各疾患のアプローチ 胸郭出口症候群について
今日も柔道整復師、理学療法士、整体師の方、新人の方に向けて、僕の実際行っていることについて書いていきます
今日は胸郭出口症候群(TOS)についてです
痺れ、だるさ、冷えを訴える疾患で、僕が施術で行っているのは
不良姿勢の改善+局所の施術です
なで肩タイプとイカリ肩タイプとそれぞれアプローチを変えて施術しています
1 なで肩タイプの場合
なで肩により発生するTOSは小胸筋が原因が多く、上肢の挙上によって症状が増悪するパターンが多いとのことでした
なで肩の肩甲骨のアライメントですが
下方回旋位 外転位
となるため、小胸筋の短縮が起きたり柔軟性の低下が発生します
そもそもなぜ、なで肩が助長されているのかを考えると
筋力がなく重力に負けているという記載があります
運動器疾患のなぜがわかる臨床解剖学 引用
TOSの小胸筋原因の場合の施術は
①小胸筋のリラクゼーション
②僧帽筋、菱形筋の筋力強化
③上肢の筋膜の牽引や筋の重みで上肢が下方に落ちている可能性があるので、上肢、頸部の筋膜、筋のトリガーポイントチェック
2 イカリ肩タイプの場合
イカリ肩により発生するTOSは斜角筋が原因となることが多く、上肢下垂によって症状が増悪するパターンが多いとのことでした
ほか斜角筋が原因のTOSでの症状として、背部までの痛みがあるとされています
これは肩甲上神経、肩甲背神経、長胸神経は斜角筋隙の間から分枝するので、肩甲帯周囲の放散痛は斜角筋隙での問題が多いとのことでした
運動器疾患のなぜがわかる臨床解剖学 引用
なので肩甲上神経、肩甲背神経、長胸神経は斜角筋隙を通って、ほかは通過しないので、肩甲骨周囲の痛みを訴える場合は、斜角筋の原因の可能性が高まるということでした
イカリ肩の肩甲骨のアライメントですが
肩甲骨上方回旋 ➕ 内転位
胸椎伸展 ➕ 肋骨挙上
となりますので、これは斜角筋、僧帽筋上部の過剰収縮重力に過剰に拮抗しているという記載があります
運動器疾患のなぜがわかる臨床解剖学 引用
TOSの斜角筋が原因の場合の施術は
①斜角筋、僧帽筋上部のリラクゼーション
②上肢の筋膜の牽引や筋の重みで上肢が下方に落ちているのに筋が拮抗していたりする可能性と考え、上肢、頸部の筋膜、筋のトリガーポイントチェック
ちなみにですが
胸郭出口症候群で冷感の症状が出る理由です
腕神経叢には上肢の末梢血管を支配する交感神経が分布しており、腕神経叢が絞扼されると交感神経も障害されることになるので冷感が生じる
と記載があります
運動器疾患のなぜがわかる臨床解剖学 引用
こんな感じで僕は考えアプローチしています
各種のテスト法も行って、圧痛や放散痛を確認したりも非常に大事なので精度を上げていきたいと思います
今日も臨床頑張りましょう
じゃあね
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?