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何歳になっても変わらないもの

すっかり外でモーニングする習慣が身についてしまった。

22:00には就寝し6:00には目覚めて、7:00になると「今日はどのお店にしようかな」などと考えている。自宅でゆっくり朝ごはんも大好きだけど、朝の空気を感じながらちょっとした非日常を味わうのが、いちばん好きだ。

先日、お気に入りのお店を訪れてみると、たまに遭遇するマダム3人組と居合わせた。

平均年齢80歳くらいであろうマダムたち。遭遇率が高いので、おそらく彼女たちもほぼ毎日どこかのお店に集まっては、モーニングを楽しんでいるのだと思う。

たまたま居合わせると、嬉しくなる。次から次へと泉のように湧き出る話題の豊富さや、すっとんきょうな会話の流れが予測不能で面白く、癖になるのだ。

人様の会話を盗み聞きしてるようで、褒められたことではないのだけど、いかんせん声が大きめなマダムたち……。どこの席に座ろうとも聞こえてくるので、どうせならと近くをキープするようにしている。

話題はあらゆる方向へ飛んでいく。旦那さんの愚痴や身体のどこどこが痛いという話は定番だ。新型ウイルスの話、Go to トラベルキャンペーンの話などトレンドもおさえている。

その中で私がひときわ気になっているのは、毎回のように出てくる「借金グセが治らない何とかさん」に対する不平不満。

女性は何歳になっても……いや、たとえ男性であっても、複数人集まれば愚痴や文句で盛り上がるものらしい。

その何とかさんは、昔から時間やお金にだらしなく、相当苦労させられているらしい。

友人なのか、知人なのか、はたまた誰かの息子さんなのかは明らかじゃないのだけど、性別が男性であることだけは分かっている。

「この前も、何とかが払えないから貸してくれって電話がきてさ」「いや~~ね~~~」「ほんとしょうもないわ」「しょうもないしょうもない」

まさかこんな公の場所で、店中に響く声で愚痴られているとは思ってもいないだろう、何とかさん……。払えないのが税金などの類なら、なんとしてでも市や福祉の力を借りてほしいところである。

内容はどうあれ、腹から発せられる胆力いっぱいのお喋りを聞いていると、不思議と嫌な気分にはならない。良い意味でも悪い意味でも、人はそう簡単に変われないと学べるからこそ、目の前にあることに集中して実直に進んでいこうと思える。

やっぱり、モーニングはやめられない。ランチやディナーとはまた違った人間模様が垣間見られるからだ。


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