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ある意識の苦悩ー5

人間の姿の変化と世界の形成

人間が虫・鳥・動物と進化する時間は9億年という時間がかかった。

それも一つの種の時が9千9百9十9年で、すべての人間はまた違う種類の生物へと生まれ変わったのであった。

これを9万回繰り返して、9億年経った時の最後の動物は、サルであった。

サルに生まれた人間は、手足が自由に使えるようになっており、今の人間の形に一番近くなって来た。

ここまでが第4回目までの話である。

今回はこれらの人間の住んでいた世界についての話となる。

・・・・

最後サルとなった人間が、9千9百9十9年の時が経ち、生まれ変わる時になった。

この時はこれまでの進化とは少し違っていた。

それは、女サルを一匹だけ残したのである。その腹の中に、白蛇と同じように子供を宿したのである。

この時、この女サルには、これまでの人間の魂ではなく、人間を作ろうと相談した時に、引っ張る力を持つ亀の魂を入れておいた。

女サルの相手はどんな者だったのだろうか。女サルは人間を宿した。

そして、あたらな形の人間が出来たのである。

それは大龍と大蛇が一番初めに思い描いた姿の人間だったのである。

大龍と大蛇は、大変喜んだ。

そしてその女猿の腹には、一回に男5人、女5人の人間を宿すことにした。

この女サルはどんどんと人間を宿して産んでいった。

さらには、九千九百九十九年毎に、他の種と同じように、新しい人間の種を作り、そこへ人間の魂を移して行った。

このようにして、繰り返す中に、人間の大きさが30センチほどになった時、どろどろの中よりも、澄んだ世界に暮らした方が、目で見て姿かたちを感じ、色を楽しみ、肌で触って喜びも増えるだろうと、泥を澄んだ水と土とに分けることにした。

つまり、それまでの世界は全くの泥水と同じで、目で見て分かるというものではなく、澄んだ世界に住むために、喜びを与えるために、この時初めて人間には目を与えられたのだった。

さて、泥水を分けるにはどうしようかと相談した時、引っ張る力がある事を思い出した。

そして泥を引っ張って、土を真ん中にと固めることとした。すると、段々と水が澄んでいった。そして固めた土を横に引っ張って、高低を作り出した。

さらに人間が60センチほどになった時、人間の男女で新しい子供を作るようにして、そのお中には男一人、女一人の二人ずつ生まれるようにした。

この時には、土はより固まり、地球となり、それと同時に地球を見守るために月と太陽を作ったのであった。

さらに、90センチになった時、倍倍々と増えて人間の数が、一番初めに宿しこんだ9億9千9百9十9人となった。

そこで一回のおなかに、男か女かどちらか一人を宿す事とした。

ところが、自由に使える心で、自分の思いを通そうとして夫婦で喧嘩をする。隣の家族と争いが絶えないようになった。

そこで大龍と大蛇は相談した。

男と女が仲良くしなければならない。隣の家族とも仲良くしなければ楽しくなくなる。ならば、思いをちゃんと伝えられるようにと、言葉を話せるようにしたのである。

人間は言葉を話し、相談をして、食べ物を食べて、さらにどんどん大きくなった。

そして1メートル50センチほどになった時、水の中にあった高低は、より横へと引っ張られて、より一層高い所と低い所ができ、高い所はついに水から出るようになった。そしてついに陸地ができたのである。

そして陸上でも生活が出来るようにと、必要なものを次々と準備をして、さらに風の力を使って水を動かし、陸地を削り、さらに複雑な地形をつくった。

また、空を見上げて楽しめるようにと、それぞれの魂に応じた星を作った。

ここまでが人間の形をしての9万年である。

そして、ようやく今の地球と月と太陽の関係が整い、空に星を散りばめて、いよいよ今の人間の文明が出来る土台が出来て来たのであった。

そして、食べ物となる食物を陸上に作ってみると、人間は、段々と陸上へと這い上がり、陸上の生活をするようになったのである。

そして、それまでの虫や鳥や動物も、陸上の生活が出来るようにして、人間がどんな生活をするだろうかと見守る事にしたのであった。

この時、大龍は水の力を持つことから月の役割を、大蛇は火の力を持つことから太陽の役割をする事となり、さらには大龍が空から見守り、大蛇は地から見守る事となった。

大龍は空となり、風を起こし、雲を起こし、雨を降らせた。夜になると月として地上を照らして、露で地上を潤した。

大蛇は地となり、様々な植物を生やすと共に、土の中にこれまで生きたものたちを記録する化石を作り、死んだものの身体を分解して土に戻し、植物へと変えた。そして固めた泥を細工して、いずれ人間が発見して楽しめるようにと様々な鉱物を作った。

これまでが9億9万年である。

人間を作る時、道具になったものに「神として拝ませよう」と約束したその年限まで後9千9百9十9年である。

「つづく」

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