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ぼちぼちそば打ちの頃じゃの

木頭で暮らしはじめてから
ものごとの『はじまり』に
触れる時間がかなり増えましいた

つまり
普段口にしているものが
何からできていて
その原料がどのように育っているのか?
などなど
そういう『はじまり』を知る
『はじまり』を見る
自分で『はじまり』をやってみる
などの機会が増えました

民具の使い方に興味があり
木頭で実際使っていた方の話や
知恵を教わり

昔そばを山で育ててた話を聞き
そばも打っていた話も聞き

『これって、今、できちゃうよね。』

って思ってからというもの
動きたくて仕方がなくなり

仲良くなったおばあちゃんと
畑にそばを撒き
そばは肥沃な場所じゃなくても育つことを知り
年に2回収穫できることも知り
そばの花は鶏糞が発酵したような
独特な香りがすることも知り
そばの実はトゲトゲで痛いことも知り
その実を茎から上手にとり
その実を石臼を使って粉にして
ふるいにかけて
やっとこさ粉になって
その粉でそばを打って
羽釜で沸かしたお湯に入れて茹でて
私が当たり前に食べているおそばになって


今まで見えていなかったプロセスが
体験とともに見え
さらに、そばでおばあちゃんの体験談も聞けるという
なんとも興味深い時間

そばを種から育て
脱穀して
石臼で粉にして打ったそばは
それはそれはうまかった!


その時から
毎年年末頃になると

「ぼちぼちそばうちの頃じゃの。」

という話が出て
おばあちゃんたちと予定を合わせて
毎年一度はそば打ちをする


その年々で
新しく移住してきた方なども
お誘いしてみたりして
一緒にそば時間を楽しんでいます

今は、育てることはしていないけれど
木頭で育ったそばを分けてもらい
毎年そばを打っています


「今年は、具は何入れるぅ?しいたけはたいてくわの。」


「一緒にだいこめし(大根めし)しようかのぉ。つもりしとくわ。」


「じゃあ私はそば担当しますね。あと、トッピング用の川魚は私が。今年はあゆです!」

そんな感じで
当たり前のように毎年
楽しみにしているそば打ちの会^ ^


もう何年目だろうか?
毎年変わらずそば打ちできることが嬉しくて
そして、楽しみで仕方ない


「そば打つん、軽トラの荷台使うたらのうええぞ。」


「ちょっと切るんやってみようかの。斜めんなったけんどかまんのぉ。ははは。」


「羽釜の湯沸いたぞ。焼き芋もできたわ。ほれ、食え。」

「こんにゃくこっさえたんぞ。刺身で食わんか。」

「畑の菜で、おかずこっさえたけんのぉ。」

地域のおばあちゃんたちは
身の回りにあるもので
なんでもこっさえてしまうし
色々な『はじまり』をよく知っている

便利な暮らしでは
見えにくくなった部分が
木頭で暮らしていると
見えてきて
それは大事だなと感じることが多々あります

今の暮らしでは
なかなか見えにくくなった
大事な部分を

毎年恒例となっている

『ぼちぼちそば打ちの頃じゃの。』

の時間を大事に
自分も楽しみながら
みんなで楽しみながら
引き続き感じていければと思います^ ^

帰り際

「次は、味噌づくりじゃの。」

こちらも、
毎年恒例の会に^ ^
来年の寒の頃にまた
集まってわいわいできればと思います^ ^

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