北海道一人暮らしのおもひで

北海道で一人暮らししたことがあったので、思い出した順にいろいろ書いてこうと思う。


北海道って言ったらなんか牛とかメロンとかジャガイモもカニもなんでも美味いイメージがある。初めて土地に着いたときは3月だってのにめっちゃ雪が、てか風が、もうマジに冷たくて寒くて籠りっぱなしで外を見る余裕なんてなかった。うまいものに気を取られて超雪国なの忘れてた。なんで3月も雪降ってんの?3月は春じゃないのかよ。

ある程度いたら慣れるかと思っていたが、普通に同じ日本なのに体が季節差でついていかなくて、そこでできた友達、長崎出身の人だったからとりあえず長崎って呼ぶ、長崎と寒さのあまり絶叫しながら飯を食いに行ったりまた絶叫しながら家に帰ったりした。あの寒さはパンクロッカーを生む。
そういえばデスボイスも練習したことあったけど、部屋の壁がやたら薄くて隣に住んでる人のくしゃみが小さく聞こえてくるレベルだったから、いきなり地鳴りみたいな音が聞こえたら相当怖かったと思う。そんでドア開けたら眉毛の無い全頭紫の女が出てくるなんてもう気の毒すぎる。

長崎がラーメン好きな奴で、一緒に味噌ラーメンを食べた。道民が言うに味噌ラーメンにバターとコーンを追加トッピングするのは県外から来た人ってバレバレらしいので、長崎と意地でも頼まなかった。そうだ、私たちは住んでいる限り道民なのだから!まあ、長崎は地元の訛りがずっとあったが。

長崎はすげえ私と対局な人間で、簡単に言うなら陽キャと陰キャだ。パーティとか好きだし何かで集まることがあればすぐ私を呼ぶ。でも私は一人の時間も大切にしたくて部屋に八十八カ所巡礼の曲を大きくかけながらずっと自創作BLの漫画を描いていた。それはもうマリオのスター状態並みに調子がいいと3日で完成できた。
長崎といるのも楽しいが、会話が恋愛ばかりでネットの人と自創作について話すのはもっと楽しかった。なんか適当にチルい音楽を流しながら夜中まで絵描き作業をする。でも会話がBLの話、男根の描き方の話、異常性癖の話とシフトしていくので綺麗な音楽を流さず無音の方がまだよかった。

あの時は密室殺魚っていうタイトルの創作BLをずっと描いていた。ちみこいねこっていうキャラクターが登場するそれでもあなたがだいすきっていう創作も。どっちも色々嫌なことがあって、自分の創作2大創作軸だったのだがモチベーションを大きく削がれてしまい不眠になるくらい落ち込んだ。また形態を立て直して描きたいとも思っている。今でもツイッター(x)で認知してもらっている人を見かけると嬉しいと同時に申し訳なく思う。

でもまあ創作のハマり具合というのはピカイチだった。全て自分から生み出す感覚が楽しくていちいち何を描いていたか覚えていない。ツイッターに投稿してる作品なんてとっくの2週間前で、その間にどんどん描いていく。自創作のカンブリア紀だ。
今は手広く創作しているので熱量が分散しているけど、自分の作る話やキャラクターが好きで仕方ないところは変わりない。ネットで発信していると見栄を張ったり常に心の中で大衆を意識して陳腐なものになりかねないので、そういった弱さには打ち勝たないと自創作オタクとしての敗北だろうと、当時の自分を思い出すたびそいつに言われるような気がする。でもあの頃よりもっと地に足ついた創作ができてる気がするよ。いつの時の自分に負けようが勝とうが、全てが自分なので全部勝ちってことにしていいか?人には謙虚に、自分には傲慢にいく。

スーパーが近くにあって良かった。土地の雰囲気は地元を縮小かけましたってくらいで家々が密集してて特に劇的に北海道だぜ!という感じは、あった。ちょっと歩くと牛がいるんだよね。私の家よか広い牧場で寝っ転がってるし、たまに狐も寝てるしリスもいた。まじで北海道すぎる。
スーパーで買い物して、初めて思うのだが、肉の方が下手な野菜よりも安いのってこの世のバグですよね?あと冷凍するというのを学んだらこれはもう超革命すぎる。全ての食材を永遠にできる、いやできないけど、とりあえず諸々を一食分にラップで小分けして冷凍しとくとクソ楽すぎてびっくりする。あと食う時間に対して料理の時間長い。自炊関係に対して素人すぎる。
エコバックというものを買っていないし、袋ごときに3円ばかり取られるのも癪だったので、そのままシールだけ貼ってもらって持って帰るのも度々あった。
髪の毛が紫が落ちてグレーになっていたころ、エミネムのTシャツを着て、友人たちで鍋の予定だったのか両手に大根とネギを持って帰るということをしたら、自分の後ろを歩く人たちに「エミネムのTシャツだ…」と言われ、エミネムトークがおっ始まったのと、装備しているもののいかつさでちょっと恥ずかしくなった。それ以来、でかめのカバンの中に買ったものを入れるようにした。

夏は北海道が避暑地だなんて嘘だ。そんなの地球温暖化でとっくに殺されている。しかも家は雪国仕様の熱がこもるような作りだ。それでいて壁が薄いってもうすげえ絶妙な技術だと思わない?
よく電気代滞納してやばい色の封筒が来ては札幌の北海道電力本店まで赴いて支払いをしていた。目の前にはさっぽろテレビ塔。見上げんのも嫌になるくらい塔の先端にカンカンに照っている太陽。大通り公園のベンチに座って噴水でも眺めて落ち着く。
そもそも滞納するほど電気代使わなきゃいいのだと思ってクーラーを節約していたが、普通に熱さでおかしくなるので真夜中に飛び出た。ちょっと歩くとコンビニがあるのでアイスを買って公園まで歩く。外の方が100倍涼しかった。公園に行ったら恋人か知らんけど誰か2人くらいベンチにいる。いま1時だぞとか思いながら結局家に帰る。こういう寂しいとき、すぐに長崎とかに電話できるくらいの勇気があるなら孤独感を味わわずにすんだのに。

野球を見に行ったことがあった。あんまり詳しくなかったけど、誰かのデビュー戦で、球場の観客席は人でいっぱいだった。長崎とその友達とで見ていたんだけど、私も長崎もルールもよくわかんないので売店のから揚げを永遠に食べていた。トイレに行こうと思って立ったが、スマホをベンチに置いて行ってしまい、完全に自分の席が分からなくなったときは発狂しそうだった。円形でどこを見ても人ばっかって普通に方向感覚なくなるから。隣に座っていたおじさんが私が迷っているのを長崎に伝えてくれたみたいで、半分長崎に怒られながら席にもどった。
帰りに、球場近くに咲いてる雑草の花を摘んだ。家の中に戻ればまた一人だし、みんなと遊んだ思い出になると思った。
詳しいことは忘れたが帰りの電車で長崎の友達と私だけで帰った。この状態が一番きつい。友人の友人との話って何を話すべきかいまだよくわかんねーよ。しかもよりによってその電車快速じゃなかったから時間が長いのなんのって。なんとなーく全体的に渋にがい思い出だ。

夏に聞くのはやっぱTempalayだ。あとSuchmosとcero。この辺がすきな人はyahyelとかD.A.N.とかも好きだと思うんだけど、個人的にこの二つは夏の終わりごろ、もしくは冬かな。そんでもってサカナクションを聞く。ここあたりをずーっと聞いて、即席エモい夏の完成だ。
サカナクションを聞いてたあの時、きっと冬だと思うんだけど、長崎と札幌にラーメンを食べに来ていた。自分の住んでいるとこから電車で20分~15分で着くのでめちゃめちゃありがたい。札幌で急に都会になる。駅がすごいデカいことにビビる。駅内だけでも一日楽しめる。これが駅なら地元の駅は何なんだ。
目的のラーメン店を目指して歩くと急に雨が降るから、急いで建物で雨宿りをした。目の前にお店があるんだけどでっかいカニの、看板、看板?がくっついていて、足とかが動いてる。私も長崎も(もうカニでいいんじゃない…?)という雰囲気が出ていたがどちらも金がないので結局ラーメンを選んだ。長崎はラーメンの汁が服についてテンションが下がっていた。やっぱカニにしておけばよかったのかもしれない。

札幌の狸小路のどっかにある、小さいパフェ屋さんがあるんだけど、そこでよくドリンクLサイズくらいのカップいっぱいに生クリームとバニラアイスがバカみてえに入ったスイーツを食っては顔にできものを作っていた。これがまたすごくね、買ったことを後悔するくらい胃がもたれんの。あー食べるんじゃなかったと思ってもまた2週間後には食ってるので救えない。でも食べると何となく漠然とした将来の不安とかが消えていた気がする。下手にODとかにハマるんじゃなくて生クリームにハマってる方がよっぽど健康的でかわいいメンヘラだ。
帰り際に時計台を見に行く。高層ビルが並ぶ中、ポツンとあるそれはすごく残念な感じだ。木の配置もなんていうかもっとあるだろって。ちょっと残念な感じを見て、そのまま満足して帰る。

この狸小路ちょくちょく宗教勧誘とかしてる人いたんだよね。よくもまあ、中華シャツにミニスカピンク頭に声をかけようと思ったな。胡散臭さではいい勝負だ。名前とか聞いてくるの怖すぎて、適当にぶったぎって帰る。そしたら降りた駅前にまた別の宗教?というかスピ系の人がいて、「本好きですか?これあげます」とかって、カバーの無い洋書みたいな作りの本をもらった。
死後世界のこととか死の局面を体験することで力を得るとかなんかもうバリバリのやつだった気がする。結局捨てちゃった。
スピリチュアル自体結構好きなんだけどね。タロットカードとかパワーストーンとか本占いとか。あくまでもお守りみたいなもんで自分で完結するので十分なんだよね。スピ系って強要するから嫌がられると思うんだけども。

画材を買いに行く。どこの画材も入るとワクワクする。たぶん使うことが無いものとか見ても面白いなって思うし、光の当たり具合で色が変わるラメの絵具?を買った。使わないままどっかにやってしまった。コピックや色鉛筆、色紙いろんなものを買った。色鉛筆は中学生の頃から使ってるメーカーのものを使い続けている。今はあまり使うことがなくなったが、またアナログがしたい。

家に帰ると何となくこのままでいいんだろうかという不安でいっぱいになる。色々なるようにしてなってきちゃったから、自分で何かを選択することが辛い。でも大事なことだとは思う。
やだなーと思うゲージが溜まったらピアスを開ける。自傷といえば自傷なのかもしれないけど、どうせ傷つけるなら可愛く残るやつがいい。
これは初心者あるあるなんだろうけど、ピアス開けるなら変わったところに開けたいというやつ。普通に耳たぶにしてください。舌に開けようと思って、ピアッサーを買ったのだが、予想以上に硬かったのと、ひよった。血がね、豚肉の味がしてびっくりした。これまた初心者の二の舞なんだけど、悔しくてあちこち耳開けるっていう。思い出すと恥ずかしい。
血と痛みがキモくて「MOSHI MOSHI」これを聞いて気分を無理矢理上げていた。この時期一番好きな曲だ。そんで無理矢理頭を振ったり踊ったりしてやり過ごす。一人クラブだ。しかし耳と舌から血が止まらず踊る様はもはや狂人そのものなのである。

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MOSHI MOSHI W/ PYRXCITER & YOUNG ZETTON

秋くらいに映画にハマってとにかく鬱映画と言われるものはかなり観た。でもタイトル忘れたやつも結構ある。そんなん観てばっかだからこんなひねた性格なのだ。鬱映画って人生の最悪な末路をよく映してくれるけど、だからこそ反面教師にしようとも思うし、そういう問題にどうしてあたってしまったのかどうすることが最良の結果であったかこの時何を思っていたのかと考えるのが楽しいというのもある。
鬱映画かと言われるとちょっと違う気もするけど、「万引き家族」っていう作品すごく衝撃を受けたな。それ以降是枝監督の映画を追って見ています。人間の確執を描くのがうますぎる。
沈んだ後に昭和歌謡を聞く。当時私がドンピシャ世代なら絶対逆張りオタクもあって中森明菜派だし、実際好き。けど松田聖子の歌声ってすごいよね。「青い珊瑚礁」の初めのあぁ~って透き通った高い声で心をえぐい掴まれる。改めて聞いたらいやすごいわって爆笑した。すごいもの見たり聞いたりすると爆笑しちゃう。
80年代歌謡曲って夏が待ち遠しくなるよね。歌詞の情熱が心を常夏に連れてってくれる。夏はレコードを聴き漁ったりして、所有するレコードは100枚を超えた。

冬はすごい寒いと思うでしょうが、マイナス何℃がずっと続くと0℃の日なんて「今日はあたたかいね」って言い合っていたりする。ここまで来たらこの土地の寒さに順応している証拠だろう。
凍った地面にパウダースノーがかかってまるでふかふかですみたいな顔をしてやがるので、歩くときは慎重に。まっすぐ歩くんじゃなくてね、ちょっと足の先を外側に向けるようにして歩くといいよ。ちなみに私は転んだ。目の前には人がいたが見て見ぬふりされた。心が寒い。
長崎が一人で買い物してこけたときはイケメンが手を差し伸べてくれたらしい。この差って、何?

くそデカい雪だるまを長崎と作る。中学以降くそでか雪だるまなんて作んなかったし、もう作らないかと思っていた。けどお互い「ここに雪まつりやるレベルに作るぞ」と真剣にやってたので、根本がガキである。
長崎と担々麵を食べながら長崎の恋バナを聞く。食べてる間、私たちが作った雪だるまの写真撮ってる人を見て嬉しかった。長崎は面食いの恋愛体質で半年ペースで好きな人が変わっていた。接点のない人にもline交換の願いに出るほどの度胸のあるやつで、だめだと思ったらすぐ切り替えるので恋愛に対してヘラるとこは見たことない。
私が担々麵を食べ終わっても長崎は恋バナをしていた。
好きな人とかなんかそういう自分の精神的な居場所がある人はいいなと思っていた。私はいまだこの土地になじめきれていない気がする。帰りにサカナクションの曲を聞いた。

チチッと舌を鳴らして呼んだ野良猫
走り去りすぐ影の中に消えたんだ
午前5 時の都会は妙にゴミ臭い
空が少し湿って曇り始めました

東京
モノトーン
憧れ
フルカラー

そう 絡み合う電線を見上げ僕は ほらアクビをした
そう からからに乾いてる心は 心は雨を待ってるんだ

サカナクション/モノクロトーキョー

とりあえずこんなかな。またどっかで続き書こうと思う。

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