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サンタさんが来なくなった日はいつですか

はじめてサンタさんからクリスマスプレゼントをもらったのは、物心ついた保育園くらいの頃。編みぐるみがつくれるキットをもらった。

ほんとうにサンタさんがいるんだと思えたことが嬉しくて、それから毎年、何をお願いしようかうんうん唸りながら考えていた気がする。でっかいテディベアをもらったときは特段テンションが上がったなあ。

サンタさんが来なくなったのは、たしか、小学校4年か5年くらいだ。

ゲームのソフトをお願いするようになっていた気がする。だんだん、少しずつ少しずつ、世の中のことがわかりはじめてきて。サンタさんからのプレゼントなはずなのに、包装紙が地元のデパートのものだったりとか、お父さんやお母さんがこっそり枕元にプレゼントを置いているのを見てしまったりだとか、そんな小さな証拠を集めては悟っていったのだった。

当時は衝撃的だったかもしれない。

それでも、今となってはもうあまり覚えていない。

「クリスマスの夜にはサンタさんからプレゼントが貰える」という文化は、もはや日本では通過儀礼的に定番なものとなっている。

良い子にしていなければもらえない、とか、何歳くらいまでサンタさんを信じていたか、とか。

クリスマスが近くなってくると、話題にのぼることも多いんじゃないだろうか。

もうサンタさんなんて信じてはいないけれど、それでも、12月になるとどこかワクワクするのを止められない。

恋人の有無に関係なく、クリスマスや年末年始を彷彿とさせるモチーフには、否応なしに心がときめくのだ。

サンタさん、トナカイ、靴下、ツリーやリース、きらびやかな電飾にオーナメント、赤や緑やシルバーなどの色の洪水……。

わたしは、クリスマスがすきだ。

サンタさんはいないとわかって20年以上経つけれど、それでも、サンタさんのような存在やモデルはいるんじゃないかと夢見てしまうくらいには。

「サンタさんが来なくなった日はいつですか?」

クリスマス当日になるまで、会った人にはこの話題を投げかけてみようとおもう。

「もしかしたらいるんじゃないかって、まだ信じてるかもしれないんですよね。部屋のドアノブに靴下ぶら下げてるんです、わたし」


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