俳句のアドベントカレンダー2021
1日 魔法瓶鳴らして十二月来たる
2日 かさぶたは冬夕焼をほしいまま
3日 詩の本を二冊重ねて冬の虹
4日 やるせなき玉子かきこむ冬日向
5日 白線を跨ぎ霜夜を明日にする
6日 焼鳥を愛すかなしき日の終はり
7日 大雪や玻璃のまなこで土運ぶ
8日 十二月八日泣かぬ老女の重い雨
9日 捻締リ錠垂れて凍蝶すこし眠る
10日 グリとグラほどに湯冷めの双子かな
11日 息のたびページをめくり寒昴
12日 片恋の正面にゐる冬の月
13日 鷹の眼の奥に別れの作法かな
14日 義士の日の雨の歩幅のすぐ歪む
15日 冬ひなた築地には煙の記憶
16日 寒晴やくちづけは百点と告げ
17日 あしおとが逸るノエルが近くなる
18日 夕空の淡さ寒紅むさぼられ
19日 枯枝で描いてひなたに突き落とす
20日 てのひらにカフェオレ疼く冬木立
21日 入院や眠れぬ児らの寒昴
22日 絹と影冬至の川に溶けやすく
23日 しりとりの大工に至り聖樹光る
24日 秒針のこつくり積もるクリスマス
25日 塵たちの光に泳ぐノエルだろ
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