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自炊日記 少し遅めに帰った日

夜8時。地下鉄出口の階段を登り切り、青信号が点滅しそうな横断歩道に突進する。お腹が減ってヘロヘロだけど、家にはたしか野菜しかなかった。何か、すぐに食べられてかつ満足感のあるようなものを…と思いスーパーで買ったのは「厚揚げ」

空腹で震える手で家の鍵を開け、手のついでにマスクも一緒に洗い、命からがら台所へたどり着く。冷蔵庫にあったビールをプシュッと開けてグラスに注ぐ。以前は缶から直接飲んでいたけれど、こっちの方がうまいんだというT氏(家族)の影響で、すっかりグラス派になってしまった。こんな空腹のときでもビールの美味しさを追求するなんて、昔の自分が想像していたのとはだいぶタイプの違う大人になったなあと思いながら厚揚げを焼く。一刻も早く食べたくて、フライ返しでギュウギュウとフライパンに押し付ける。
焼いている間に大根おろしを作り、大葉はキッチンばさみで切る。あまり細くならないけれど、食べるのは自分だからいい。両面がこんがり焼けた厚揚げに、準備した諸々の具を乗せる。ラー油も垂らす。器はいつか近所の店で購入した古伊万里。ビール片手に息も絶え絶えで作ったおかずが、繊細な模様の器に盛られている。時刻は8時37分。
「よしよし」
よく分からないけれど、とても満足した気持ちになった。「いや~これがご自愛だなあ」などと思いながら厚揚げにかぶりつく。お風呂からあがってきたT氏が、眩しそうにこちらを見ていた。



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こんな、とりとめのない毎日の感想の断片がたくさんnoteの下書きに溜まっているのでzineにまとめようと奮闘しております。
もう、これぞ奮闘!という感じで髪を振り乱してPCに向かっております。
これから使ったことのないソフトを使ってページを組んでいくのかと思うとゾッとしますが、やるしかない。

いつもzine一緒に作っているももちゃんとはまた別のzineを作っていて、そちらにも「旅先の自炊」というテーマでノリノリで文章を書いたのでぜひ。

どちらも、6月の10zineという福岡のzineイベントに出品予定です。minneでも扱うのかな?決まったら、またnoteに書きます!



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