私が宝塚を好きになるまでと、ヅカオタになるまでと、今

これは自分のオタクアイデンティティを文章化することで、自分の軸のようなものを振り返りたい時に読めるようにしたい、という備忘録的な文章です

前置きの自己紹介

生まれも育ちもずうっと京都、阪急電車や阪急百貨店が身近な存在だった私にとって、宝塚歌劇は「まあポスターは見たことある…」くらいの存在。幼少期にNHKでやっていた放送をおそらくチラ…っとだけ見たことがあり、その時は特に感想を持つでもなく、宝塚はおろか舞台エンタメに興味のない祖母にチャンネルを変えられたことだけを覚えています。でもきっと、そこが私と宝塚のファーストコンタクトでしょうか。

それから長らく宝塚との接点はなく、ポスターみかけるな〜程度。ジャニーズや2次元にハマった私は2.5次元舞台を鑑賞する機会はあれど、宝塚には触れることなく高校生まで生きてきました。でも、今思えば小学生の頃から刑事ドラマの『BOSS』に激ハマリして天海祐希さんが好きだったり、ジャニーズや2.5次元舞台に親しんでいたことも、ヅカオタへの布石だったのかもしれない……(ジャニーズで好きな曲トップ2が『アンダルシアに憧れて』と『君にHITOMEBORE』な人)。

初観劇

そんなこんなで高校に進学した私。ついに初観劇の機会は訪れます。
高校1年の芸術鑑賞。演目は星組さんの『ベルリン、わが愛/bouquet de takaraduka』。観劇日の1ヶ月前くらいから、1年の教室前の廊下にポスターが張り出されていたのを覚えています。全然関係ないですが私のクラスメイトには羽生結弦のオタクとあいりちゃんという子がいたので、ポスターに書かれた紅ゆずるさんと綺咲愛里さんの名前をみて「ゆずるやん!あいりやん!!」とか言ってキャッキャしていました。

そして迎えた初観劇。今チケットをみるとなかなか良い席です。


1階A席前方真ん中あたり。うーん、見やすい!

感想:もうめちゃくちゃ衝撃でした。

生演奏!?銀橋ってあれ!?ミラーボール!!あの人だれ!青年すぎる!!(礼真琴さんでした)、あの悪役かっこいい(凪七瑠海さんでした)!!、あの人の声好きだな…(七海ひろきさんでした)、

そんな気持ちで休憩時間に突入。
正直、『ベルリン〜』のあらすじ自体はあまり覚えてなくて、ラストで「それで終わりなんだ!?」って思いながら周りにあわせて拍手した事しか覚えていないのですが……
でも、紅さんが綺咲さんに銀幕仕様のメイクを教えてあげるシーンがお洒落で印象に残っています。あれいいシーンだったな……(朧気な記憶)

休憩時間は何も分からないまま友達たちとわいわいキャトルに行き、公演のパンフレットとポストカード、それからトップコンビのコレクションカードを購入。
今でもめちゃくちゃ記憶に残っていますが、宝塚のグッズ類の安価さ、求めやすさはランダムグッズが当たり前の界隈にいた私含むオタクには衝撃でして…
私の高校は女子校だったのですが、女子校あるあるその①何かしらのオタクがち、その②カッコイイ女の人っていいよねの感覚をみんな割と持ってる、が合わさった結果、結構な人数が「これなら実質無料やな…」とか言いながらスチール買ってたりしました。宝塚、凄すぎる……!!!!

そうしてむかえた第2幕。これがね、もう革命でした、私の人生において。

レビュー、楽しすぎる……!!!!!!!!

顔の綺麗な人が、意味わからんくらい派手な衣装を着て、キラキラギラギラなステージで歌い踊る…………ジャニーズが、しかも曲なら『アンダルシア〜』とか、衣装なら『レイディダイヤモンド』とかが好きな人間がハマらないわけがなかった。そしてミラーボールが回りまくる景気の良さ。ニッコニコで手拍子するほかない。


なによりテーマ曲の耳残りが凄まじくて。
ブーケドタカラヅカ〜🎶 今🎶 手を🎶 取り〜〜🎶
ひたすら繰り返される「ブーケドタカラヅカ」という単語がめちゃくちゃクセになる。これ、めちゃくちゃ洗脳ソングだ…………!!!!
私のクラスはこのテーマ曲にどハマりし帰りの貸切バスでひたすらサビだけを歌い続けました(同乗してた他クラスに怒られた)

余談ですが、今でも高校のクラスの同窓会(3年間クラス固定でした)でカラオケに行くとブーケドタカラヅカを入れてみんなで合唱したりします。もはや身内ネタの勢いです。私ともう1人しか、この1回以外で宝塚を見ている子はいません。でも、なんか流しちゃうし流すとみんな口ずさめるんだよな〜〜…

そうして初観劇を終えた私。でもその時は「タダで(正確には違うけど)いいもん観たな‼️‼️‼️」くらいで、またいつか機会があれば観たいな〜くらいの気持ちでした。次の公演を調べるとかはなくて。なんなら大劇場に貼られているポスターもあんまり見てなくて、次回作が何かも把握してませんでした。それくらいの熱量での、「いつかまたみてみた〜い!」です。

冬のFNS歌謡祭(2017)

この時のFNS歌謡祭、めちゃくちゃTwitterでバズってましたよね。特に「黒髪の人」として朝美絢さんがとんでもなく話題になっていてのは今でも鮮明に覚えています。

なかでも私が釘付けになったのは及川光博さんと真風涼帆さんのコラボによる『勝手にしやがれ』。

え!?!?!?!?カッコよすぎるけど!?!?!?!?(元々及川光博が好きなひと)

ここで私は初めて自ら宝塚の事について調べました。「この人を見るならどうすれば……?」みたいな感じで。(バイト禁止だったのもあって結局は金銭的にも観劇することは出来なかったんですけどね。そして結果として彼女は贔屓にはならなかった訳です。けれど、彼女の存在がなければ私は今こんなことにはなっていない …)

私はこの過程であることを知りました。それは「次回の宝塚大劇場作品が自分の大好きな漫画、『ポーの一族』である」ということ……

ポーの一族に行きたい!

人生で1番好きな漫画が『ポーの一族』なんです、私。

ポスターのビジュアルを見てみると、エドガーもアランも本当に漫画のままと言えるほど完璧なビジュアル。その上、宝塚が最高っていうのは既に体感している。

こんなの、何がなんでも行きたいに決まってるじゃん……!!!!!!

そこからは一気に「このポーの一族に行くにはどうすればいいのか」に気持ちがシフトされていきました。

いつから?新春ならお年玉で行けるのでは……?前売りは完売してる!?当日券?なにそれ……新人公演…?なにそれ………………など。

途中からはポーの一族を読んだことのある友人を巻き込み、どうやらこの公演のこの期間は学割があって安くなるぞという情報を得た私。年明けからTwitterの検索で出てきたポーの一族 当日券 とかで調べて並んだという人に「何時くらいに並びましたか!?」みたいなリプを送り情報をいただくなど(突然質問してくる見ず知らずの得体の知れないアカウントだっただろうにも関わらず、丁寧に当日券に並ぶハウツーをご教授くださった方、本当にありがとうございました。貴方のおかげで今の私があります)して、当日券の購入列に並ぶために早朝から親の車で宝塚に向かい、なんと実際に『ポーの一族』を観劇することが出来ました。あの日チケット買った後にソリオのベンチで食べたコンビニおにぎり、美味しかったな……(めちゃくちゃ思い出補正)

こうして、私の人生2回目の宝塚観劇が実現したのでした。

感想:ポーの一族やばい

念願叶って観劇した『ポーの一族』。

学割に感謝


幕をちゃんと撮っていた過去の私にも、感謝

有り得ないくらい最高だった。

構成も脚本も演出もセットも衣装も何もかもが最高。私が何度も繰り返し読んだ漫画そのものだと言える景色が眼前で繰り広げられていることにまず感動しました。
特に感動したのは仙名彩世さんのシーラ!私が思い描いていたシーラの声すぎて………。仙名さんの歌う『永遠の愛』は今でもよく聞く大好きな曲です。

そんな''現実''すぎるキャストの方々のなかで、ひとりなぜだかものすごく目で追ってしまう人がひとり。

バイク・ブラウンを演じられていた水美舞斗さん。そう、現在の私の贔屓です。


これ撮ってたの後から気付いて自分に感心した。私、もうこのときから水美さんのこと好きだったんじゃん……

バイク・ブラウンって、言ってもすごく目立つ役とかじゃないんですよね。でも、私にはなんだかとっても輝いてみえて。

「あれ……私、なんかこの人、好きかもしれない………!!」

今思えば、あれがヅカオタが言う「贔屓は薔薇の花束を抱えてやって来る」だったんだと思う。なんて美しく、かつ的を得た比喩なんだろう。まあ、その時は自覚ありませんでしたが。

その後

『ポーの一族』観劇のあとからすぐにヅカオタ!と自ら言えるほど観劇に行けず(前述の理由)、受験勉強もあり、私はそこからまた暫く宝塚観劇からは離れることに。
でもネットニュースなんかで仙名さんや明日海さんの退団、柚香さんのトップスター就任のニュースは追ったりしてました。柚香さんのお披露目公演『はいからさんが通る』も凄く好きな漫画だったので観劇したかったのですが、残念ながら新型コロナの流行で叶わず。今思い返せば多少無茶しても行けば良かったな。
そして私は自粛期間中に配信を観た事がきっかけで2.5次元にどっぷりハマり、2020年下半期からはひたすら2.5次元舞台を観劇し続ける人間になるなどし……
またしばらく宝塚とは距離を置いてしまうのでした。

※この間もWOWWOWの放送などで『メランコリック・ジゴロ』を観たりしていました。今見返すと改めて凄いメンツ、そして学年の若さ……
細かく言うと何かで録画していた宙組『オーシャンズ11』を観て萌え散らかすなどはしたり、(『オーシャンズ11』の版権の厳しさ、映像の入手困難さをまだ知らず録画を消してしまい、その後猛烈に後悔する)星組のロミジュリは観劇していたのですが……なので正しく言うなれば水美さんをみる機会は、ですね。

銀ちゃんの恋

アウグストゥス、観劇日が公演中止になって観られなくて。そして配信も予定があり観られずで……。
そのため、ポーの一族以降私が水美さんに再び出会うことになったのは、水美さんの東上公演である『銀ちゃんの恋』でした。


わ!好きな人のポスターが!!!!!!

なんて格好いいんだ…………

正直ポスター観てから水美さんの主演作品が決まったことを知るレベルで宝塚の情報から離れていたのですが、ポスターみて真っ先に「私、この人の事が大好きだ!!」という気待ちが溢れました。

あ、この人が私にとっての''贔屓''なんだ……

この時、初めてそう自覚しました。

今まで何となく朧気だった好きという気持ちに名前が与えられたみたいで、なんとも面白い感覚でした。言語化が難しいけれど、贔屓という感覚は、推しや最推しと呼ぶものとはまた違う。

この時から私は水美さん、本当に最高…………!!!の気持ちで日々過ごしております。

そこからはなんとかかんとかチケットを手に入れ、『銀ちゃんの恋』を観劇し、友の会に入会し、あれよこれよと今に至ります。
だからヅカオタになったのは2021年になるのかな多分。あっという間に4年経ちました。

ヅカオタになって、今

4年前にはまさか自分が友の会ステータスプラチナになるレベルで観劇してるなんて、思ってなかったよね…………………………

この4年間で私自身をとりまく色々も、贔屓をとりまく色々も、宝塚をとりまく色々も、もう本当に、色々変わりました。

2024年6月現在においても、私が宝塚を好きな気持ちは変わりません。けれど、好きという感情一色でもありません。(というか、どんな事象やものにおいて、それに向ける感情が好き100%であるなんて事、さらさらないと考えています。そんな状況はもう好き嫌いではなく、ある種信仰の域だというのが私の考えです。対人となるとまた別なのかな……とも考えますが。)

好きなんですよ、宝塚。そこに関しては間違いないんですよ今のところ。

けれども、「なんでそんなことするん?」「なんでそんなことできるん?」「なんでなん?」みたいになる事が多すぎる。劇団が〜とかそこに属する人が〜とかではなく、【宝塚】というものに関するあれこれに。ひとつの事柄ではなく、さまざまな件で。

今、宝塚を好きな人間として、どういう在り方でいたらいいのかを自分の中で決めかねている、というのが正直なところです。本当にずっと、考え続けている。

昨年秋に起きたことと、それにまつわることは特にですが、TwitterひいてはSNSの中で何か意見することは現時点していませんししません。そういう主義です。

理由としてはまず第一に、私が何時でも見返せる場に文字化して出力してしまうとどうしてもそれに引っ張られてしまう質からです。

第二に、私の意見と、さらに広く言えばそれに至るまでの思考を誰かに利用されたり、論じられたくないからです。要するに、私だけのものにしていたいからです。

なので私のTwitterやらは一見「何も考えてないなコイツ」みたいに見えるかと思います。意図的にそうしています。
ツイ廃すぎるからTwitterの管理がメンタルの管理を兼ねているんですね。(改めて文字にすると限界ツイ廃すぎるな……)

基本は自分の思考のうちプラスよりで、それできて軽い感じのことしか出さないように、負の感情も愚痴にとどまる範囲で…と、自分のなかのルールに則ってつぶやいています。自分の意見は自分だけのものにしたいと言いつつ、だから分かってね、とここに書くのもどうなんだという感じはあるが。ごめんね。

一応理由があるということと、私のような使い方をしている人に対して非難したり問題視する様な人はSNSの使い方に関して主義が合わないし、ましてや断罪めいたことをするひとなんてめっちゃ人として無理!!!って感じだよ、ということを申し添えておきます。

根底としては''好き''があるから

繰り返しになりますが、私は宝塚が好きです。
これからもずっと好きでいたいし、観ていたいし、続いて欲しい。

だからそのために、変わっていって欲しい。勿論、健やかな方向に。

それに尽きるな、と思っています。
自身の正義感や倫理感からとか社会で生きる人間としてとかではなく、『宝塚』というコンテンツを消費する消費者としての欲求を満たしたいから、自分が満たされたいとう私欲のためです。好きなものを憎んだり嫌いになりたくない、そんな利己的な理由です。

ほんと、頼むよ…………………………

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