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私の母の話 2

私の母の話 2

私が高校生の時だったと思います。
たしかスーパーの買い物に付き合うということで母の運転する車の助手席に座っていた時のこと。

車を走らせて2・3分経った頃
母がおもむろにしゃべりだしました。


「これから車の免許取ることになると思うけど
 結構この辺はネズミ捕りがいるから、
 気をつけてね」

私「ネズミ捕り?」

母「警察がスピード違反とか交通違反を取り締まって待っていることをネズミ捕りって言うのよ」

私「へえー そうなんだ」

母「お母さん、結構スピード違反で捕まったことがあるからもう大体場所は知ってるからね」
 「あなたにも教えといてあげる」

私「はぁ それはどうも」

母が運転している車の窓越しの景色を見ながら、説明をしてくれました。

母「ここは、たまにいるから注意。ただ、実際は上り坂になっててあまりスピードを出ないからあんまり心配しなくても大丈夫かな」

母「この先の総合体育館の駐車場がかなり多い
   ここで私は何度も捕まってる」

ふと見ると、
本当にそこに警察官が立っていた。

母「ほらね 言ったとおりでしょ」
 「速度を出さなきゃ大丈夫♪」

母の車はゆっくりと立っている警察官の横を通ろうとしました

しかし、そこに立っていた警察官は腕を回して
母の車を駐車場へと誘導を始めました。

母「はぁ なに?」
 「いや、全然スピード出てないですけど」
 「スピード計るやつ壊れてんじゃないの?」

更年期というのも拍車をかけて、母は憤慨していました。

駐車場の奥に誘導され、
運転席の横に警察官が立ち、
窓からこちらを覗きました。

母はスイッチを押して、運転席側の窓を開けました。

口火を切ったのは母でした。

母「はい、どーも」
 「私、全くスピード出してませんでしたよ」
 「そちらの速度計
  おかしんじゃないんですか!!」

その警察官は優しい微笑みを浮かべながら
はっきり母に話しました。

警察官「シートベルト」

!?


母「ほんまや」

母はシートベルトをしていませんでした。

警察官「免許証をもって、
パトカーに来ていただけますか?」

母「はい・・」

白くなった母はゆっくりと
運転席のドアを開け、
パトカーへと向かいました。

帰ってきた母に私は言いました。
私「ここではスピードと
  シートベルトを気を付けるよ(笑)」

母「おだまりっ」

以上です

お米の代わりに肉骨粉♪

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