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【月報2024年1月】元公僕が地域おこし始めてみた件

トップ写真は、安渡地区の新春交流会の後に関係者の皆さんに誕生日を祝っていただいた時のケーキです。

1月は、
【広域での震災伝承から学ぶこと】
【吉里吉里公民館の冬休み】
【新年会にて踊る】
の内容でお送りします。


1.震災伝承の広域連携について考える

1月16日 @オンライン

公益社団法人3.11メモリアルネットワーク主催のアドバイザー会議をオンラインで聴きました。

途方く被災3県で震災伝承に関わる主に公的機関のアドバイザーからアンケートや会議を通して意見交換をする場です。

特に印象に残ったことですが、2点ありました。

①集約化・公的化されていく震災伝承

途中で震災伝承に関する調査の報告の中で、震災学習プログラム実施団体と、震災伝承施設の来訪者推移についての報告がありました。

震災学習プログラム実施団体は、震災直後から来訪者に向けての語り部や学習コンテンツの提供などをどちらかというと民間で担ってきた団体が多いです。

逆に震災伝承施設は、復興の工事が終わりに近づくとともに、町の整備と共に、行政によって建設された伝承施設や震災遺構などが多くを占めます。

それらの来訪者の推移に傾向として、震災直後は、震災学習プログラム実施団体の来訪者が一定数あったが、年数の経過とともに減少しています。

その一方、あらたに建設されていく震災伝承施設では、コロナの影響はあったもの施設数が増えているのもありますが、来訪者数は2022年が最高の人数になっています。

それらから事前に予約をして人の話を聞く震災学習プログラムより、いつ訪れても見るだけで震災のことが学べるように感じられる震災伝承施設の方が、外部から訪れる人にとっては行きやすいのではないかと個人的に感じました。

それと同時に、震災の経験から伝えられる内容も、防災に役立つ限られた内容に収束しつつあるのかもしれません。

以前、とある町で当時ご健在だったとある語り部の方から聞いた人前では話せないような話は、今となってはどこで聴くこともできませんし、本当かどうかも分かりません。

けれど、今後も同様のことは起こるかもしれないということだけは、自分の心の中に残し続けていきたいと思いました。

②新しい取り組みではなく、今あるものを活かす視点

また、どのような「 震災伝承継続のための新しい仕組み」が必要?という質問に対して、多くのアドバイザーの方から公的な機関での資金面等から伝承活動をサポートする仕組みを作ることが必要という回答が出ました。

その一方で、新しいものを作って何かが劇的に変わるわけではないので、今現在あるものをより効果的により良い目的に沿った方向にしていくことが大切といった意見もありました。

そして、自分自身も震災復興の過程で、新しいものを創造するだけではなく、元々その地域にあった良いものを活かしていくことの大切さを学びました。

なので、一般的にお金をかけるためには新規性という点がも飲められがちではありますが、新しい古いではなく、震災伝承の目的のために必要なことをより効果的に長い目線で継続する視点も必要ではないかと感じました。

2.吉里吉里公民館の冬休み

①新年もちつき大会

1月5日 @吉里吉里公民館

最初にもちつきの前に、地域の方から昔の正月についての話を聞きました。

その後は、みんなで順番に、力を合わせてもちをつきました。

子ども達が杵を持ち上げるのは大変でしたが、周りの大人の方々の協力もあり、無事につくことが出来ました。

そして、婦人会の方々の協力のおかげで、クルミだれ、あんこ、ゴマ、きなこ、しょうゆなど色々な味付けのもちをみんなでおいしく頂きました。

後で自分もおもちを頂きましたが、やはりつきたてのおもちはおいしくて、この歳になってやっと正月を良いと感じるようになった気がします。

自分は昔は正月があまり好きではありませんでしたが、もちつきというイベントを通じて正月を楽しみなものに感じられるようになりました。

これからも続けて行けるよう力になれたら幸いです。

②寺子屋学習(吉祥寺)

1月9日 @虎龍山吉祥寺

まず、吉祥寺にて住職のご指導の下、15分の座禅体験を行いました。

今まで何度も吉祥寺での座禅体験の場にはいるのですが、実はここで一度も座禅体験をしたことがありません。

その後は、床を雑巾がけで競争しました。

その後、寺の入り口から鐘まで坂ダッシュするという津波避難体験をした後、避難を促す鐘付きの練習を行いました。

からだを動かし、お腹もすいてきたので、用意して頂いた玉こんにゃく、ポップコーンを頂き、わたあめづくりを体験しました。

③森林教室(吉里吉里国)

1月10日 @吉里吉里考古園跡

NPO法人吉里吉里国のスタッフのご指導の下、吉里吉里考古園跡にて、森林教室を行いました。

子ども達は森の中で自由にそこにある木や松ぼっくりなどを使って遊んでいました。

その後、吉里吉里弁天神社の海岸に行き、貝殻やシーグラスなどを拾い集めました。

寒い中でしたが、海の中に裸足で入ったりするなど、身近にある自然に触れ合う子ども達はとても楽しそうでした。

そんな子どもたちの様子を見て、どんな場所に行ってもそこにあるもので楽しく遊ぶことが出来るということはとても良い事だと感じました。

色々なものがある都会で育つと、そこにあるものが当然に感じてしまい、工夫をして楽しむ力を失ってしまう気がします。

そして、自分自身も、今後どこにどんな状況で暮らすにせよ、そこにあるもの、その場所で出来る事、その年齢で出来る事に応じて自分が楽しめるように適応することを大切にしていきたいと思いました。

④凧作り

1月11日 @吉里吉里公民館

吉里吉里国のスタッフにサポート頂き、凧あげ大会のための凧作りをしました。

4年生までは簡単に作れるグニャグニャだこを、5年生以上は和紙と竹ひごで作る和だこを松橋教育長の指導の下、作りました。

特に、和だこ作りは難しく、長さを丁寧に測ったり、竹ひごと和紙をバランスよくのり付けしたり、大変な作業が盛りだくさんでしたが、みんな完成させることが出来ました。

少し前の日に自分自身も一人で和たこを作ってみたのですが、思いのほか難しく感じた一方で、完成したときの喜びはそれまでの苦労があるからこそだと実感できました。

⑤凧あげ大会

1月11日 @農村広場

農村広場での凧あげ大会が開催されました。

当日は風があまり強くなかったので、何とか凧を高くあげようと子どもたちは全速で凧を引きながら走り回っていました。

バランスの取れない凧を大人に直してもらった子や、せっかく作った凧を木に引っ掛けてしまった子もいました。

最後に、凧のあがった高さやデザインなどに応じた賞が子ども達に贈られました。

これからも、老若男女問わず楽しめる機会として凧あげ大会が続けばいいと思いました。

⑥防災学習と紙飛行機

1月13日 @吉里吉里公民館

インフルエンザの影響で、参加者が4人と少ない日でしたが、能登半島で地震が起きたばかりということもあり、災害の時に起こりうる事と自分自身の行動をイメージして考える練習を行いました。

人によって答えが分かれるような、決まった正解のない問いに対して、子ども達は悩みながらも自分の言葉で答えていました。

その後、紙飛行機を作り、誰のがよく飛ぶかを競い合いました。

参加者が少ない日だったので、多くの人に自分が防災を通した学習を多くの日に伝えることはできませんでしたが、これからもこういう機会を通じて、災害から命を守るのみならず、より良く生きるために災害から学んだ事を伝えて行けたらと思います。

⑦最後に

吉里吉里公民館の冬休みの事業のお手伝いを通して、地域内での大人から子どもまでの関わり、そしてその地域の良さなど多くのことを学びました。

これからもこういった機会を通して、多くの人のお役に立つだけではなく、自分自身の成長の機会にもして行けたらと思いました。

3.新年会の季節

大槌町の様々な地区では新年会が行なわれているとのことでした。

そのうちの2箇所にお誘い頂いたので、参加してきました。

①金澤地区

1月3日 @金沢地区生活改善センター

新年早々開催された金沢地区の新春の集いに、フラダンスの踊り手としてお招きいただきました。

三箇日にということで、出演できる人が限られている中、大槌にいた自分に声が掛ったからです。

人前でフラダンスを踊るのは3回目ですが、初対面の人も多かったのでかなり緊張しました。

緊張した甲斐あって、少しでも大槌の様々な人にお会いできる機会に参加できるのは大変ありがたいことだと思いました。

こういう場に自分が出演したこともあり、様々な人に自分の顔を覚えて頂き、声をかけられることも増えてきました。

これからもこういう場を通じて、少ずつですが大槌の皆さんとの距離を縮めて行けたらと思います。

②安渡地区

1月14日 @安渡公民館

安渡地区の新春交流会が安渡公民館で開催され、その手伝いも兼ねて参加してきました。

去年に引き続き、2回目の参加となるのですが、今回は自分の出番が多く、人前に出るのがとても苦手なので、最初から最後までめちゃくちゃ緊張し通しで、記憶に残っていないところがあります。

なぜそこまで緊張してたかと言うと、ちおこの自己紹介があるからでもなく、フラダンスに一般参加するからでもなく、去年に引き続き万歳三唱の大任を仰せつかったからでもありません。

大槌の郷土芸能である雁舞道七福神のメインで子ども達が踊るのとは別に大人七福神として毘沙門天を踊ることになっていたからです。

郷土芸能は観る機会は多い方なので雁舞道七福神は観る機会も結構ありましたが、まさか自分が踊る機会があるとは思ってもいませんでした。

臼澤鹿子踊やフラダンスなど、最近人前で踊る機会は増えてきたものの、今までやったことない踊りを個人練習だけで人前に踊ると言うことで、自分の思っている以上に緊張しました。

正直舞台の上でどう動いたかほとんど覚えておらず、後で動画を観ると動きがめちゃくちゃ硬くて恥ずかしかったです(笑)。

なんとか本番を乗り切り、そのままの格好でフラダンスを踊ったりして無事新年交流会を終えることができました。

4玉のすっぷく
完食しました

そのあとはすっぷく4玉に挑戦したり、関係者での二次会では自分の誕生日のサプライズとして祝っていただき、ケーキまで用意していただきました。

久しぶりのケーキ

自分の誕生日を喜べる年齢ではなくなりつつありますが、嬉しいこともあってよかったです。

こういった風に、いち移住者に過ぎない自分でも様々な役割や、出番を与えて頂いたことに感謝しています。

そして、これからも人が集まり楽しく過ごせる場を続けていけるための力になりたいと思いました。

4.今月の臼澤鹿子踊

1月は臼澤鹿子踊りの演舞の機会が4回ありました。

・1月1日 小鎚神社

・1月3日 シーサイドタウンマスト

・1月26日 三陸花ホテルはまぎく ツアー観光客向け

・1月27日 三陸花ホテルはまぎく 三陸大槌町 郷土芸能 冬の舞

特に臼澤鹿子踊は大槌の郷土芸能の中でも踊る機会が多い方で、ほぼ毎月数回出番があるので、定期的にメンバーと顔を合わせたり、踊りが終わってもまた次の機会が待ち遠しくなったり、自分の大槌での生活のリズムのひとつになっているような気がします。

なので、単純に芸能や観光資源として大槌の郷土芸能を観るのではなく、そこには関わった人たちの生き方が詰まっているものだと感じました。

5.大槌の郷土芸能

1月は、元旦の神社、3日のマスト、三陸大槌町 郷土芸能 冬の舞などで大槌の郷土芸能を目にする機会がたくさんありました。

向川原虎舞

人によっては、郷土芸能を昔からある由緒あるものに感じる人や、観光資源のように外の人に見せるものと感じる人もいるかもしれません。

陸中弁天虎舞

自分は、ただ見るだけではなく、知り合いが好きでやっているのを見て、実際に自分も踊ってみて、うまい例えではないかもしれませんが、スナックのカラオケでたまに聞く、いつも歌っている人の十八番の歌くらい身近なで日常的なものだと感じるようになりました。

雁舞道七福神
吉里吉里大神楽
雁舞道七福神
安渡大神楽
安渡虎舞

かっこよくて、かわいくて、美しい大槌の郷土芸能にこれからも少しでも関わり続けて行きたいと思います。

6.おわりに

3年目にして、ようやく大槌の人たちと同じような新年を感じられるようになってきた気がします。

その一方で、これからの季節もまた、自分が今まで感じたこともない大槌を感じられるたらいいと思います。

大槌町地域おこし協力隊

北浦 知幸(きたうら ともゆき)

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