビーシッター業についての法的根拠
利用規約ウォッチャー みなしボウイです。
「ベビーシッターサービス利用規約を読み解いてみた」という投稿を先日アップしましたが、そこではベビーシッター業についての法的根拠の考察をしていませんでしたので、本投稿にて補足します。
併せてお読み頂けると幸いです。
安心安全にサービスをご利用頂けるポイントになりますので、最後までよろしくお付き合いください。
ベビーシッターには国家資格が存在しない
保育士(児童福祉法)・幼稚園教諭(学校教育法)は国家資格ですが、ベビーシッターには国家資格が存在しません。
ベビーシッターという用語自体は古くからあったものの、日本におけるベビーシッターの概念は近年大きく変化してきています。これは「顔なじみの人に子どもを預かってもらう」というものから、「インターネット等でマッチングした相手に子どもを預かってもらう」というものへ変化し、ベビーシッターが「業」へと成長してきたからだと考えられます。
後述しますが、ベビーシッター業を行うには、いくつかの基準を満たす必要があります。
2014年に発生したベビーシッター事件とその背景
大変痛ましい事件でしたが、この事件の背景には、マッチングサイトの利用急増と、マッチングサイトへ登録するシッターの質、マッチングサイトそのものの運営体制、といった課題がありました。
拡大するベビーシッター業をどう扱っていくかという議論がある中で、上記の事件を受け、ベビーシッター「業」の定義づけが行われていくことになります。
児童福祉法・児童福祉法施行規則の改正
2015年、「6人以上の児童を預かるベビーシッター事業者が認可外保育施設として届出の対象」となりました。これは、ベビーシッター業が児童福祉法上の居宅訪問型保育事業として位置づけられたことによります。
続いて2016年には、「1日あたり5人以下の乳幼児を保育する事業者も届出の対象」と拡大されたほか、研修受講状況の届出義務も課せられることになりました。
これによって、ベビーシッターを「業」として行うには届出を行うことが必須となりました。
マッチングサイトに係るガイドライン
厚生労働省(現在は移管によりこども家庭庁)が「子どもの預かりサービスのマッチングサイトに係るガイドライン」を策定しています。法的拘束力はありませんが、マッチングサイト事業者に対してガイドラインの遵守を促し、適合事業者を調査サイトにて開示しています。
ベビーシッター研修について
ベビーシッターそのものに資格が存在しないことは前述しましたが、なぜベビーシッター研修の受講が必要となるか?これは保育無償化と関係があります。
保育士、看護師(准看護師を含む)の有資格者を除き、幼児教育・保育の無償化対象のベビーシッターは研修受講が必須となり、現在は経過措置期間ですが、その経過措置期間が2024年9月末で終了する予定です。そのため政府は、「ベビーシッターの研修機会の確保及び資質向上事業」として予算を計上するなどの後押しをしています。
まとめ
2023年4月に「こども家庭庁」が発足し、子どもを取り巻く分野のうち、政府所管の行政の促進が期待されます。
ベビーシッターは、乳幼児期という子育ての初期に影響する分野であり、質を維持しながらベビーシッター業の裾野を広げていく、このあたりが重要であると考えられます。私は今後に期待しています。
今回は、このあたりで終わります。ありがとうございました。
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