なぜ作るのか

なぜ作るのか

"なぜ作るのか"が大事だと思っている。ものづくりが好きだから。趣味ならそれでいい。でもプロの作家ならば、そこが大切な気がしている。
ヒントは自分の中に散らばっている感じはするけれど、まだはっきり答えは見つかっていない。
この1年活動してきて10人作家がいれば10通りの考え方があると感じた。
全く同じ考え方の人はたぶんいないと思ったし、はっきり哲学を持っている人は、人も物も魅力的だと思った。

なぜ展示をするのか

なぜ展示をするか。
今年は展示やらイベントやらかなり詰めた。時間も体力もギリギリというくらい詰めた。
そういう時期もあってもいいのかもなーという気もするが、この生活を、一生は無理だと断言できる。普段職人仕事をしているから、というのも大きいのだが・・・。

最初の展覧会

最初の展覧会は、前働いていた工房の師匠に、「そろそろ個展しろよ」と言われ開いた。半年後か1年後くらい目処にと言われたけれど、びびりまくって1年半後にギャラリーを予約した。それが前回のこのギャラリーでの個展だ。そういう意味で僕にとって、このギャラリーは確実に特別なギャラリーだ。

個展って怖い

言われてなかったら120パーセント今も展覧会などしていないだろうし、たぶん他の人に言われたのではやらなかったと思う。そう言ってもらえた事に本当に感謝しかない。・・・だって展覧会ってむっちゃ怖いやん。
とは言え、作風も何を作りたいかも無い状態でとりあえず個展をやるとだけ決めてしまったのだから、今思うと博打みたいなもんだったなー、と思う。でも、逆に1年半考えて何も出来ないなら、どの時期にやっても何も出来なかっただろうと思う。出来なかったのなら、自分はそこまでの人間だったのだ。そう考えるとあれがベストなタイミングだったと思う。

プレッシャーが半端ない

個展というと華やかで楽しそうなイメージがあるかもしれないが、結構しんどい事も多い。
慣れもあるのだろうが、自分の作品を見るためだけにわざわざ色んな人が来てくれるのだからプレッシャーは半端ない。それはもちろん今回もだ。体力的にも結構きつい。僕の場合なんだかんだ後半になってくると夜中の2時くらいまで作業してたりなんてザラだ。これは計画性が無いというのもあるのだが、1年前に作ってたものなんて、もはや恥ずかしくて展覧会に出せないし、常にいいものや、やりたい事を追い求めていくと、ギリギリまでどうしても作ってしまう。

色々粗が見えてくる

展覧会中も、前回はどんどん色んな粗が見えてきて、最後の方は完全に居たたまれない気持ちだった。
なんというか内臓を見せているような気持ちになる。・・・見せた事ないけど。もしくは、捨て身タックル。
個展最終日、台風で早く閉めることが出来たのがこっそり嬉しかった。

それでもやっぱり面白い

そんな事言っていてもやっぱり色んな人が見てくれるし、買ってもらえると心の底から嬉しい。
あと、Mっぽいかもしれないが、粗が見えてくるのが結構面白い。
ここが悪いみたいなのが、びっくりするくらいはっきり見えてくる。
先輩作家さんとグループ展などしたらもっともっと悲しくなるくらい粗がよく見える。
そうやって展覧会をする度に少しづつものが良くなっていくのが嬉しくて、つい色々埋め過ぎてしまった、というのもあると思う。もちろん計画性が無いのもある。でも、イベントや展覧会に出す度に、確実にそれらが自分の糧になっていってる感じがある。とりあえず今は思いついた事を片っ端から試していってる感じだ。

展覧会は実験に近い

そう考えてみると、展覧会やイベントに出展するのは僕にとって実験的な意味合いも強いのかもしれない。
こうやって書いている文章も、これ展示したらどうなるんだろう?みたいな好奇心から展示しているだけだ。なるほど、こんな感じかと分かったら、次はこういう文章は展示しないかもしれないし、それも全部終わってみないと分からない。