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躁鬱(双極性障害)の人向け 独自ルールの作り方

躁鬱を持っていることについて、今は自分の性質だと受け入れ、理解しています。その上で、どうしたら生きやすくなるのか?それについては、躁鬱でない人から学ぶことが多くありました。

今の社会は、右利きの人に合わせて設備が整えられていたりするように、大多数に合わせて設計されています。

では、左利きの人が「それはおかしい!使いづらい」と怒っているかというと、そうではなく、左利き用の道具を使ったり、自分のスペースでは自分用に物の配置を整えたりしているのだろうと思います。

別の例で言えば、私は子どもがいるので、発達障害の情報に触れることがあるのですが、特性のある子どもは、それぞれの困り事に対して、工夫しています。

光が眩しく感じる子はサングラス、音に敏感な子はヘッドホン、人が多いと落ち着いて勉強できない子は、その子に合わせたクラスへの参加、といったように、苦痛を少なくする選択をしています。

躁鬱の人にとって、苦痛を少なくするために必要なことを考えた時、独自のルール設定は外せないと思います。苦痛といっても、何を指すかは人それぞれですが、症状が出て日常生活が上手くいかなくなり、自己否定のループになるのは辛いことの1つです。

独自のルール設定のためには、自分の過去の発症の状況を振り返り、ヒントを得ると良いと思います。

例えば、私の場合

・夏
・人のために動く
・社会的な不満に反応している
・遠出のレジャー
・読書量が多い
・痩せる

状況としては、このような感じですが、これによって引き起こされたのが、激しい躁状態。大多数の人にとっては問題なさそうなことが、私にとっては過度な興奮に繋がります。

躁状態では友達にやたらと連絡してしまったり、活動的になったり、偉くなったような妄想をして、反論する人に怒ったりしてしまいます。

これでは人との関係が壊れてしまうので、入院するのですが、複数回の入院を経験しています。私の場合は、複数回入院したことで、発症したとしても必ず回復すると納得しています。

また、躁状態になっている時には気づきませんが、体に相当な負荷がかかっており、症状が落ち着いてきた時には、体調が悪くなります。

体の具体的な症状
・肩、背中、腰が痛い
・咳が出る
・胃が痛い
・下痢
など

体に次々に症状が出るように感じるのですが、躁状態になる前からあるのに気づけないのです。

ここで入院生活について少し触れておきます。

入院中していたこと
・寝る
・食べる
・排泄
・お風呂(週3)
・ベッドの上をコロコロ
自分でしていたことはこれくらいです。

入院中されていたこと
・行動の制限
・連絡の制限
・物の持ち込みの制限
・体調管理
・お金の管理
など

行動の制限は、医師の許可がないとホールに出られない、といったことです。患者同士のトラブル防止や症状悪化を防ぐためだと思います。

スマホの持ち込みもできず、連絡は医師の許可が出てからテレフォンカードを買い、相手は家族に限られました。

発症の状況・体の症状・入院生活の内容から、独自のルールを決めて生活しています。

<発症の状況より>
・夏のレジャーは無理のないもの
 →疲れるので、あまり遠い場所を選ばない。
・人のためより、まず自分の体調を整える
 →人のために頑張ると自分のことが疎かになりがちなので。
・ネットやテレビのニュースをあまり見ない(特に映像)
 →映像は頭に残り、影響を受けやすいため。
・本を読んで勉強よりも、意味のないことをする(遊び)
 →考えることに寄りすぎるので、手を動かす。ルービックキューブや知恵        の輪など。

<体の症状より>
・定期的に鍼灸に通う
 →体の調子を説明する必要があるので、不調に気づきやすい。
・毎日、肩に電気治療器をあてる
 →同じ強さで続ける。
・毎日、一箇所同じところにお灸
 →昨日より熱く感じるなどの違いに気づく。
・不快な症状は薬を飲むなど、すぐ対処する
 →不快症状を放置しない。
・家事は無理のないものを毎日する
 →やりたくない・できない時、不調に気づく。
・毎日、体重を記録する
 →痩せたら注意する

<入院生活の内容より>
・自分で体が疲れると感じる場所へは行かない
 →人混みなどは疲れるので避ける。
・LINEは連絡が来たら折り返すのみ
 →相手を不快にさせない配慮など、やりとり自体が疲れるので、こちらか  らは連絡しない。
・睡眠を管理する
 →スマホは寝室に持っていかない。睡眠時間管理のためにスマートウォッチを使用。
・大きな買い物や欲しいものなどは、パートナーに一言相談する
 →思いつきによる不要な買い物や、大きな失敗をしないため。

その他いろいろありますが、気分を監視し続けるのは難しくても、体の痛みなどは意識するポイントを設けておけば、やりやすいように思っています。

独自のルールといっても自分勝手に決めて周りを振り回すのでは、意味がありません。体の状態を言語化して、身近な人に納得してもらうことも大切だと感じます。

将来的には、この病気が広く認知されて、もっと気持ちが楽に過ごせる日がくるのでは、と期待しています。確かではないですが、そんな希望も持ちつつ、自分なりに工夫して過ごしたいです。

最後になりますが、独自ルールを作るには、出来るだけ多くの自分の情報を集め、発症のきっかけとなりそうな状況を避ける行動を考えてみるのが良いと思います。

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