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家庭が変わるか、仕事が変わるか。

我が家は共働きである上に、転勤族。夫は全国転勤を基本とする企業に勤め、私も勤務エリアを選択できる制度を活用し、正社員として働いている。
お互いの祖父母は遠方に住んでおり、子供や家族に関することは何もかも、自分たちで何とかしなくてはいけない。
息子が体調を崩した日、大事な予定があったとしても、もちろん息子のために親が休む必要がある。

そうなると、当然、育児時短を申請している私が、優先的に休むことになる。
いつ休むかどのくらい休むかわからない、そんな社員に、責任ある企業はなかなか任せてもらえない…この働き方の仕組みが、もっと変わっていくといいと期待を込めて、今の思いを記録する。

休みやすいように、という呪縛

最初は、一つの配慮で、優しさだと思った。
でもだんだんと、その配慮がわたしの仕事へのモチベーションを蝕んでいく。

復帰当時、息子は0歳。幸運なことに、自宅から近い素敵な保育園にも預けることができ、コロナ禍で不安はあったけれど、当初のスケジュール通りに復帰できた。

復帰前の面談でも、復帰後も、「突然のお休みに対応しやすいよう、みんなのサポートを」と言われ、データ分析などのパソコン業務が得意だった私は一セールスとして担当を持つより、自分らしく働けると希望を抱いた。

でも、今私が当時の自分にアドバイスをするとしたら、何としても年次相応の、せめて産休前の業務を持ちたいと言うべきだということ。休みやすいように、と言う言葉は、「あなたには責任ある仕事がないよ」という意味だ。

同じ席に座る、声を上げる、そうしたことが大切と知っていたのに、優しさが落とす影に気づくことができなかった。

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「夫のサポートがないと仕事は与えられない」

復帰から1年が経ち、仕事がほしい、と伝えとき。
上長からは、「息子さんの体調が悪い時や検診、予防接種など…主にあなたが休んでいると思う。夫を含めた家庭のサポート環境がないのなら、こちらとしては仕事は与えられない。」という言葉。
声を上げるのが遅すぎたのかもしれないし、伝え方が悪かったのかもしれない。

いわゆるマミートラックにはまってしまった、と認めるしかない瞬間だった。私は、「いえ!大丈夫です!なんとかなります!仕事優先で動きます!」とは言えなかった。そもそも、「仕事優先、ってなんだ?」「母が優先して休むことには理由がある(授乳など)し、家庭のサポートを休むと言うことだけで計ることは偏っているのではないか?」と思っていたので、上長の話に何も返事ができなかった。

わたしは夫の転勤に合わせて、勤務エリアを選択して働くと言う契約形態で働いているので、どうしても働き方や収入の軸は夫。
家事や休みまで、50:50のバランスにすることは現実的に考えて難しい。
得意不得意もある。私は家事全般が得意だし、夫は十分に私たち家族のメンタルケアもしてくれているし、楽しく暮らせるためにできることを全てしてくれていると思う。妻として、母として、満足している。

でも、それを赤の他人に数値化して伝えることってとても難しい。上長が「何」をクリアにしたら、仕事を安心して与えられるのか、もっともっとコミュニケーションをとる必要があったし、復帰直後からそうしたコミュニケーションをとっておけばよかったと非常に後悔している。

結局、転職か

面談をお願いし、仕事が欲しいことを伝えても、具体的な話は一切出てこない。担当をくれた!と思ったら、新入社員が担当する規模の小さな企業。予算もなく、責任もない。「これが、答えか」と少しさみしい気持ちになったけれど、積み重ねてきた約2年間はもう取り戻せない。早く次のステップを踏みたいと、数ヶ月前、転職を心に決めた。

妊娠・出産を経て、働き方や仕事への考え方は人によって大きく変わると思う。

企業によっては、そんな社員も働けるようチーム体制をとったりと様々な施策を実施していると思うけれど、そうした企業ばかりではない。
くるみんマークがついていても現場は違う場合も多いし、女性の働き方同様に、「女性の働きやすさ」に関する情報は数字だけでは見えない部分も非常に多い。

家庭が変わるか、仕事が変わるか、と言う上司から突きつけられた究極の質問への答えは、「仕事を変える」になった。

変化のとき

仕事を変えることは、転職の他ないと思っていたのだが、まさかのタイミングで転属辞令が出た。
志望企業に内定も頂いたところで、正直今でもその辞令が信じられず、気持ちの整理をどうすれば良いか混乱しているけれど、保育園事情を踏まえて考えると転職は諦めざるを得ないと感じている。

そんな中、夫も辞令が出て転勤となり、夫婦で転勤という思わぬ事態に巻き込まれ、毎日更新したいと思っていたキッズアクティビティシートにも手が及ばない状況。
ゆっくり自分の人生と向き合う暇さえない現状。

この変化については追々書いていきたい。

いや、しかし…お母さん、お父さんって本当に大変だ。
企業に属しているから安心できるところや煩わしい部分もあるけれど、属していないからこそ自由で大変なところもあると思う。
いつも家族で話し合い、自分自身とも向き合い、そうやって時を重ねていくんだなと痛感。

家庭が変わるのか、仕事が変わるのか。
家族と自分の幸せのかたちを探す旅はまだまだ続く…

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