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鬼おろしを使って作る栃木の郷土料理”しもつかれ”知ってますか?

この郷土料理の存在を知ったのは3〜4年前だったでしょうか。

栃木に大根を鬼おろしでおろして、鮭の頭とか大豆とか入れて煮込む料理があるんだけど言葉では説明できない、、、

といった内容だったと記憶しています。料理というのは大体の作り方を聞くとなんとなく想像がつくものが多いのですが、鮭の頭しか使わない料理?鬼おろしでおろした野菜と一緒に煮込む、、、全く想像つきません。

その後栃木に帰省した際にお父さんが作ったという”しもつかれ”をお土産でいただき初めて目にしました。確かに、、、これは言葉では説明できないかもしれない。

↓こちらがその時頂いたもの。

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元々は節分の時に作られていた料理だそうで、栃木ではスーパーにパック入りのものが並んでいたり、八百屋さんで手作りのものが売っていることもあるそう。

食べた時の第一印象は鮭の粕汁。でも汁気はないから煮物に近いかも?ちょっと切り干し大根の煮物を切り刻んだような雰囲気もかもし出しています。

ちなみに作りたては温かいものを食べるそうですが、冷えたものは温め直さずに冷たいまま食べるのだそうです。

その時からずっと、作ってみたいという衝動にかられながらもなかなか手を出せないまま時間が経ってしまいましたが、栃木県のホームページを参考にさせていただきつつ、今回やっと作ることができました。

*参照 栃木県ホームページhttp://www.pref.tochigi.lg.jp/g01/shokuiku/shimottukare.html

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まずは鮭の頭。時鮭をおろした時に頭を塩漬けにして冷凍しておいたものを使いました。

かなり塩辛いので2〜3%の塩水でひと晩塩抜きをします。

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丸のまま煮ることもあるようですが、圧力鍋は使わないので今回は煮えやすいようにひとくち大に切りました。

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一度湯通しして臭みを抜きます。お酒を少し入れるとより臭みがぬけます。       

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そして大根、にんじん、油揚げ、煎り大豆、酒粕。ちょうどゆでたものがあったので今回はゆで大豆を使いました。

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      ここでやっと鬼おろしの登場、大根とにんじんをおろします。

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     大根から水分が出てきています。この水分で煮るのだそう。

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鍋に移し中火にかけるとさらに水分が出てきます。

そこに湯通しした鮭、大豆の煮汁、日本酒を入れ、鮭が柔らかくなるまでコトコト煮ます。

この鍋はオーブンOKなので、フタをして120度で2時間半火を入れます。途中水分が足りなくなってきたら水を足します。

骨までしっかり柔らかくしたいときはあと30〜1時間プラスした方が良さそうです。

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ここにゆで大豆を汁ごと、1〜2cm角に切った油揚げ、酒粕をちぎって加えてさらに煮込みます。

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油揚げが柔らかくなり、酒粕が溶けたら塩で味を整え出来上がり。

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鍋の中の写真だとよくわからないと思うので器に盛りました。

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鮭の頭は崩れてなくなっています。全てが混然一体となって分かりずらいですが、いちばん上と、右側に黒く見えるのが鮭。

鮭の塩分が強かったので、試食してみると以前食べたものよりも塩辛くなってしまいましたが、それに目をつぶれば自分の理想の”しもつかれ”になりました。

粕の香りで鮭の生臭さがなくなり身の旨味が楽しめます。それに併せて野菜と豆の甘み、油揚げの歯ごたえと、全ての材料が揃うことでこの美味しさになる絶妙な組み合わせだなと改めて感じます。

この料理、栃木県内でも好きな方と嫌いな方に分かれるそうですが、もし気になった方がいらしたらぜひ、栃木のスーパーで探してみてください。

作ってみたい方は下記の分量と作り方をご参考までに。(塩分は記事のものから調節しています)

材料

・鮭の頭(塩鮭) 250g

・大根(冬に出回る太めのもの) 1/2本分

・にんじん 1本

・油揚げ 大1枚

・ゆで大豆(あれば煮汁も合わせて)250ml〜300ml 

・日本酒 100ml

・酒粕 100g

・塩 適量

作り方

1 鮭は辛口、中辛の場合はたっぷりの塩水(2〜3%)にひと晩浸けて塩抜きして(甘口の場合はそのまま使う)、ひとくち大に切る。

2 鍋に湯を張り、日本酒少々(分量外)を合わせて1の鮭をゆでこぼして冷水にとり、ウロコなどが付いている場合は取り除く。

3 大根と人参は皮をむき、鬼おろしでおろし、水分も一緒に鍋に入れて中火にかける。(無水鍋を使用、オーブンに入るフタ付きの鍋であれば何でもOK)

4 3の水分が出てグツグツとしてきたら2の鮭、大豆の煮汁、酒を入れ、再び沸騰してきたらフタをして120度のオーブンで150分〜200分煮込む。途中水分が足りなくなってきたら水を足す。

5 鮭の軟骨がお好みの柔らかさになったらガス台に戻し、油揚げ、にんじん、ちぎった酒粕を合わせて弱めの中火で煮る。

6 5の酒粕が溶け、油揚げがやわらかくなったらできあがり。

追記

2022.01.04
作り方は多少改良していますがYouTube で動画をアップしました。

https://youtu.be/_XAQRDRPYhg