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シウマイ弁当

シウマイに揺るがぬ隙間秋立ちぬ

唐揚げに醤油の触れて秋暑し

漬け焼きの鮪味濃き残暑かな

黒胡麻の飯よく粘るつくつくし

さはやかに舌怯ませよ筍煮

ゆく夏の小梅ASMR

シウマイに芥子を忘れ風涼し

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久々に、崎陽軒のシウマイ弁当を食した。
子どもの頃、父と野球観戦で横浜スタジアムに向かう途中、横浜駅の売店で必ずシウマイ弁当を買って、スタンドで食べた。
シウマイ1つにつき、黒胡麻ご飯ひとマス。鶏のから揚げもシウマイ1つ換算。漬け焼の鮪はしょっぱいので、ご飯ふたマス分に相当。途中で適宜、筍煮を箸休めに。仕上げは紅しょうがとカリカリの小梅。あんずは父に押し付ける。
毎回ルーティーンのように、こんな感じで食べ進めていた。
高木豊がホームランを打ったり、屋敷が盗塁を決めたり、駒田が空振りを喫する中、膝の上にはシウマイ弁当があった。
大人になってからも、駅弁にはたびたびシウマイ弁当を選んでいたのだが、おかずが新幹線で飲む缶ビールといちいち相性が良いのには驚いたものだ。
このところコロナ禍もあって新幹線に乗る機会も減り、めっきりご無沙汰になっていた。
心なしかシウマイのサイズが小ぶりになったように思うのは気のせいだとしておこう。カラシをつけるのも忘れて夢中で頬張ってしまうのはお約束。相変わらず鮪の漬け焼はしょっぱいし、鶏のから揚げは慈しむべき存在だ。要は、心まで満たしてくれる。この中毒性、いったい何なのだろう。
今日までシウマイ弁当があり続けてくれたことを愛おしむあまり、衝動的に7句を詠んでしまったのでした。

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