「そもそも」「なぜ」を繰り返す人たちだけが行ける場所
終戦後、高度成長期の日本、2020年も終わろうとしている今と比べると、当時はいろいろなものが「なかった」。
ない、なくて不便だ、不便だから新しく作ろう。「あったら便利」をどんどん作っては、手に入れた人たちから豊かになる。より多くの物を、より多くのお金を手にした人から、幸せになっていく。
そんな時代と比べ、今はいろいろなものが「ある」。足りている。テレビも洗濯機も掃除機も電子レンジも炊飯器もパソコンもスマホも。ありすぎて、持っている状態よりも、「いかに持っていないか」にステータスが置かれることもあるくらいだ。
ありすぎる物から、必要なものを取捨選択する時代。そこには最早、解決すべき問題はないようにも見える。これまではまず「問題」があり、それを「解決」するために思考していれば、自ずと改善策が導かれた。
今は違う。
「そもそも」「なぜ?」と根本に対し問いかけながら、「問題がないように見える」領域から「問題を発見」しなければならないのだ。
世界には、もう目立った問題なんてないように思える瞬間もある。ただ、問題は隠れているのだ。「そもそも」「なぜ?」と繰り返し問いかけ続けることによって、問題は表面に浮かんでくる。それが仕事になる。
Webライターを始めた当初、「仕事」はすでにそこにあり、黙っていても次から次へと生まれてくるものだと思っていた。どこかで自然発生した仕事が、まわりまわって私の元へ降りてくる。何もわからなかった私は、ただそれが降りてくるのを待ち、ひたすらこなすしかなかった。
仕事は自然発生するものではない。「そもそも」「なぜ?」と繰り返し本質を問い続ける人によって見つけ出され、作り出される。仕事を作り出す人になれれば、すなわち上流工程にポジションを移せれば、これまでとは違う仕事ができるようになる。やりたいことができるようになる。
問いかけ続ける人だけがたどり着ける場所。きっとこれからは、そこを目指す人たちにしか見えない景色を、みんなが追い求めるようになる。
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