腰椎分離症と潜在性二分脊椎の関係性①
今日は腰椎分離症と潜在性二分脊椎の関係性について書いていきます
これは、過去に自分が学会で発表した内容になっています
当時の読み原稿を載せています
発育期腰椎分離症とは
発育期のスポーツ選手に好発する腰椎椎弓の上下関節突起間に起こる疲労骨折になります
発育には病期があり、それぞれの病期によって治療方針も異なりますので、画像上での評価が重要になります
二分脊椎とは
発生の初期段階で脊椎の癒合不全に基づく奇形病変の総称です
臨床的には症状がなく、奇形のみのものは潜在性二分脊椎と呼ばれています
潜在性二分脊椎の腰椎分離症の発生要因として、吉岡らによれば、仙椎部での棘突起欠損、あるいは遊離した棘突起が腰仙椎部可動時の後弯(伸展時)にストッパーとして働かないことで、それにより上下関節突起間にかかる負荷が増強するため腰椎分離症のリスクが高まるとされています
吉岡らは腰痛を主訴とし来院し、X線上潜在性二分脊椎を認める患者の11.2%と高率に腰椎分離症を合併していると報告しています
また腰椎分離症に潜在性二分脊椎が合併している例では腰椎のアライメントが平均値より増強しているという報告もあります
そこで、当院の発育期腰椎分離症患者における潜在性二分脊椎の合併率とそれぞれの腰椎の角度を計測し比較調査致しましたのでご報告致します
発育期腰椎分離症における潜在性二分脊椎の合併率について
H22年5月1日〜H27年5月31日までの期間で7〜19歳以下の腰痛を主訴とし、西良らの提唱する発育期腰椎分離症を疑う所見3点
①伸展で増強する腰痛
②ケンプサイン
③限局した棘突起の圧痛
こちらの①〜③が陽性でX線、MRI、CT検査にて発育期腰椎分離症
と確定診断に至った患者を対象としました
実際に①〜③が陽性であった患者は63名でした
そのうち発育期腰椎分離症と確定診断された患者は34名でした
発育期腰椎分離症と確定診断された患者中で、潜在性二分脊椎を合併した患者は15名でした
そして、
①分離症が認められていない患者29人
②分離症が認められて潜在性二分脊椎を合併している患者15名
③分離症が認められて潜在性二分脊椎を合併していない患者19名
こちらの患者をX線側面像にて
①前弯角
②5/S角
③仙骨角
を計測いたしました
学会で発表した内容になっています
僕が勤めていたクリニックでは、2〜3ヶ月に一回の頻度でみんなの前で発表しないといけない職場でした
当時は地獄でしたが、今となっては貴重な経験でした
気になったことを調べる能力、論文を読む能力、探究心を学んだ気がきます
次週に続きます
サンプルがめっちゃ少ないですが、発表の仕方など参考になればと思います
明日も臨床頑張りましょう
ではまた
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