板橋祐己(Yuki Itabashi, Romanian Stamp Collecting)

20世紀前半のルーマニア切手の専門収集をしています。ときどき、国内外のコンペ形式の切手…

板橋祐己(Yuki Itabashi, Romanian Stamp Collecting)

20世紀前半のルーマニア切手の専門収集をしています。ときどき、国内外のコンペ形式の切手展で研究発表しています。集めていて気がついたことをまとめていきたいと思います。 Yuki Itabashi, Essay about my Romanian Philately

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ルーマニア・フェルディナンド1世(1920-1926)の切手の楽しみ

切手収集家、もしくは郵趣家(切手・郵便の専門家)は、世界中の切手の中から自分のお気に入りの国や地域、年代を決めて集めるのが多数派を占めています。 1840年5月にイギリスが世界最初の切手を発行し、現在では250を超える国と地域がそれぞれ切手を発行しています。もちろん切手であれば、全てを収集対象にする立場の人もいますが、私(板橋)は特に20世紀前半のルーマニア切手に狙いを定めて、2003年頃から収集を開始しています。 20世紀前半になると、すでに大量生産・大量消費の時代に入

    • Corinphila2020年9月のセール

      スイスのコリンフィラのセールに、ルーマニアが100点余り出品されました。いずれもホットな競りになりました。フェルディナンドもまとまったロットが出たのですが、想定よりも高額となり、落としきれませんでした。 特に注目していたのは、ロット1752でした。手数料・通関料で90万円くらいの計算....となり、ふんぎりがつきませんでしたが、なかなか佳品が入っていました。 1920年発行のフェルディナンド1世耳紙付きのプルーフです。1点300〜500ドルくらい。左上のコーナーに小さなト

      • 不足料切手30Bani貼りの未納外信書状

        国内料金が適用されたチェコ発の外信書状の未納例 (*100%の正しさではありません) ●真贋 初めて入手した不足料切手30Baniの単貼書状です。消印がタイしていないのが残念ですが、チェコの消印とOradea Mareの消印はほかのものと比べても違和感はなく、作為的なものは感じていません。トランシルヴァニア地方にいたドイツ系住民(トランシルヴァニアのザクセン人)の筆記と比べても違和感ないとみています。 ●差出地:コシツェ コシツェは現在のスロバキア東部に位置する都市です。

        • 国際切手展作品紹介サイト「EXPONET」に拙作「ROMANIA KING FERDINAND 1920-26」(英文)を展示させていただきました。コロナで開催中止になった切手展作品だったのですが、少し気が晴れました。 http://www.exponet.info/exhibit.php?exhibit_ID=1416&lng=EN

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        ルーマニア・フェルディナンド1世(1920-1926)の切手の楽しみ

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        • フェルディナンド1世(Bust mic)
          1本
        • フェルディナンド1世(Bust mare)
          1本
        • ルーマニア近現代史
          1本

        記事

          スタンプショウ=ヒロシマ 2020 (広島県立産業会館東展示館第 2 展示場)2020年6月13-14日。いまのところは予定通りとのことで、本日参加申し込みをさせていただきました。全日本切手展2019に出品した「ルーマニア付加税切手」です。6月までには収束しているとよいのですが。

          スタンプショウ=ヒロシマ 2020 (広島県立産業会館東展示館第 2 展示場)2020年6月13-14日。いまのところは予定通りとのことで、本日参加申し込みをさせていただきました。全日本切手展2019に出品した「ルーマニア付加税切手」です。6月までには収束しているとよいのですが。

          フェルディナンド1世(Bust mic)とその収集のポイント

           個人的に2番目に好きなルーマニアの普通切手が、1920年から1928年頃にかけて使用されたフェルディナンド1世(Bust mic)です。ミディアム・ヘッドなどと呼ばれるフェルディナンド1世の肖像をデザインにした切手です。数え方にもよりますが、実に23種の切手(メインナンバー、切手カタログの大分類上の種類)が約7年のあいだに発行されました。 書状15Bani時代(1920年)発行の5Leu Green 実に書状33通分の高額面切手だった  戦後の混乱期に使用されたBust

          フェルディナンド1世(Bust mic)とその収集のポイント

          フェルディナンド1世(Bust mare)とその収集のポイント

           個人的に一番好きなルーマニア切手は、1920年から1923年頃まで使用された普通切手・フェルディナンド1世(Bust mare)です。ラージ・ヘッドなどと呼ばれるフェルディナンド1世の肖像をデザインにした切手で、第一次世界大戦後に登場した統一図案の切手です。  切手の仲間内で、「ルーマニア切手のどんなところが面白いのですか?」「自分もルーマニア切手を集めてみたいのですが、どんなふうに集めたらよいですか?」と聞かれることも多いので、自分の関心についてまとめたいと思います。

          フェルディナンド1世(Bust mare)とその収集のポイント

          第一次世界大戦前後のルーマニアの領域

          ルーマニアは第一次世界大戦の時期に、同盟軍の占領を受けながらも、結果的に戦勝国に名を連ねることとなりました。そのため、戦前・戦中・戦後では領土が大きく変貌しており、このことがルーマニアの郵便史をより魅力あるものにしています。 *上は1916年10月6日に、ブラショブの町に入るドイツ軍の様子を紹介した絵葉書。 1.ドイツを中心とする同盟国に占領を受けた地域と、2.占領を免れた地域、3.戦中・戦後に新たに獲得した領土の3つに大別するのが一般的です。特に、歴史上最大の領土となっ

          第一次世界大戦前後のルーマニアの領域

          新型コロナウイルスーー実は3月19日から22日まで開催されるアジア郵趣連盟(FIAP)主催のNZ2020に、ルーマニア切手を出品する予定だったのですが、世界的なパンデミックの中、開催が中止されることになりました。延期ではなく、中止とのこと。残念ですが、次の機会を目指します。

          新型コロナウイルスーー実は3月19日から22日まで開催されるアジア郵趣連盟(FIAP)主催のNZ2020に、ルーマニア切手を出品する予定だったのですが、世界的なパンデミックの中、開催が中止されることになりました。延期ではなく、中止とのこと。残念ですが、次の機会を目指します。

          切手収集家・郵便史研究家 板橋祐己のnoteです。

          『ビジュアル世界切手国名事典』シリーズ(日本郵趣出版、2014-2015年)の著者です。オリンピックに出場する国と地域を網羅!切手国名調べの定番書籍です。

          切手収集家・郵便史研究家 板橋祐己のnoteです。