配偶者の暴力、児童虐待を止める 「住民による住民救済」を呼びかける

数日前、北九州市小倉駅前で福岡県警察による「ストップDV」キャンペーンのリーフレットを受け取った。全国の「配偶者からの暴力事案等に対する相談」は2018年度に7万7千件を超え、DV相談の受け付けを始めた27年前から一度も減少することなく増え続けている。加害者の年齢は20代、30代、40代が多いが、50歳以上も22%、10代は1.8%だった。なお、被害者には男性2割も含まれる。相談者は問題を抱える人たちの氷山の一角に過ぎない。

DV自体がたいへん恐ろしいことだが、昨今、DV被害者が児童虐待の加害者側になった悲惨なニュースがひきもきらない。DVによる恐怖で正常な判断ができない母親がDV加害者による児童虐待を止められず、手を貸してしまう事件が頻発している。こうした状況から被害者たちを救うには、近隣の住民によるサポート、住民が自ら市町村か児童相談所などに連絡をするほかにないように見える。全国の児童相談所の集計で児童虐待の相談件数は2018年度、過去最高の16万件となった。

特に新しい住民には注意が必要かもしれない。児童虐待の発覚、もしくはDVの発覚を恐れて転居する事例もあるからだ。私が10年ほど暮らした目黒区でも恐ろしい女児虐待死事件が2018年3月に起きた。「ゆるしてください、おねがいします」と懸命に謝りの手紙を書いたゆあちゃん(5歳)が血縁関係のない父親に殺された。2018年1月、女児と母親が香川県から父親を追って転居して間もなかった。いつ、私の隣に、問題を抱えた家族が越してくるとも限らない。虐待の可能性を感じれば、迷わず、市町村に連絡したいと思う。加害者にも様々な事情があることは想像できる。何か問題がありそうだと感じた場合には、その方に声を掛けてみたいと思う。なにか、できることがあるかもしれない。

★ゆあちゃんの遺した手紙                「パパとママにいわれなくてもしっかりとじふんからもっともっときょうよりかあしたはできるようにするから もうおねがい ゆるしてください おねがいします ほんとうにおなじことはしません ゆるして」「きのうぜんぜんできなかったこと これまでまいにちやっていたことをなおす これまでどんだけあほみたいにあそんだか あそぶってあほみたいだから もうぜったいやらないからね ぜったいやくそくします」

内閣府の調査(2017年度)によると、33%の女性が何らかの暴力を配偶者から受けたことがあると回答している。なお、暴力には精神的なもの、金銭的な暴力なども含まれる。内閣府の資料には現在、内閣府特命担当大臣(地方創生、規制改革、男女共同参画)を務める片山さつき氏もDV被害者であった弁が述べられている。社会的に強い立場にある女性ですらDV被害を受けるという現実がある。

DV被害者は「配偶者暴力防止法」により守られており、地方自治体に相談すれば一時保護施設で保護を受けることができる。現在、公的シェルターが約230か所(約3300世帯)にあるほか、民間シェルターが全国で107か所あり、東京が最大で12か所(援助金2400万円)、福岡は5か所(援助金400万円)となっている。各地の民間シェルターは地方自治体からの援助金が限られるためスタッフや設備面などの不安をかかえ、財政的援助を求めている。また、シェルターへの入居理由は暴力から逃げるだけでなく、住宅事情や経済的理由、家庭環境、精神の不安定などがあるそうだ。

被害者からの相談先:
1.配偶者暴力支援センター(各都道府県の窓口)

2.配偶者からの暴力被害者の生活支援

3.民間シェルターについての説明

4.緊急の事態には最寄りの警察か「110番通報」をする。

★北九州市の配偶者暴力相談支援センター 093-591-1126
★福岡県あすばるホットライン 092-584-1266
★福岡県配偶者からの暴力相談電話 092-663-8724


みんながちょっとづつやさしくなれば、毎日の生活がちょっと楽になりますよね。ありがとうって言うとか、ニコっとしたり、駅の階段で蹴らない、とか。私はベランダの雀さんともっと仲良くなろうと奮闘中。最近はカマキリさんともお友達。みなさんはどんな感じかな?