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気密の蚯蚓(ミミズ)

どうして目は 
左右に仲良く埋まっているの?
父と母の古墳のようだ。草木の
丸い瞼の(寄せては返す…)むつごとは
【気密の家庭】のざれごとで(拮抗作用のシステムなのに)
にょっきり突き出た社会の中では真逆の正義を吠えている。
拮抗ドームの
右の眼窩で
父の夜が
母の夜を
照らして吠えて裁いている。
ふたつの螺旋で力を生みだす 一本の
【拮抗ライト】は古代の【機密のシステム】で
遥かな宇宙トンネルだ(半分だけじゃ気密になれない)ビニール製の
【ストロー結束組織体】

垂直に立つ
一本が 一本ずつに「鏡」を持つ。
手摺に摑まる
一本が マスクを着けて「ライン」を吐く。
半分だけじゃ気密になれない

夜の帳(とばり)で千のあかりを営んでいる
土饅頭は蛍のマンション群だった。

父と母とが
鬼ごっこして照らし合う夜
(岬はずれの灯台で)
サーチライトは回転扉。一度に二人は無理だから
お先にどうぞ。有難う(お願いですから
独りにしてね…)
【あなた】の不在で真水にもどるの。

中空糸膜でかすむほどに濾過したあなたが
私は好きだ。
その純粋に打たれている
その集中に引き込まれる(大滝の裏)


       *


岬で朽ちた
【観覧車】の台座の下に
今でも蚯蚓(ミミズ)はいるのでしょうか?
唯(ただ)一本で満ち足りた
両性具有。走暗性の
【環状結束・組織体】は
(やわらかい…)
腐葉酵母のユートピア
気密ヶ腹(はら)の宇宙トンネル

ニョロニョロニョロ…
解(ほぐ)して戻す。
ニョロニョロニョロ…
闇を食べる。

ときどきふと(やっちまうんだ)
炎天直下のなれの果て 

アスファルトに同化するまで。

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