プロでもなんでもない私が文章を書いてお金をもらえた理由
こんにちは! 血眼になって書きつづけているゆうゆうです。
こちらの記事は、わたしがいま受講している、天狼院書店さんのライティングゼミに寄稿した課題記事です。
選考の結果、不合格となってしまったので、こちらで供養します!
2000文字あるのですこし長いですが、読んでもらえたら嬉しいです。
ちなみに、こちらの記事は合格しました!
『超絶ブラック企業でまなんだ自分の人生の生きかた』
天狼院書店さんのサイトに掲載させてもらっています。
よければこちらのほうもどうぞ~!
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私の人生は、「諦め」という名の積み木と「妥協」という名の積み木で組みあげられたものだった。
書くことで生計を立てることが私の夢だが、実現へのたえまない努力の軌跡をなんとしてでも白日のもとにさらしたい。
そして、プロでもなんでもない私が、文章を書いてお金をもらえるまでに至った理由をお伝えしていく。
小学生のころの夢は、漫画家だった。
自由帳のまっ白いページをひろびろと使い、鉛筆で殴り書きのコマ割りをかいた。遠近感という概念が存在しない世界を繰りひろげた。
そして、まいにち昼休みになるや否や、クラスメイトを集めてじぶんの描いた漫画の朗読会を得意気におこなっていた私。思いかえすとまさに体じゅうの表皮から火が噴出しそうになる。
結果、クラスのガキ大将から「くっそつまんねーもうやめろ!」と喚き散らされ、生徒30名の前でシンプルに号泣した。漫画家はあきらめた。
中学生のころの夢は、作家だった。
「キノの旅」「クビキリサイクル」などのライトノベルにどっぷりと嵌まりこみ、朝昼夜と問わず活字を追いつづける毎日だった。
こんな登場人物を生みだしてみたい。
こんな世界観を構築して人をアッと言わせてみたい。
そんな欲が、心のふかい部分からジェットバスのように、ぽこぽこぽこぽこ、音をたてて湧きあがってくる。
読むのと同時に書きつづけた。
当時の私は、時雨沢恵一と西尾維新を体内に取りこもうと血眼になっていた。
ただ、いくら書いても物語のおわりが、「そのとき勇者が見たものとは!? 先生の次回作にご期待ください!」という連載打ち切り状態になってしまう。
結果、ストーリー構成の才能がないのだと絶望するしかなかった。作家はあきらめた。
高校生のころの夢は、詩人だった。
専用のパソコンを買いあたえてもらった私に、もはや敵はいない状態だった。
食うものも着るものも分からぬ状態でひたすらに書き続けた。なにを書いたのか? 詩だ。詩である。
漫画家の道も作家の道も閉ざされた私に残されていた、書くことで生計を立てられそうな職業なんてもう、詩人くらいしか思い浮かばなかったのである。
これぞというポエムの数々を、自作のサイトに載せて心中ドヤ顔であった。
10年以上が経ったいまでも当時のサイト名をおぼえている。
『貴方の涙で、乾く涙がある』
いくら情報のるつぼであるインターネットの波であっても、これを得意満面に投下できる自信はいまの私にはない。
少年少女たちの傷心をいやしてあげようと、渾身のポエムを生産してはせっせと掲載していた。受験勉強よりもポエムすることに時間と命をささげていた。
結果、反応がなさすぎて心が折れた。詩人はあきらめた。
大学を卒業し、社会人となったいまの夢は、書くことで生計を立てることである。
もはや「漫画家」だの「作家」だの「詩人」だのと、ジャンルは限定しない。なんでもいい。文章を書くことで飯が食えるようになるならもう、なんでもいいのである。そのための足掛かりにしたくて、このライティング・ゼミを受けたようなものだ。まさに藁の1本にだってすがる思いだ。
文芸愛好会にはいって小説や詩を書いては部誌に載せた。
ブログを立ちあげて日々、思うことや読んだ本の感想などをアップした。
とにかく書いた。書きつづけた。やっていることは小中高のころと何らかわらない。私がしてきたことは、「書くことを継続しつづけること」、これだけだった。
ある日、友人からメッセージが届いた。
「ココナラっていうサイトのこと、知ってる?」
なんだ? 聞いたことがない。ココナラ?
不思議におもった私はその場で検索をかけた。すると、自分のスキルを500円から売買できるプラットフォームであることがわかった。
これだ! 書きつづけるしか能がなかった私に、人生初の天啓が降りてきた。
ここで私の文章を出品すればいいのではないか。
あなただけのオリジナル短編を書きますよ、とか。
指定の本の感想を書きますよ、とか。
なんなら音声の文字起こしでもいい。もう、なんでもいい。
掴んだ1本の藁を打ち捨てながら会員登録をし、その勢いのまま出品した。プロでもなんでもないド素人の私が、恐れおおくも自分の書いた文章に自ら値段をつけた瞬間だった。
結果、買い手がついた。
たった1人だが、「書評をお願いします」と依頼がきたのだ。
我が目を疑った。え? ほんとに? 声が出た。
有料での依頼をもらうまでに、無料おためし枠でショートストーリーを書く依頼は何度か受けたが、有料は初めてだった。
指定の書籍を買う代金込み、2000字ほどの文章に3500円というお値段。
安いのか高いのかはわからないけれど、私の書いた文章にお金を払ってくれる人があらわれたのだ。
私がしてきたことは、「継続」。
ただただ、バカみたいに書きつづけることだけだった。
淡々と、行動を途切れさせなければ、いつかどこかに辿りつく。
物語はうまく着地させられない私だけれど、もっと安定した足場に両足をつけられるよう、これからも泥くさく書きつづけていく。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。サポートいただけた分は、おうちで飲むココアかピルクルを買うのに使います。