見出し画像

「一歩ずつ動いていく」Rの通う公立小学校のオンライン授業

 8/31。
 お昼を食べていると電話がなり📞、担任のO先生だった。

 明日からの授業開始で、先生が一学期の終わり頃からRの為にやろうとしてくれていた、O先生作お手製🤔オンライン授業を、明日からRにやってみようぜというお誘いだった😍🎶

 昨年の12月に、教頭先生にお願いに行った公立小学校でのオンライン授業。その後も4月には校長先生に長時間に渡り相談したけれど、WiFi環境の整備やタブレットの持ち帰り、先生のオンラインに対する知識の格差など、それらを考えるとまだまだかかるだろうという事だった。その感じは今年中にできるという話ではないなと感じた。どちらかといえばいつできるともいえない感じだった。

 仕方ない(やるだけのことをやったら別の道を探すことにしている)、来年(中学進学)を見越して情報を集めるも、なかなかこれというものがなく、公立中学通信課程や夜学、小規模認定校などを、市や教育庁など多方面に問い合わせをして、Rがどう動いても対応できる様に検討して見ていた。

 同時に担任とは、Rがやろうとしている勉強について、どうしたら手伝ってやれるかなど、時折話しあっていた。

 Rは4年生の夏休み明けから教室に入れなくなったが、その学年の終わり頃からずーっと、クラスには入れないけど保健室や別室に行きたい訳ではなく、クラスで授業を受けたいと言っていて、その気持ちを知った友人らが運営する自由創造ラボたんぽぽの代表が藤沢市議会と話し合ってくれ、テストケースとしてオリヒメの導入にRを選び、教育委員会から小学校に「オリヒメ」での教室参加をやってみないかとしっかりと打診してくれたが、全員が対象ではなくRだけが…や、ずっとやるわけでなくテストだけではなど、諸々の理由でもう一歩のところで却下されてしまった。それ以外でも学校側に色々な提案をしてみるもまだまだ、オンラインの実現までは難しいのだなと、半ば諦めかけていたなどの経緯があった。

 今年度のRの担任は今まであった中でも特別不登校に対する垣根がなく、自然体でなんでもやってみようと考えたりやってみたりしてくれる人だ。先生になってから嫌だと思った事が何もないと言い切る九州男児で、ルナにもやりたい様にやればいいと言ってくれるし、最初からやりたいことをやりたい様に何とか手伝ってやりたいと言っていて、学校にも、全く来ても来なくても全然大丈夫🙆🏻‍♀️と心底思ってくれている人だった。けれどRが授業に出たいという気持ちも持っている為、一学期中盤にはロイロノートの中のクラスルームというアプリを使ってRと色々やりとりをしてみていて、可能性を探ってくれていたのだと思う。

 そして、7月の夏休みに入った時に通知表を取りに言ったRに、9月からはその中のzoomの様なアプリを繋いで、授業をいつでも見れるようにしてみようか?と打ち合わせ済みだった。

 コロナがこうなることなど予想もできない頃だった。

 そしておそらく明日からの授業にあたって、学校もオンライン授業を早急に検討していこうという状況になったのではないだろうか?そしてまだ色々な整備は難しい中で、Rとやってみようと言っていたやり方なら、それを繋いでみれる準備はできている。それを本当にやってみようという話だった。まずどうなるか繋いでみようぜ〜R!というわけだ。

 それはまず、黒板と先生が見える位置に設置してみるから、明日9時に繋いでみて〜それでできなかったら、明後日8:30に電話で繋ぎながらやってみよう!!そして繋がったら、カメラはオンでもオフでもいいし、Rが入りたい時入って出たい時出て良いよって事らしい。

 お試し開始だ☆なんでもこうやって最初は一歩ずつできていく。そして段々と良くなっていく。

 最近新学期が近いせいか、あちこちで、学校に無理に行かなくて良いと政治家までが拡散している。兄のKが小中学校だった頃からしたら考えられないし、すごい進化という人は多いだろう。9/1が近づくと特にそういう記事が増えた。

 だけど私は、とても怖い気がしていた。学校が来なくていいって言う、国が行かなくていいって言うのならば、それに変わるものを準備してくれないとヤバいんじゃないか?学校に来なくていいんですよと言われた子供達は?その親はどうすればいいのか。今はコロナだから行かせたくない人はいっぱいいるけど、コロナがおさまったとしたら、学校は来なくていいと言っている。行かない子の親たちは学校や国のせいにはできない。でもその子たちの行き場はなう。ホームスクーリング教育も法的にまだ約束されていない。大丈夫なのだろうか〜などと考えていた。

 なぜかといえば私がこの10年一番大変だったのは親として、心の底から子供のしたい事だけを無条件で応援できるかというチャレンジだったから。どうしても学校に合わず道なき道を行く子供を、頭や言葉でではなく、心の底から完全に信じてサポートできるかというチャレンジだった。人と違う生き方を応援するのは勇気がいる。

 だから国や県、市がまだ完全に整備が及ばなかったとしても、学校が無理矢理にでもオンラインを整備しようと動き出したことにはホッとした。これで学校に行きたくない、先生も来なくていいと言っているのに、実は、他に道がないから行かせるしかない親もいるだろう。そういう子供がもっと苦しむって事は少しは減るだろう。と思ったりした。

 また、O先生の采配に関してはこんなこともあった。一学期の終わりに通知表をもらったら、普通に学校に毎日行っているのと変わらない成績のつけ方がされていた。同じ小学校の保護者会のメンバーに聴いたら、斜線とコメントだと言ってた。Rも去年まではそうだった。でも今年は普通に成績がついていた。それをO先生に言ったら、当たり前ですよ?R、来ましたから、それに色々頑張ってますから…って確か登校は数日と放課後数日だったにも関わらず〜家で頑張ってることも、ちゃんと評価してくれてるんだなぁとありがたかった。

 そして大体こういう新しい事を平然とやって行こうという先生ってみんなお礼を言うと、「当たり前のことをしているだけなんですけどね」って言う。こないだ明峰館高校の日野先生と話した時もそうだった。その当たり前が、すごい。ただ頭で考えて正当な事をいうのと、本当にそれができるのは天と地ほど違う。私もそう言える人になりたいな。

 こんな事もあった。6年の最初にRが登校してみるって言い出した時もO先生はクラスにさりげなく、Rが通いやすい空気を作ってくれていたと後で知った。最初数日通ったのだが、クラスのみんなに、Rが来るかもしれない。でもみんな特別扱いはしない様にと…考えてみて欲しい?もし自分が行けなくなってやっときて、注目を浴びたらどうだろう。なるべく普通に自分の事をやってて欲しい。わざわざ親切にRに話しかけなくていい。むしろ無視してやって欲しい。そして本当にRと話したいって気持ちがある人は、もちろん話に行ってくれと言っておいてくれたらしい。

 これは本当にすごいなと思った。不登校の子供を持つ親ならみんなこれがどういう意味を持つかわかると思う。そしてこういう人だから、何気ない行動の中にすごいケアがあるのだろうなと思ったし、Rも最初から自然に心を開いていたのだろうなと腑に落ちた。

 私は別に国や学校を、それ以外の自分たち親を悪く思っているわけではなく、別にRの通知表を評価して欲しいとか出席日数が欲しいとかということでもない。ウチはもう本当に学歴にも普段の勉強にも全く拘らない。本人がしたい様にすればいいと思える様にやっとなった。夢も、私がどうこう言って無理におわせるようなことは決してしない。ただ幸せに、ほどほどに楽しく自分自身で生きていける道まで育てる事が親の責任だとは思っている。どんなに道を外れてもその子の道を一緒に探してやれば良いと思っている。自分一人で歩き始めるまで…それがなかなか難しいのだけれども〜

 だからこそ、こうやってRやKの為に勇気を持って、何か一歩先を開拓してくれる人に特別感謝をしたい。理解を持ってサポートしてくれる先生や関係者。状況に穴を開ける、悪戦苦闘しながらも道を切り開こうと動いてくれる人に感謝をしたい。私もできるなら、現状に手をこまねいて環境が変わるのを待っているのではなく、各所と協力して何かできる人でありたいと思っているし、子供達も自然にそういう視点を持って生きていく力を持てたら幸せなのではないかなと思っている。

 コロナ緊急事態宣言で本当に大変でしょうに、O先生のケアある対応に心から感謝しています。その先生の心や態度がRの心に届いて溜まって未来への力になっていくのだと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?