親の不貞を子はどう受け止めればいいのか

これまで身バレを考えた時にどうしても書けなかった話なのですが、もう1人で抱えきれないほどにしんどくなってしまいました。汚い感情を吐き出すだけのノートになるかと思います。
ノンフィクションですが、創作だと思ってかるく受け流しつつ読んでいただけると幸いです。


10年以上前から、血縁関係のない成人男性と最低でも月に1度会っています。端的に説明してしまえば、母の不倫相手です。仮にAさんとしましょうか。
もともと物心ついた頃には両親の仲はほとんど終わっており、母は私の学費のために離婚をできていないような状況でした。そんななか、どういう経緯と想いがあったのかは知りませんが、父のいない家に母が連れてきたのがAさんでした。

当時私はまだ小学生でした。人見知りの激しい子でしたが、母が連れてきたというだけで特に警戒心もなく受け入れていました。
初対面の後、私がAさんを怖がらないと確信した母はAさんとよく会うようになり、3人で一緒に外食や旅行に行くことが増えました。父の単身赴任後にはAさんが我が家に泊まる機会も多くなり、ほとんど毎週、少なくとも月に1回はAさんの顔を見ていたように思います。この頃は母の不倫相手であるという意識もなく、歳も母より若くよく遊んでくれる相手ということもあり純粋にAさんに懐いていました。

母もAさんも、尊敬出来るところのある人です。この不倫行為を除けば、良い人だし私のことを大切に考えてくれていることも分かります。

ですが、中学生頃。思春期にさしかかり色々な知識が増えていく中で、途端にふたりの関係が気持ち悪いことを認識してしまいました。
思えばそれまでも疑問に感じるところはあったのです。私にとっては「何故か家に来て遊んでくれるお兄さん」だったのに母は他の人に話しちゃダメと言うし、旅行に行けば同じベッドで寝ていたはずの母は気づけばいなくなっていたし。
それらが伏線回収のように繋がってしまって、ああ私の大好きな母は人には言えないことをしているのだと、どうしていいか分からない気持ちになりました。

決定打は、部屋で勉強を終えた私がリビングに行った時に下半身の洋服を脱いだAさんと母がいたことでした。
察しつつも受け入れたくなかった推測が現実だったのだと否応もなく突きつけられました。2人は焦ってなにか言い訳をしていたかと思いますが、正直あのあと私がどうしたかも覚えていません。それほどに衝撃的だったのです。

大好きな母の母ではない女の部分を見たような感覚、潔癖症の私にとってこの上なく気持ち悪い行為を母がしていたというショック、信頼していた2人が汚い関係だったという困惑。
母とずっと2人で生きてきた私にとって母は絶対で、理由もなく大好きで大切な存在でした。それは今も変わりませんが、その存在が取られるような感覚がありました。私の世界に知らぬ間に異物を放り込まれていたような恐怖と、母が私よりAさんを選ぶような日が来たら私が1人になってしまうかもしれないという恐怖におびえながら、あれから生きてきました。

1度だけ、Aさんが来るのは嫌かと母が私に尋ねたことがありました。Aさんが来るようになってから2年がたった頃だったと思います。
当時から少し私の世界にくい込んでくることへの嫌悪感はありました。嫌だからもう会いたくない、と答えられたらどれほど良かったでしょう。
でも言えませんでした。父と不仲な母にとって、Aさんこそが支えであり楽しみでもあるのかもしれないと思ったのです。私のせいでまた窮屈さを母に感じさせてしまうのは嫌でした。

今もまだ、月に1回はAさんと母と3人で会います。楽しく振る舞いながら、泣きそうになります。大切な2人が気持ち悪いことが辛いです。
気持ち悪いと感じたり、私がこんな子になったのもこの環境のせいじゃないかなんて考えてしまう自分のことも嫌になります。

誰にもこの葛藤を言えずに、生きてきました。
身内には当然言えません。親友にだって言えません。母に嫌だと伝えることもできません。

私がどう言葉を選んでどう頑張っても、Aさんと母を責める結果になってしまう。2人を悪者にしてしまう。

今後もきっと、母にもう一度嫌かどうか聞かれない限り、この葛藤を表に出すことは無いでしょう。だからこそ吐き出して少しでも軽くしておきたかったのです。お目汚し、失礼いたしました。

結婚したいとすら思いませんが、もしすることがあるのであれば、幸せな家庭がつくりたいなあ。
子どもがこんなに悩まなくていい、日曜日には家族で出かけるような、そんな家庭だったらなあと思うのです。


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