「いつかの人質」を読みながら考えた、自分の頭で考える子どもを育てる方法
芦沢央さん著「いつかの人質」を読みました。
12年前に誘拐された少女が、時を置いてふたたび何者かに連れ去られた。容疑者に浮上したのは、当時の加害者の娘。いったい何の目的で2度も少女を連れ去ったのか?
ざっくりとしたあらすじはこう。芦沢央さんらしいバリバリのミステリーです。この直前に「バック・ステージ」という短編連作集も読んでるのですが、帯に書かれてる「圧巻のラスト!」「そうきたか!」って煽り文句は伊達じゃないですね……。どっちも面白かった。
いつもの私だったら、伏線の張り方が秀逸だ! とかハラハラドキドキする展開、最高! とか褒め称えるのですが、ここはあえて、2度も誘拐された被害者である愛子の、とある印象的なセリフをひとつ挙げ、「自分の頭で考える子どもを育てる方法」について書きたいと思います。
※いつものようになるべくネタバレは伏せますが、事前情報いっさいなしで読みたい方はお気をつけください~~。
「怖がらなきゃいけなかったんだよ」
ネタバレを極力伏せるため、前後の文脈オール無視でいきます。下記に引用するのは、2度も誘拐されることになってしまう少女・愛子のセリフです。
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