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ないものねだり

「羨ましいけどね」

心友がそう言ってくれた。
泣きそうになった。

17の時、暗い部屋のベッドの中で、
キラキラした映画やドラマを観ながら
当たり前に青春を送る同級生を横目に
ただ羨むしかなかった日のことを
思い出してしまったから。

当時の私には当たり前がとにかく眩しくて
当たり前への憧れが私の原動力だった。

だから、何気ないこのたった一言で
あの辛かった日々が報われた気がした。
本当にありがとう。

やっぱり、わたしはわたしで、
みんなとは違うかもしれないけれど、
少しはキラキラして見えるように
なれているのかもしれない。
そうだったらいいな。

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