コミュニケーションは上手くならない
人と話すのがめちゃくちゃ苦手で苦痛な人間です。
対面も電話もどっちも苦手。無理。出来るだけ避けて生きていきたい。
それでも仕事ではそんなこと言ってられないんですよね。
少しでも「楽に人と話せるようになりたい」と思っている私が、仕事を通して会話というものに向き合い、コミュニケーションは決して「上手くなるものではない」と思った経緯を書いておきたいと思います。
1.会話を強要される苦痛に耐えられない
いまの仕事はとあるインストラクターで、毎日生徒さんと会話して交流しなきゃならない類のものです。
表向きな仕事内容はもちろん「物事をインストラクションすること」なので、質問されたことに的確に答えていればお給料に見合う仕事といえると思うんだけれど、やっぱりそれだけじゃいかんのですよね。必要なことは教えてあとはシカトってわけにはいかない。
休憩中の雑談、交流が最も苦手とするところ。
上司から「生徒さんとの交流を密にして、信頼関係を築いていきましょう」とかなんとか言われるんだけれども、無理なものは無理。
まず何を話せばいいのかもわからない。会話が続かなくても気まずいし、ひょんなことから盛り上がっちゃっても切りどころがわからなくなってまた苦痛だし、の永遠ループ。
仕事自体は好きなのに、生徒さんも良い人ばかりなのに、「コミュニケーション」そのものがしんどい私にとってはやはり耐え難い仕事だ。
2.会話コンプレックス克服のためにしたこと①
とにかく同期や先輩に相談しまくりました。
プライベートはどうあれ、仕事ではそこそこ話せる人間でありたい。これで給料が上がったり上司の心証が良くなって出世に繋がったりするわけではないのだけれど、「社交的な先生」でありたいという邪魔な理想がある。結果諦めてしまうとしても、少しでも会話上手になる努力を一通り試してからにしたい。
自分の目から見て、「この人会話上手だなー」と思った同期・先輩にコツを訊いてみた結果は以下の通り。
・天気のことでも今朝のニュースのことでもなんでもいいから話しかける
・会話したい、と思っている生徒さんならそこから勝手にいろいろ喋ってくれるからそれに相槌を打っていれば会話になる
・まったく興味がない、知らない話題でもとりあえず訊きまくる
・自分が話すのではなく「聞く」側にまわること
2.会話コンプレックス克服のためにしたこと②
上記のアドバイスに従って、とりあえず天気やニュースのことをきっかけに話しかけるようにしました。
私みたいな人間は、「話しかける」という前提からまず上手く出来ない。
今日は寒いですねー、とか、昨日よりは暖かいですねーとか、毎日毎日似たようなことになってしまうけれどそれでも構わず話しかける。
時には話しかける勇気や気力が削がれて、わざと事務仕事に忙しいふりをして休憩中の生徒さんを放置したり、他の先生に対応をお任せして逃げてしまったりもする。
いい大人がすることではないと我ながら情けなく思うが、「とりあえず話しかける」作戦についてはまあまあ結果を出せているところだと思う。
3.会話コンプレックス克服のためにしたこと③
とりあえず話しかけるにしても、少しでも気の利いた話題がないと難しい。
意識的にニュースや新聞を読んでネタを仕入れてから出社するようにし始めた。相対する生徒さんはシニア世代がほとんどなので、付け焼刃の知識では対等な会話なんてそもそもできない。そこは潔く諦めて、知らないことは知らないと正直に言ってなんでもかんでも教えてもらうようにした。
テレビや新聞や雑誌やネットニュースなんかから入ってくる公的な情報と、人の思考のフィルターを通ってから得られるそれを比較してみるのはそこそこ面白いと気づいた。同じ事件に対しても話す人によって解釈が違う。当たり前だけれど意識してみるとやはり人間は十人十色なのだなあと漠然と考える。
4.結論「コミュニケーションは練習しても上手くはならない」
上に挙げた努力なんて、大抵の社会人が当たり前のようにやっている範疇のもので努力なんて大仰なものではないのだけれど、私にとっては十分努力なんです。
それでも、続けていくことで最終的に「あ、私そこそこコミュニケーション上手くなってるわ」なんて思う日は来ないとおもう。
コミュニケーションは「上手くなるもの」じゃなくて「するもの」なんですよね。
練習とか努力とか積み重ねるものじゃなくて、人と人がいて一言でも言葉を交わしたらそれはもう「コミュニケーション」になる。
上手くなろう、失敗しちゃいけないと肩肘張ってたらいつまで経っても「楽な会話」なんてできないんじゃないかな、とぼんやりとですが思うようになりました。
まだまだ人との会話には苦痛が伴う私ですが、紆余曲折、空回りしてきたうえで思うことは、「聞くことに徹する」を意識すればなんとかなるな、っていうこと。
世の中いろんな人がいるけれど、「自分の話を聞いてほしい」っていう欲は万国共通だと思うので、話すことが苦手な私はいつどこにいても「聞き役」であるポジションにおさまろうと思います。
コミュニケーションは上手くならない。
私なりの楽なコミュニケーションをこれからも探します。
余談ですが、普段から読書が好きで月に30~40冊くらいは読むのですけれど、いわゆる「コミュ障克服系」な自己啓発書・ビジネス書の類はどれだけ数を読んでも行動しないとまっっっったく無意味だということを改めて伝えたい。どんなジャンルの書籍にも言えますが、やはり行動あるのみです。
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