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不足料切手30Bani貼りの未納外信書状

国内料金が適用されたチェコ発の外信書状の未納例

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(*100%の正しさではありません)
●真贋
初めて入手した不足料切手30Baniの単貼書状です。消印がタイしていないのが残念ですが、チェコの消印とOradea Mareの消印はほかのものと比べても違和感はなく、作為的なものは感じていません。トランシルヴァニア地方にいたドイツ系住民(トランシルヴァニアのザクセン人)の筆記と比べても違和感ないとみています。

●差出地:コシツェ
コシツェは現在のスロバキア東部に位置する都市です。実はスロバキア東部はハンガリーとチェコスロバキアの係争地だったため、1919年まではおそらくチェコスロバキア切手の供給が限定的だったのではないかと考えています。無切手もしくは無効覚悟でルーマニア切手を貼付した事例を複数確認しています。

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●宛先:ブラショフ
ブラショフはトランシルヴァニアにあるルーマニア第二の都市で、第一次世界大戦まではハンガリーでしたが、1918年にルーマニアに併合されます(1920年のトリアノン条約で正式に承認)。当時の国内書状料金が15Bani、外信書状料金が30Baniなので、不足料切手は50Bani(25Baniの倍額)を徴収するはずなのですが、実は当時のチェコスロバキアの郵便料金上は旧ハプスブルク帝国内であれば国内料金を適用するルールがあるので、国内書状扱いとなり、不足料切手は30Bani(15Baniの倍額)ということになります。しかし受け取ったルーマニア側では外信書状に当たるので、強制貼付切手の未納は徴収されることなく、30Baniの単貼書状が成立したというわけです。

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