フィルムのデジタル化、どうしてる? ~スキャナー編~
フィルムカメラを使っている方は、現像した後どうしているだろうか。印画紙に焼き付けている、という人はどのくらいいるのだろうか。僕も昔使っていた引伸機を温存していていつかまた写真を焼きたいと思っているのだが、暗室が無いため叶わずにいる。そこでとりあえずスキャナーを使ってパソコンに取り込むという事になるのだが、これがまた厄介である。
フラットベッドスキャナーでスキャニング
今はフィルムスキャナーと呼ばれるものがほとんど見当たらなくなってしまったので、現実的にはエプソンのフラットベッドスキャナーGT-X980ほぼ一択となっている。でもこのスキャナーはなかなかいいお値段なのだ。幸い我が家にはGT-F720というスキャナーがあり、これにもフィルムスキャン機能がついている。読み取り解像度は上位機種の6400dpiには及ばないものの4800dpiとなかなかのスペックだが、そこまでの性能が出ているとはとても思えない。まぁでも高解像度な写真が必要なら今はデジカメを使えばいい話なので、フィルムの写真をWEB上で楽しむとかキャビネ程度にプリントするという程度なら十分これでいける。
スキャンしてデジタルのネガを作る
誰かの役に立つかどうかわからないが、自分の覚書も兼ねてスキャンする際の基本的な設定をご紹介しよう。使ったことはないが、これの後継機種であるGT-F730とGT-F740も恐らく同じような感じようなものだと思う。
解像度は2400dpi。うちの環境では4800dpiにしても画質の向上は感じられなかった。読み取りレンズの性能が上の機種とは違うのだろう。1200dpiでもいいくらいだが、一応余裕をみての2400dpiである。そしてモノクロならグレースケールの16bitだ。フィルムの良さを引き出すためには解像度よりこちらの設定の方が重要である。シャープネスはレタッチの段階で調整していれたいので、アンシャープマスクは外しておく。そして一番重要なのはヒストグラム調整。オートだと明るい部分と暗い部分がバッサリと切られてしまう事があるので、ヒストグラムの山を参考に、少し余裕をもって設定(つまり仕上がりイメージよりかなり軟調に)。
スキャンした画像は、ゴミのスポッティングだけして、フォトショップならPSDで保存、無ければTIFFで保存する。これがデジタルのネガになる。
画像を使う際のもうひと手間
ブログなどに使う際は、構図を整えて、シャープネスをかけて、トーンを調整して、解像度を必要な程度に落として、8bitJPGで保存する。シャープネスをかけると若干硬調になるので必ずこの順番で。グレースケールでもよいがなんとなく味気ないので、僕の場合はRGBカラーにして軽くカラーを入れる。月光印画紙の黒や、大雑把に焼かれて定着不足気味のプリント・・・という雰囲気が出れば最高だ。
僕のスキャナーの場合はフィルムの粒子までは読み取れない感じなので、割と滑らかな画像になってしまう。それは好都合な場合が多いのだが、時には森山さんになりたい日もあるだろう。そんな日はフィルタ機能でフィルムっぽい粒子を加える。フィルムの画像をわざわざフィルムっぽくするなんて完全に本末転倒だが、まぁそこは行き過ぎたフィルム愛という事で大目に見てやって欲しい。
うーむ、それにしてもここまでの作業を、デジカメでフィルムシミュレーションとか使えばシャッターボタンを押すだけでやってくれるのか・・・。仕事だったら絶対デジタルだな。
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