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港川人

『港川人』は、
沖縄本島の南部に位置する
八重瀬町の港川で発見された
22000年(旧石器時代)ほど前の
人骨につけられた名前です。

発見された人骨は
男性1体に女性3体の合計4体で、
なかでも男性の人骨は
全身の多くの骨が残っています。

日本列島の多くの場所では
酸性の土壌で有機物が分解されやすく、
旧石器時代のような古い時代の時代が
発見されることは大変珍しいのですが、

沖縄の一部では、
サンゴ礁の働きによって形成された
石灰岩質の地層があり、
その地層が骨を酸化による分解から
防ぐことで、
骨が綺麗に残ることができました。

男性の骨には
成長期に栄養不足や病気によって、
一定期間成長が止まってしまったことを表す
『ハリス線』が残っており、
当時の生活の厳しさがうかがえます。

その為か、
港川人の身長は
男性150cm、女性140cmほどで、
成人にしては小柄です。

上半身の骨は細く華奢ですが、
足の骨は太くて脚力に優れていたようです。

港川人は日本列島で発見された
最も古い人骨ですが、
DNAの解析によると
現在の日本人の直接的な
先祖ではないことがわかりました。

彼らは大陸から沖縄へやって来たあと
本州へは渡らず、
その後、子孫も途絶えてしまったようです。


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