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【読切マンガ】2024年8月前半【５選】

吉川きっちょむ／マンガ大好き芸人

どうも、マンガ大好き芸人の吉川きっちょむです！
よろしくおねがいしマンガ！

毎日何かしらの読切マンガが雑誌やweb、アプリなどで大量に世に発表されて読み切れないと思うので、忙しいひとのために話題になった読切や個人的に響いた８月前半の読切をピックアップ！
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おすすめ読切マンガ５選

１. 『欠ける月』冬虫カイコ

（COMIC MEDU掲載、2024年8月9日）

どこにでもいる平凡な婦人・望月さく(69)。
夫を早くに亡くして一人暮らしをしており、ラジオを聞くことと俳句サークルに行くことが趣味。ある日、風邪をこじらせてしまってしばらく外に出られなかった彼女は、久しぶりに俳句サークルに行くがーー。
「きずあとに花」「土曜日の三重奏」の冬虫カイコ描く、完全新作読切20ページ!!

COMIC MEDU

すごい20ページ。 読んだ感覚はホラーなんだけど、だれにでも起こりうるもの…。自分の名前が書けなくなったり、曜日や時間を間違えたり…。
いわゆる「◯◯症」。
「◯◯症」という言葉を使わずに６９歳の女性当人の視点で描かれていく違和感の手触りと、周囲の「これは…」「もしかして…」といわんばかりの表情。同年代の友人たちはおそれているんですね、いずれ自分もそうなるんじゃないかと。だからこそ怖いし、それを自分が宣告することも残酷でできない。
まるで、いずれ自分が変質して別の生き物になってしまうホラーを描いた作品のような感覚で描かれていて、まさにそうではあるんだけど、面白かったです。
同じテーマで海外のアニメーション映画『しわ』や、アンソニー・ホプキンス主演『ファーザー』という映画でも描かれるんですが、当人の視点に立つと本当にショッキングです。自分が認識できているもの・こと・ひとが時を吹っ飛ばしたように変化したり、まるで違うもののように見えたり疑心暗鬼になっていきます。そちらも観る機会があったらぜひ。


２. 『シモネタ王の死』熊倉献

（webアクション掲載、2024年8月13日）

オカルト研究会の仲間・森が亡くなって8年ぶりに集まった同級生３人。かつてした約束を実行しようと、コックリさんで森の霊を呼び出すことになり…。

webアクション

『ブランクスペース』『春と盆暗』の熊倉献先生のお盆にぴったりな読切！
下ネタ好き×幽霊ってこんな展開になるんだ！

相変わらず話が気持ちよく進むし、思ってもみない事象を放り込まれるので読書体験が楽しい。
人によって違う死と向き合う特別な形があってとても好きでした。


３. 『ロンリーゾンビガール after』とこみち

（ライコミ掲載、2024年8月13日）

鬼才『とこみち』が紡ぐ、儚くも切ない少女達の非日常な物語。
ポストアポカリプス系連続読切企画始動――。

ライコミ

第１弾、第２弾に続いてとこみち先生の読切シリーズ掲載第３弾。
第３弾のラストで完全にやられました。シリーズ掲載とはいえ読切だから、と思っていたら良い意味で完全に裏切られました！
ということで第１弾から続けて読むのをオススメします。

↓第1弾

↓第2弾

とこみち先生は、先日のこちらの読切『灘上団地』も非常によかったですね。


４. 『きみの眼をじっと見る。』ねじがなめた

（チャンピオンBUZZ 2024年Vol.11掲載、2024年8月11日）

九州の田舎高校の美術部で起こった、切なくて苦しい"偏愛”物語。

チャンピオンクロス

三角関係になりきれない、とてもいい関係でした！
目の前で見せつけられ叶わぬ恋をしてしまった男子の美大受験記。
可愛くて絵も上手い同級生の雪村さんが、女性の美術教師・有野先生に連れられ美術部にやってきた。吸い寄せられるように雪村を好きになってしまう主人公だったが、雪村の視線の先にはいつも有野先生がいて有野先生にだけ見せる笑顔があって…。
絵の上手さへの嫉妬、羨望、才能、恋、努力、憧れ、ライバル意識など様々な感情がそれぞれに混ざっていてよかったです。


５. 『秋山くん、童貞卒業おめでとう』志戸しう

（となりのヤングジャンプ掲載、2024年8月13日）

2024年5月に関西COMITIA70「4時間スピード漫画賞」にて『推しのおっぱいなんて見たくなかった』が準大賞を受賞。

となりのヤングジャンプ

面白かったです。10Pショート読切。
クラスメイトのSNSを探し出してこっそり見ていた陰キャの主人公は、同じく陰キャでクラスで浮いていて同類だと思っていた秋山くんに彼女ができて童貞卒業するかもしれないことを知り、浮足立ってしまうが…。

ユーモアのあるオチにも思えますが、見方によってはその中に切なさや哀しみも含まれていて複雑な気持ちにさせられてとてもよかったです。

上の５つ以外の読切作品

他にもよかった読切あったのでぜひ読んでみてください！

・『天使か悪魔かわからんやつが部活に入るまで』あやき

「ヤンジャンpixivコンテスト 24spring」受賞作 【マンガ部門】 大賞
（となりのヤングジャンプ掲載、2024年8月15日）

たったの４ページでこの良さはさすがでした。スパッと気持ち良いオチ。
かなり強めな中二病の生徒の三者面談を行うが母親は案外普通で…。

あやき先生は以前から各所で面白い読切掲載されてるので他のもぜひ！


・『強盗ASMR』西村マリコ

（となりのヤングジャンプ掲載、2024年8月5日）

過去作に『帰らないおじさん』『帰ってきた帰らないおじさん』（講談社）。「大学の先輩」で関西コミティア70「4時間スピード漫画賞」準大賞。

となりのヤングジャンプ

10ページ読切。
娘が見てた咀嚼音ASMR動画の良さが理解できなかった父だったが、とある状況に陥ったとき、途端に気持ちが理解できたばかりかむしろハマってしまうというシンプルで分かりやすく過不足のない10ページで素晴らしかったです。

・『となりのちーちゃん』Twist

（となりのヤングジャンプ掲載、2024年8月3日）

2024年1月に関西COMITIA69「4時間スピード漫画賞」にて『嘘つきの優しい奴め』が大賞を受賞。

となりのヤングジャンプ

10ページ読切。
となりの家のベトナム語が母語の小さな女の子と、妻が出かけてて一人で預かることになってしまった強面のおじいさんの話。好きでした。話は通じないけど一緒に昼ごはんのカレー作ることになって、戸惑うおじいさんとちゃっちゃか作り出す女の子の対比が良いし、レモングラス・ナンプラー・パクチーが入ったベトナム風のカレーが美味しそうでした！
やさしい絵がほっこりを増幅させる！

・『サンタの仕事』島本忠幸

【「りぼん×ジャンプ小学生まんが大賞2023」超まんが家賞 受賞作】
（少年ジャンプ＋掲載、2024年8月2日）

【りぼんｘジャンプ小学生まんが大賞】超武闘派サンタがプレゼントを配りに行く先は…魔王の家!?待ち受ける罠や敵、様々な試練を打ち倒しながら進む最強サンタの任務は果たして…。才気煥発の「りぼん×ジャンプ小学生まんが大賞」受賞作！

少年ジャンプ＋

小学5年生にしてこれは本当にすごい。リアル『ルックバック』を感じた。
映画『ホーム・アローン』が好きで「小学生がサンタを撃退する話」を考えていたけど、そのうち「サンタが入るのが最も難しい家は？」で「魔王の家」にたどり着いてる発想の捻り方も最高。8年後くらいに名前えを変えてジャンプに連載してそう。


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