びっくりぎょうてん鼻呼吸～のフガフガ（写真は花です メジロも隠れてます）

「呼吸がすべて」と思いこんだが運の尽き。というので鼻呼吸、やってみましたよ、フガ、フガ、フガ。昼間じゃありません、もちろん。夜、寝るときだけです。口に粘着テープを貼り付けて強制的に鼻から呼吸するわけですから。フガフガフガ。苦しいったって、そりゃ、あなた、苦しいもなにも、と思ってやってみたんですけど、始めてみたら意外にそれほどフガフガなこともありませんでした。
 
でも、どうしてそんなフガフガなことを始めてしまったのかといいますと、これはひたすら家内安全息災成仏を願って。というようなことはあまりありませんで、ただおもしろがってやってみただけのことです。
 
ヨガや道教でも鼻呼吸をやるようですが、私のはそんな立派なものじゃありません。かなり下世話でルーズでフガフガな発想からなんです。
 

鼻はえらい！

といきなり叫んだりしたらきっとびっくりするでしょうけど、鼻呼吸をやるとどんないいことがあるのか、これが実にすごいのであります。ウソかマコトか、今まで鼻というものを見下していた人が聞いたら、ほんとにびっくりしてしまいますよ。
 
鼻は匂いを嗅ぎ分けるだけでなく、呼吸のための濾過装置というか人体空気清浄機みたいなものでもあるというのは呼吸をする人なら誰でもわかっていると思います。この機能をフルに使うことができれば、なにもわざわざ高価な空気清浄機を買わなくたっていいと思うんですけどね。
 
といったようなケチクサイ話はともかく、鼻呼吸のメリットはほかにもたくさんあります。というか、いいことばっかりなんです。
 

花呼吸のメリット

まず、鼻呼吸は毛細血管を広げてくれます。そうすると血行が促進されて気分がよくなります。免疫力だって高まります。就寝時、口にテープを貼って開かないようにするので口から雑菌が入ってこないし、口も乾かず、唾液が湧いて、その力で歯周病菌など口の中で発生する雑菌も増えにくくなります。
 
私もときどき、寝ていて口が渇いているのを感じることがありました。ストレスがあるとそうなりやすいようですけど、ほかにも糖尿病やシェーグレン症候群でも同じような症状が出るらしいです。それで、いろいろ調べたら私のはそういうことでもなさそうなので、食事でなんとか唾液が出る工夫をしてみようと酸っぱいものを食べたり、硬いものを食べてみたり、いろいろ工夫してきました。でも、あんまり変わりません。
 

BREATH

そんな時にたまたま書店でジェームズ・ネスターの「BREATH」という早川書房の本（近藤隆文　訳）が目についたので読んでみたら、「鼻呼吸」に出遭って、面白半分にやってみることにしたと、こういうわけなんです。

口呼吸は✖

冒頭にも書いたように、道教では、息は鼻から吸えと教えていますし、ヨガのナディシ✖ーダナでも右の鼻の穴から息を吸って左の鼻の穴から息を吐いたりして交互鼻呼吸というのをやるようですが、いずれにしても口呼吸はイカンということであります。
 
口呼吸がどうしてイカンのかというと、「BREATH」によればそれは哺乳動物の中で人間だけがやっていることで、それが現代病とか人間に特有のいろんな病気をもたらしているからだ、というのです。
 

一酸化窒素はすごい

本題に入りましょう。鼻呼吸をすると副鼻腔あたりで一酸化窒素が大量に発生します。この一酸化窒素が毛細血管を広げて、糖尿病など人間に特有のさまざま病気を防いでくれるようです。鼻呼吸では口呼吸の六倍の一酸化窒素を放出して人を健康にしてくれるとか。「BREATH」にはそう書いてありました。
 
それで、その一酸化窒素というのは何なのかというと、専門的な話は抜きにして、あのバイアグラも実は一酸化窒素を発生させるお薬なんですと。こう聞いたら、私と同類かもしれない俗物の皆様がた、はたまた、最近は元気がないなあと嘆いている男性諸君、少しは希望が湧いてくるんじゃないでしょうか。

 
俗物を自認する皆様方に

そうなんです。鼻呼吸すればバイアグラを買わなくてすむんです。明日からもう、五百円を出して週刊ポストのグラビアのお世話にならないでいいんです。ヨドバシカメラで五万円の空気清浄機だって買わないですむんです。おもしろがってやるわりにはいいことだらけでなんですが、さて、私は今日までこれを半年近くやってみましたかね。
 
その結果はというと、劇的にとは申しませんが納得できるほどには元気が出てきました。就寝時の口の乾きも感じなくなって、風邪もずっとひいておりません。
 
ただ、一酸化窒素で男性ホルモン（テストステロン）が出すぎたのかやや攻撃的にもなったような気もしますけど、気のせいでしょうかね。
 
だったららこれを女性がやったらどうなるのかというと、女性の気持ちはよくわかりませんが、どうもやめておいたほうがいいような気もします。
 

付録

私がためした鼻呼吸は実に簡単で、マツキヨの医療用のサージカルテープ（幅は一～二センチ程度で数百円）というのを五～六センチばかりの長さに切って、口の正面に縦にペタッと貼り付けるだけ。何度か貼りなおせるし、簡単で安上がりです。呼吸器系に障害のない人は、どうぞ、お遊びと思ってやってみてください。