写真で見る日本の伝統色(4)瑠璃色
日本には、古くから多くの種類の色が伝えられています。そんな「伝統色」の数々を写真とともに紹介して行きたいと思います。
第4回目は「瑠璃色(るりいろ)」です。鮮やかな紫味を帯びた色を「瑠璃色」と呼びます。瑠璃は「青金石」とも呼ばれる半貴石で、西洋では「ラピスラズリ」としても知られています。
5月になると、私が撮影する写真は青色系の割合が増えます。仕事帰りに田んぼの写真を撮影することが多いからです。
時には、撮影が夜遅くに及ぶこともあります。田植え前の田んぼは、深い夜の底に潜む瑠璃色を映し出しています。
水田は空を映す鏡です。鏡の中には、あまたの星が蠢くようにかがやいていました。
ずっと水面を見ていると、まるで星々で満たされた「宇宙」という巨大な瑠璃色の器の底にいるような、不思議な錯覚に陥りました。今も昔も、神話は夜に創られるものなのかもしれません。
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