kitsukiをはじめた理由と想い
美容室kitsuki代表の竹澤といいます。公式noteで髪型を通じてお伝えしたいことを発信していこうと思います。はじめましての方もいつもお店に通っていただいている顧客の方もどうぞよろしくお願いいたします。
その前に簡単に自己紹介を。kitsukiは東京北参道にある5席のマンツーマン美容室です。現在スタッフは3名(2022,9現在)、一人ひとりにデザインを提案し髪型を楽しんでもらうために働いています。
美容室の数は歯医者よりコンビニより信号機より多く、人口に対してこれ以上いらなくないかというくらいたくさん。皆さんの住む周りにもいっぱいあるのではないでしょうか。
それだけ数があるのに髪型に困る人がなかなか減らないと感じたのがkitsukiをはじめたきっかけです。「今までの在り方では楽しめない人がいる」それを少しでも、改善したい。そんな気持ちでございます。
kitsukiのコンセプトはたのしむ提案です。
これについてお話しさせていただきます。
どうしたいと聞かれてもわからない
「美容室で上手に伝えられない」そんな人が多いです。どんな技術がある人が担当しても求める方向性が違えば気に入る髪型になるのは難しいはず。「思ったのと違う」その原因はカウンセリングで生まれてしまいます。
イメージの写真をいくつか準備したり、失敗した経緯を伝えたりしてもなかなか上手くいかない。そんな人の話を聞いていて気づいたことがありました。
それは、そもそもやりたい髪型がわからないのにどうしたいか聞かれても困るということ。
僕ら美容師はゲストに喜んでもらうためにカウンセリングの時間を大事にしています。悩みや理想、普段のスタイリング方法など。やりたい髪型を聞いて形にしていきます。
ですが、聞きすぎてしまうがゆえに髪型に決定権をゲストにゆだね過ぎてしまう。自分でどうしていいかわからない人にこれをした結果、どうしていいかわからない髪型が生まれてしまう。これでは楽しめない人が減らないなと感じました。
そこで、kitsukiでは担当者がゲストの話を聞いて自分の考えを伝えることを大事にしています。
その悩みを解決するのならこんな髪型がいいと思う。周りの目線も大事だけどまずは好みを優先してみてはどうか。感じているよりずっといい髪質だからいかしたらいいと思う。そうしてわからない人をリードするようにしています。
自分で何がいいかわかっている人は写真や動画を見せれば満足できることが多い。それができる人は美容室に困っていない気がします。
そうではない人に何ができるか。それがkitsukiをはじめた原動力になっています。
美容室はたのしい場
美容室に通うのはなぜでしょうか。おしゃれをしたい、仕事で印象を良くしたい、異性にモテたい、自分を表現したい、人それぞれ理由は違いますがその根源は、
毎日を楽しくしたいだと思います。
おしゃれのために行く人も、仕事のための人も、異性のための人も、その先にある日々が充実し気持ちがいいからその髪型にするはずです。だから髪型を楽しめていないと日々に何か足りない、そんなエネルギー不足になってしまう。
なのでkitsukiではこの髪型で楽しんでもらえるかを考え、提案するようにしています。
そのためには二つのことが必要です。自分で再現できること、正解は一つじゃないということ。これをベースに似合う髪型を提案しています。
髪質と合った髪型か
まず、髪型は自分でセットしなくてはなりません。お持ちの髪質に合わないものにするとその分セットに時間と技術が必要になるため再現が難しくなります。流行っているから、人気だからだけの理由で、髪質と合わないものをつくってしまうと、
ゲストのセットに任せなくてはなりません。
一般的にはサラサラできれいな髪質が理想とされ、そうでないものが悩みとされやすい。でもくせのある髪も細い髪も、誰かの理想の髪だったりするのが現実です。
そんな髪質の良し悪しは、髪型と合っているかで決まります。
ボリュームが出やすければふんわりしたショートやボブや動きのある長いものが合っているし、細ければタイトな外国人のような雰囲気になりやすい。くせのある人がストレートの髪型を求めれば悩みになるけど、それをいかした髪型になれば理想の髪質に変わります。
逆に直毛の方は巻いてもすぐ取れたり、ふんわりさせるのにパーマをかけたりセットの時間をかけたりと困っています。サラサラの髪型なら合っているけど、くせのようなデザインからすると直毛ですら悩みに変わっています。
自分で再現するには自分の髪質を悩みから理想に変えなくてはなりません。なので提案する髪型がお持ちの髪質に合っているかどうかを大事にしています。
正解の髪型なんてない
もう一つは髪型への先入観についてです。最近は情報が溢れすぎて何を信じていいかほんとにわからない。そのためわかりやすい発信がうけ、〇〇な人はこうすべきのような正解を決めるものが多いです。
特にどうしていいかわからない人はこれらに影響を受けやすいと感じていて、ますますやりたい髪型がわからなくなっているのではないでしょうか。
それも参考にはなりますが、髪型はそんな単純なものではありません。一人ひとりの髪質や好み、その時の状況、前髪の少しの違いが印象を変えたりと一言でカテゴライズできるものではないからです。
正解は人の数だけあり、絶対的なものはないのです。
でもそれがわからないから困っていると思うので、kitsukiはいろんな髪型がありますとお伝えしています。少しづつ髪型の成功体験を重ね、いつかこの髪型が自分の正解と感じてもらえたらとても嬉しいです。
もっと自由にやってみようという好奇心
髪型は自分を表現する大事なもので、誰のものでもなくその人のものだと考えています。
なのでもっと好きなように、もっと自由にできたら、もっと楽しい毎日が送れるのではと考えています。
ですが、意外とその自由を狭めているのはその人自身だったりします。今までの経験や環境などにより追い込んでしまっているのです。
そのしがらみを髪型を通じて少しづつほどき、日々を重ねるごとに髪型が自由になり、新しいデザインに挑戦できたらkitsukiの存在意義が生まれるのかなと思います。
今まで楽しめなかった人を楽しませる。そのために必要な提案をして日々を少しづつ良くしていく。そんな積み重ねを提供しながら、今よりも美容室に行くのがワクワクする人が増えたらいいな。
そんなことを目標にしながらkitsukiは日々働いていきたいと思います。
「髪型を変えるのって楽しいよね」これがゲストの合言葉になるように。