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橈骨遠位端骨折後に注意する障害について

橈骨遠位端骨折後に起こることで、リハビリや施術に関して注意しておきたいポイントを書いていきます

①遠位橈尺関節障害


橈骨遠位端骨折では、遠位骨片が橈側に転位することが多いとされます

橈側転位した際に、尺側側副靭帯や三角靭帯には牽引力が働きます

結果、牽引されTFCC損傷もしくは尺骨茎状突起骨折を引き起こします

TFCCについては過去に記事に書いてありますので参考にしていただけると幸いです

TFCCの構造が破綻したことが原因で生じる疼痛は運動療法での改善は難しいとされていますので可動域訓練でも悪化させる可能性があるので場合によっては病院受診を勧めても良いと思います

②手根骨のアライメントの変化


VISI
X線上、舟状骨と月状骨でなされる角度が30°以下で月状骨が掌側回転している状態
を言います

橈骨遠位端骨折受傷時に月状骨三角靭帯・背側橈骨手根靭帯が損傷した場合には、月状骨は掌側回転します
月状骨がニュートラルな位置で掌側回転している場合は、手関節掌側運動の際に早期に月状骨・橈骨がインピンジメントを起こしてしまい疼痛の原因になることがあります

この状態で積極的な可動域訓練を行うと、さらに損傷を広げてしまい手根骨の不安定性を助長してしまうので注意しています

③手関節背側靭帯・関節包拘縮


これらの組織の拘縮が存在する場合は、手関節掌屈が妨げられるとされます
さらに掌屈の際に、月状骨のすぐ遠位にある有頭骨が月状骨を圧迫します
※月状骨が掌側に可動域があれば有頭骨と連動して動くので圧迫は受けない
有頭骨からの圧迫を受けた月状骨は橈骨側に押される形になり、橈骨にインピンジメントします

結果、手関節掌側の痛みを訴えるケースを引き起こすとされます

手関節の運動は橈骨手根関節・手根中央関節の運動で成り立っています

④運動の解析

掌屈では橈骨手根関節1:手根中央関節4の比率

背屈では橈骨手根関節2:手根中央関節1の比率

で運動することがわかっています

日常生活の動きは、純粋な掌屈・背屈だけの動きではないです

日常生活で多い動きが
背屈+橈屈
掌屈+尺屈

と言われています

これがダーススローの動きと言われていて、ダーツスローの動きがうまく出来れば日常生活での動きはかなり楽になります

橈骨遠位端骨折は柔道整復師が整復する機会が多い骨折です

骨が癒合して施術が終了するわけではありません

後療法が重要になっています

明日も臨床頑張りましょう

ではまた




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