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男性(女性)の家事育児の積極参加は、本質的に不毛かもしれないと思う話 

男 家事育児 割合 時間なんかで検索をかけると、男性は一日平均30分であるのに対し、女性は一日2時間30分?割いているとかいうここ近年のデータを見かけます。男性は家事育児に全然参加していない。あるいは、俺は平均よりすごいやっている!という感想にりそうです。

しかし、もっと検索をかけると、あくまでこのデータは平均であるようです。現実の実態としては、女性と同じ位の時間、家事育児に没頭するイクメンが3割いる。ただし、平均にすると”男性全員では30分になる”ということ。大多数の男性はほぼ0近いというわけ。

少し話は変わるが、少し前にオリラジのあっちゃんが、良い旦那やめます宣言を出しました。その経緯を拝見すると、良い旦那を目指していた凄い人だという感想を抱きます。育児のために仕事を断ったり、はたらき方改革を自分で推し進めて家時間を捻出したり、あれだけ稼いでいる人(外で頑張る人)でも家のことを気にかけ、奥さんや子供の為に尽くしました。

で、その結果、あの宣言になってしまった。あれだけ家族に尽くしたとしてもご覧の有り様です。尽くし過ぎることをやめて、ある程度自由気ままに接する水準に変わったともいえますし。すごく雑に言えば、奥さんのプチ家出実家に帰ります!と一緒の原理で、私がいないと大変でしょ!!私の大事さわかった!?もっと私を大事にしなさい!!と相手に突き付けて自分を認めてもらおうとしたともいえます。

というわけで、家族への尽くし方のそもそもそのアプローチについて考え直し始めた今日この頃。男性(女性)の家事育児積極参加について、検討してみます。仮説です。




家事育児参加が増加しても、ある点以上では横ばいか下落する(仮説)

結局これが核心です。へを左右逆にしたような夫婦満足度曲線になるのではという仮説です。男性の家事育児参加を進めても、ある点以上からは、夫婦満足にとってはマイナスになる。なので、むしろ家事育児に積極参加しすぎない、夫婦にとっての望ましい落としどころを模索する事、あるいは片側が調整することが鍵なのかと思います。

なぜそんなことになるのかと言えば、大きくは2つの心理作用です。
・限界効用逓減(0と1万円の違いは大きいが、100万円と101万円は大差ない) → 支払いコストとリターンのつり合いがとれなくなってくる
・慣れてくると当たり前に感じてしまう人の性
 →育児家事の大半は雑用(だれかやってくれればいい)だから

男0 女100で家事育児分担している家庭の場合、0の男が10手伝ってくれるようになったとしたらその10は凄く価値が高く、女性の満足度は上がりストレスは減り、夫婦満足度にかなり貢献するはず。しかし、男40、女60の場合、すでにいい感じに分担して生活を回しているように思える中で、いつもより多くおまけに、男が10の負担を受け持って50と50になったとしても、その10は、前者より価値が低く評価されにくいというのが限界効用逓減です。(ミクロ経済学用語)

男からすれば同じ10で、その10を生み出すために使うコストは変わりない。しかし、その10で得られる女性からの感謝や労いや、お返しというリターンがある程度以上になってくると減る訳です。割に合わなくなってくる。自分はこんなに家事育児に参加しているのに!もっと頑張ったのに!報われない!と不満を抱える状態になります。

人間の慣れとは恐ろしいもので、例えば10と90の家事育児分担の夫婦でも、”慣れ”て全くその不満不遇に蓋をして気にしなくなるような慣れで、覆い隠すケースもある。一方で、頑張って40と、60分担している夫婦の場合、”慣れ”でその頑張り(それまでより微増した部分も含めて)が見えなくなって、それを当たり前と思い始めて、彼彼女の頑張りを汲んであげられなくなる、軽視するケースもある。

なぜ、慣れて蓋をしたり、軽視したりできるようになるかといえば、それは家事育児の大半が雑用(だれがやってもいいこと)だからです。軽微な仕事だから、やることのストレスが慣れにより軽減(相手にやってと指示する面倒より自分でやる方が楽)されて、やることが平気になる。蓋をしてしまうタイプ。一方で、同じ理屈を相手に求めると、ちょっとしたことで、誰でもできる軽作業なんだから、文句言わないで少しぐらいやってくれてもいいのに。やるべき当たり前だと相手を軽視することになります。

簡潔に言えば、ちょっとしたことなんだから!を自分の心を守るためやいさかい回避に使うと、蓋をする作用になり、相手に作業を求めるときに使うと、軽視になるというわけです。





対策解決方法

心に過度のストレスがかかっている状態はよくありません。積極家事育児の参加におけるストレスとは、上でのべた通りの原理で発生します。つまりは、自らが投じた分の家事育児への参加コストが、正確に評価報酬として報われないからおきます。

どうすれば、正確に評価してもらえるかというと、3ベクトルある気がします。

1、家事育児の見える化、棚卸し
2、偶発性、アトランダム、サプライズ
3、丸投げや放棄、困る状況を作る

1は、見える化して、費やしてる時間や大変さを分かち合ったりの話し合いをすることで、見落としをなくし再認識することです。評価のズレを減らし更新していくことです。かなり理性的な二人や建設的な二人でないと難しいかもしれません。

2は、毎日何時に帰るラインをあえてやめるとか、日によって作業役割を入れ替えるとか、手助けやサポートがあるのかないのかわからない。たまにだけ頑張るとか、そういう偶発さをわざと加味することで、たまのこととして、当たり前と感じにくくするということです。

3は、2に近いですが、わざと困る状況を作ることです。いたずらや悪意でやるのは論外ですが、家族のために毎日無理して定時上がりにするよりも、週の半分は残業も入れるとか。逆に残業ばかりの人は、一日は定時の時間を作ればいいと思います。相手がいると全然違う!と思うことで、ちょっとしたこと!の意識がなくなり、相手がいないと困る=大事=感謝になるわけです。


尚、今回は中長期的な満足度向上計画の話でした。直近や短期的な場面での夫婦トラブルの原理や解決には、以下記事をどうぞ。




おわりに

無理しすぎない。自分の頑張りが評価される、労われる。仕事でもなんでもそうですが、やっぱりこれが基本なのかなと思います。女性メイン、男性がサブの現状で、分担を頑張る男が増えている、でもその頑張りで失敗して上手くいかない人が一番可哀想だと思い、今回は男性目線で書きましたが、言うまでもなく女性目線でもまぅたく同じ原理が働きます。私ばかりしてるのに旦那はなにもわかってくれない!みたいなやつですね。

大半は、男性の手助けのなさに蓋をしている女性が多いと思います。しかし蓋をすると、相手への尊敬や感謝や好意が目減りしていき、人間的魅力や異性的魅力が危機になります。中長期的には、いい選択ではないと思います。いずれ、夫婦生活の満足度や性生活が目減りしていきます。

基本は話し合いで、ちゃんと毒だししたり互いに向き合い納得行くまで話し合うのが重要だと思います。とはいえ、人によっての考え方の違いや接し方の向き不向きもあるので、そういう時に強制的に当たり前をなくす方法論を今回提案してみました。実家に帰ります!みたいな毎回核弾頭落とされると男性はうんざりするだけなので、ちゃんとした理由があるなかで、ここは男性に任せられるぞ!ってときは息抜きプラス感謝の布石になると思って、試してみてはどうでしょうか。男性の場合は、たまの嘘残業でサボる(息抜き)みたいな話になりますかね。



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