「すごいね」といわれるのがゴールではない
文章を書いていると、ときどき、「すごいですね」と言ってもらえることがある。そのたびに思うことは、褒められることをゴールにしてはいけないな、ということ。
周りからの評価ではなく、常に、自分が好きと思える自分でいられているかを大切にしたい。
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新卒で葬儀会社に入ったころ、とにかく、先輩や上司に褒められたくて仕方なかった。「こいつはできる」「一味違う」と思われたくて、認められたくて、100%そのためだけに仕事をしていた。
その結果、どうなったか?
目の前にいるお客さまのことが、見えなくなってしまった。
そこにいるのに、そこにいない。すべて「お客さまのため」ではなく、「会社や先輩、上司のため」に行動を決めていた。良い棺や祭壇を提案するのも、お客さまのためではなく、より売上をあげて会社に貢献したいとおもったから。
私が必死で、より高い棺を、より高い祭壇をと血眼で提案している様を、当時担当させてもらっていたお客さまはどう見ていたのだろうか。
会社に貢献したい気持ち自体は汚いものではないと、今でも思っている。それでも、100%「お客さまのため」に仕事ができていたとしたら、今ごろ、どうなっていたのだろうと回想することはある。
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褒められること、認められること。
そこをゴール地点に設定してしまうと、一気に物事が歪む。それよりも大切なことはなんだろう。自分にとって最も大事なことはなんだろう。
日々の忙しさに飲み込まれそうになったときは、意識的に空白の時間を何が何でもつくるのだ。そして見直し、ふりかえる。今の自分は、はたして、自分が好きでいられる自分になれているのだろうかと。
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「すごいね」といわれるのがゴールではない。
書きたい記事がある。知ってほしい言葉が、価値観がある。それを言語化し、形に起こし、伝え広めるのが私の仕事だ。
その軸だけは、ぶれさせたくない。
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