響

カランコロンと
音が鳴る

声にのせる人はその音が
言の葉にのせる人はその音が
彩りにのせる人はその音が
形にのせる人はその音が
薫りにのせる人はその音が
想いにのせる人はその音が

大地の恵みを育てる人にはその音が
食を変化させる人にはその音が
樹をかたちどる人にはその音が

草木が奏でるその音が
水が奏でるその音が
大地が奏でるその音が
風が奏でるその音が

鉱物が奏でるその音が
惑星が奏でるその音が
空が奏でるその音が

おのおの奏でる音は微かにちがい
どれひとつとて同じでなく
その無限の重なりが
見事なハーモニーを響きわたす

あなたにはアナタしか奏でられない音があり
わたしにはワタシしか奏でられない音がある

あなたの奏でる音も日々瞬間変わり
わたしの奏でる音も日々瞬間変わる

その無数の異なりが
オトとなり空間に響きわたる

どんなに微かな響きでも
それは必ず彼方まで届く

きこえるオトもあり
きこえないオトもあり
どちらのオトも
その存在がオトとして響きわたる

カランコロンと音が鳴る
静のなかに
心地よさが響きわたる