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『世界一楽しい決算書の読み方』 - 財務諸表から見たドトール(小売業)とコメダ(卸売業)の違い

サラリーマンとして財務諸表の理解は重要だと言われたことがありましたが、日常の業務ではなかなか触れる機会がありません。

まずは勉強と思い、簿記の資格を取得しましたが、わかったこととしてそれは財務諸表を作成するスキルに焦点を当てたものであり、実際の財務諸表を解読するスキルはまた別物だなと思いました。

財務諸表を図で解説している本

そんな中、財務諸表の理解を深める本を探していたところ、『世界一楽しい決算書の読み方』という本を見つけました。

この本では、財務諸表を「謎解き」と位置付け、クイズ形式で実際の決算書を解説しています。

著者はTwitter上でも「会計クイズ」を発信しており、本書を読み終えた後にも勉強の機会を提供してくれています。


財務諸表とは

財務諸表は、企業の財政状況を内外に公表するための文書です。

特に本書では、「財務3表」として知られる貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書に焦点を当てています。

  • 貸借対照表:企業の資産と負債を示すもの

  • 損益計算書:売上、費用、利益など、1年間の企業の経済活動を示すもの

  • キャッシュフロー計算書:現金の出入りを示すもの

これらの要素を理解することで、企業の経済状況を客観的に把握することができます。
そして、本書ではこれらの財務諸表を使って、「この決算書はどの企業のものか」というクイズが出題され、読者は実践的な知識を身につけることができます。


財務諸表とビジネスモデル

本書が強調するのは、財務諸表を読む際に不可欠なのが企業の「ビジネスモデル」であるという点です。
財務諸表だけでなく、その企業がどのようにしてお金を集め、利益を生み出しているのかを理解することが重要と書かれています。

ビジネスモデルを理解することで、財務諸表の数字だけでなく、その裏に潜む企業の戦略や成長の方向性も見えてきます。

例えば、ドトールとコメダといったカフェチェーンを比較する場合、どちらがどのようなビジネスモデルを採用しているかを知ることで、
なぜ財務諸表上で差異が生まれるのかが理解しやすくなります。

ドトールのビジネスモデル:小売業

ドトールのビジネスモデルは、一般的に小売業に分類されます。
これは、直接消費者に商品やサービスを提供していることを示しています。

具体的には、ドトールはカフェチェーンとして、コーヒーや軽食などを店舗で直接顧客に提供しています。
消費者に対して個別に販売を行い、その利益を売上高から得ています。

財務諸表では、売上高や費用の項目からこのビジネスモデルの特徴が明示されます。

コメダのビジネスモデル:卸業

一方で、コメダのビジネスモデルは一般的に卸業に分類されます。
これは、商品を卸して小売業者に販売することを主な収益源としていることを意味します。

具体的には、コメダはフランチャイズとして店舗の開店支援や、製造したコヒー豆やパンを店舗に卸しています。
このビジネスモデルでは、販売先の店舗から商品代金を受け取り、その差額が利益となります。

財務諸表では、売上高や仕入れ費用の項目から卸業の特徴が浮かび上がります。

これらの具適例を通じて、小売業と卸業のビジネスモデルがどのように異なるかを理解することで、財務諸表を読む際の視点がさらに明確になります。
企業の数字だけでなく、その裏にあるビジネスモデルがどれほど重要かということを本書を読んで感じました。

まとめ

  • 財務諸表は謎解き感覚で理解する

  • 貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書を通じて、企業の経済状況を読み解くことができる

  • ビジネスモデルの理解することで、単なる数字だけでなく企業の戦略や方針にも迫ることができる

これからもっと楽しく、そして効果的に財務諸表を読み解くためには、本書の著者が提供する「会計クイズ」を試してみることもおすすめかなと思います。
クイズを通じて得た知識が、実務においてどれだけ役立つか、試してみる価値はあると思います。

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