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取材前の私、不安や緊張や手の汗と共存している

ああ、もう仕方ない、あきらめて受け入れよう。そう思った瞬間から、やけに楽になることがある。

取材をはじめて5年近くになるけれど、そのあいだバリバリと場数をこなしてきたわけでもないので、いまでもキッチリ取材前にはしっかり緊張する。ああ、どうして受けちゃったんだろう、と考えるし、絶対にやらないしやったこともないけれど、どうにかして回避できないかと意味のないことを企むこともある。

無事に終えられるか、という不安。噛んだらどうしよう、という緊張。常に手汗を握りしめている。取材前の私、不安や緊張や手の汗と、共存している。

でも、いつしか思うようになった。「緊張しない自分になる」ことはできない。「完璧な取材ができる自分」にも、なれない。

それなら、この不安や緊張や手汗と、ずっと生きていくしかない。

ーー

私は、「悩み」というものは分解して、行動レベルに落とし込み、リストにして、それを上から淡々とつぶしていくことでしか解決しない、と思っている。

「ああ、取材やだなあ、緊張するなあ」と思っている私は、ただ悩んでいるだけの私。「緊張するのはなぜか? 事前準備が足りていなからかもしれない。それならもう少し過去のインタビューを洗おう」と思っている私は、少しでも緊張を緩和するために行動している私。

両者の違いは明確すぎるくらい、ハッキリしている。コントラストがくっきりしていて、眩しい。結局のところ、やることをやらないと悩みなんて悩みのままなのだ。

だから今日も、少しでも緊張を和らげるため、ここまでやったんだから大丈夫! と思えるようになるまで、準備を重ねるしかない。どれだけ尽くしても、取材中には8割の確率で噛むんだけど。すみません。

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