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【SNSの行方】

問題の【PARLER】は削除されて、昔からある【PARLOR】が偽物扱いされててちょっと可愛そう。

【SNSの本来の意味】

SNSって「ソシアル(ソーシャル)・ネットワーク・サービス」の略なんだけど、直訳すると「社会的な通信サービス」になるけど、この日本語訳は状態を正しく表してない。
当初この言葉が出てきた頃の【social】は【上流階級の】もしくは【(限定的な)社会】って意味で使われてた。

つまり、「SNS」ってのは、【一部の限定された人たちのための通信サービス】として生まれて、名付けられてたわけ。

【SNSの成り立ち】

SNSが生まれた背景は、インターネット黎明期まで遡ります。
そもそもインターネットは、アメリカの大学研究施設で働く科学者たちの情報交換システムとしての通信網が始まりで、それが軍用化されて米軍の通信手段となり、更に民間に開放されるように成ったものが、インターネットなんですが、当時はまだ経済的に余裕のある人しか接続できなかったんですね。
当時は数百万もするコンピューターと、通信環境を整えられる人じゃなきゃ使えませんでした。
当然利用してる人は限られるし、またネット内部でのモラルも、暗黙の了解的に確定してました。
この人達を仮に「第1世代」とします。

で、時代が進み、一般人が手軽にインターネットにアクセスできるようになる1995年頃から、このそれまでのモラルとは違うモラルを持った人達がインターネットに流入するようになります。
で、数年後には彼らが利用者の主流になるわけです。
彼らを仮に「第2世代」とします。

彼らは、第1世代とは違いますが、大きな問題は起こしません。
インターネットは普及したとは言え、一般家庭にはまだ入り込んでません。
それでも、第1世代との対立はそこらじゅうで起きてたんです。

その第2世代の中から、【abuser】(アビュザー)と呼ばれる人が生まれます。
直訳すると「乱用者」「悪用者」ですが、インターネットの世界では、ネット上で騒ぎを起こす人、今で言う「炎上のネタを投下する人」や、その「投下したネタに絡んで炎上させてる人達」をひっくるめて「abuser」と呼んでました。
これを仮に「第3世代」とします。

で、第2世代が、インターネットの普通の利用者だとすると、第3世代のabuserはとても面倒な人達なんですね。
何かうっかり投稿すると、abuserが集まってきて、炎上させて面倒なことになる。
また、匿名で有ること無い事を投稿しても、意見の違う人が激昂しても「言論の自由」の名の元に誇大解釈されて、声のでかい方が勝つと言う、現実社会でもありがちな感じになり、まぁ仕方がないと諦めるのが、インターネットの常だった訳です。

そこで、インターネットの中にある程度統制された空間を求める人が増え、またそれが実際に必要になってくることで、SNSのが生まれたんですよね。
なので、当初のSNSは日本ではmixiがそうだったように、現利用者の紹介がないと加入できない等、利用者のハードルがある程度高く設定された物が普通でした。

【SNSの矛盾】

しかし、その利用者の限定は、サービス提供側のビジネスの観点から見ると、明らかに儲からない訳です。
そこで、そのハードルを低くし、利用条件を緩和する方向性に動くわけです。
メールアドレスがあれば誰でも登録できるように変化していきます。
こうすることで利用者が増え、広告料を高く設定できるようになる訳です。
しかし、利用者が増えるとabuserが紛れ込み「ソーシャル」では無くなってしまう。

SNSはビジネス的な理由から入会の制限を緩和し、【上流階級の】ネットワークから、【社会的な】ネットワークになっていき、再びabuserを増やす結果になったわけです。

この矛盾が解決されないまま、現在に至るわけです。 

しかし、このままだと当初abuserからの被害を減らすために【限定的な社会】として作られた事との矛盾を解決できません。
そこで近年、各SNSは言論をある程度制限するようになりました。
手始めに、
・ヘイトスピーチを始めとした、差別的な発言。
・暴力や死等を連想させるような発言。

こう言ったセンシティブな話題は制限されるように成った訳です。

更に近年は、
・スポンサーが嫌がるような政治的な発言。
・反社会的思想に基づくような発言。
・真偽が定かじゃない発言。
・暴動やデモの呼びかけ等。

も全て規制される様になり、ある意味本来のSNSの姿に戻りつつ有った訳ですが、自由に慣れてしまったユーザーの一部は、この規制を不満に感じ、新たな自由空間を目指すわけですが、それが【PARLER】だった訳です。

【政治的な方向性】

SNSにおける政治的な発言がどこまで許されるか?
日本ではあまり聞きませんが、海外では例えばトランプ支持者の発言は削除されるとか、普通にあるようです。
これは、トランプ支持が問題なのでは無く、その支持者たちの多くが、真偽が不明な発言を繰り返すかららしいです。
わかりやすく言うと「陰謀論者」と言われてる人達や、極右団体などがトランプ氏を支持しているのですが、彼らは「トランプ支持」を訴えるのではなく、「バイデンは不正だ!」「バイデンは中共と結託している」等の真偽が明らかでは無い話を載せてしまうからの様です。

ここで明確なのは、主なSNSの運営は民主党支持であると言うことです。
日本でもマスコミは暗黙のバイデン支持で、トランプ軍勢の不法行為や過剰反応はニュースにするが、バイデン側の話題はどんな小さな事も一切出てきません。
この偏った政治思想の元に、自由が存在するわけがないんですが…。

【PARLERの排除】

で、話題の【PARLER】は、2021/1/8時点で、既にApple Storeからも、GooglePlayからも削除されてます。
記事によりますと、PARLERは、アプリ内部で交わされている投稿に、反社会的なものや、ヘイトスピーチ等、過激な発言にはノータッチで、投稿のファクトチェックも行われていない為に、AppleもGoogleも24時間の猶予付きでモデレーションの改善を要求したが、PARLER側が無視し続けた為に両社から削除されたと成っている。

また、PARLERを運営するために必要不可欠なAWS(アマゾンウェブサービス)も、PARLERに対するサービスを1/10付で停止すると宣告しており、現在PARLERはただのクソアプリと化しています。

【巨大資本・政治・思想・権力】

一連の動きを見てると、やはり権力と金だろうなと。
PARLERは極右を含む保守派の支持は得たが、民主党、Apple、Google、Amazonの支持を失い、失墜した。
この構図は、まさに弱い者いじめそのものだ。
政治=巨大権力=巨大資本
この方程式は今持って健在で、PARLERは巨大な権力複合体に殺された訳だ。

表向きモラルの問題として処理されてるが、その裏側は政治思想の問題なのか、ビジネスの問題なのか言及されてない。
少なくとも、モラルの問題とするには、言論の自由の前ではかなり苦しい言い訳に聞こえる。


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