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ある意識の苦悩ー6
知恵を授ける、人間の神の誕生
前回は、今のような人間の形が出来てから9万年間の話を書いた。
この9万年間に、人間は他の虫や動物と同じように、9千年毎に新しい種族が出来、その種族へと生まれ変わりながら、水中で住んでいた。
こうして同じ人間として、沢山の種族が出来、それぞれがまとまって暮らしていたのである。
その内に陸上が出来、それらの種族ごとに陸に上がった。
黒い肌の種族は南の方の土地へ上がり、白い肌の種族は真ん中の土地へ上がり、黄色い肌の種族は北の方の土地へというように。。。
陸地に上がった人間は、段々と水中での生活が出来ないからだとなり、それぞれの土地で、それぞれの発展をすることとなる。
もう一つ、人間の形が出来た元は、女サル一匹である。しかし、それに掛け合わされたオスのものが違った、その顕著な現れが肌の色だった。
この違いは肌だけではなく、様々なところが異なり、これよって今後様々な事が起こり、大龍・大蛇を悩ませることとなるのであった。
さて、それぞれの種族がそれぞれの土地へ上がったのだが、この者たちはただただ、食べて大きくなり、子供を作りするだけで、他の動物と何変らない生活をしていた。
そこで、大龍と大蛇は相談して、それぞれの種族へ使いを出して、知恵を授けることとした。
その使いとは、女ザルと同様に、人間を作ろうと思い立った時に協力した魂たちである。
カレイ・うなぎ・黒蛇・鯱・亀・フグをそれぞれに種族に生まれださせて、大龍と大蛇は、その者たちが人間の手本となるように導いたのである。
人間として生まれた6種類の魂は、他の人間とは違っていた。
何か自然と、思い浮かぶのである。
その思い浮かぶことをするとうまく行くのである。
これまでになかった新しい事が出来るのである。
それを周囲の者たちは、真似をして同じように学んでいった。
手をうまく使って道具を作る事、火を恐れずに使う事、農作物を育てる事などなど。
そして人間たちは、自分たちに新しい恵みを与えてくれるその者を神として崇めるようになったのである。
人間の神の誕生である。
こうした事を、種族ごとに順番に行い、悪いと思う事は次の種族では行わないようにしていった。
そして、余りにもひどい時には、その種族を絶滅させて、別の種族へと生まれ変わらせたりもした。
人間の寿命は長くて50年ととても短い、だからどんどんと人間は生まれ変わりを重ねたのであった。
こうして人間はどんどんと知恵をつけて行ったのであった。
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