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【単独忍び猟】北海道から関西に来て苦しんだこと ②

前回まで

苦しんだことを書いていたら、ひとつの記事に収まりきらなかったため後半部に突入です(苦しみすぎじゃね)。
前回までは下記リンクからご確認ください。

今回は下記の3と4を扱います。
1.ゼロからの猟場探し 
2.環境(植生・降雪)の違い
3.射撃(弾不足の影響)とメンタル
4.その他の外部要因

射撃とメンタル

射撃とメンタル、二つをくっつけてしまったけれど、これはどちらも同じくらい狩猟に重要な影響を与えると考えています。とくにメンタルは射撃にもろに影響しますね。焦って撃って当たることは少ないのかなと思っています。
ただ今回は逆に射撃がメンタルに悪影響を与えてしまったパタンです。何が起きたのか・・・。

まず今期の忍び猟での出猟記録になります。

1. 11月中旬 エリアA、B
2. 11月下旬 エリアC
3. 12月初旬 エリアB、C イノシシ発砲
4. 12月中旬 エリアB
〈技能講習)
5. 1月初旬 エリアC
6. 1月初旬 エリアC 鹿発砲
7. 1月下旬 エリアC 鹿発砲
8. 1月下旬 エリアD 鹿発砲
9. 1月下旬 エリアD 鹿発砲
10. 2月初旬 エリアD 鹿捕獲
11. 2月中旬 エリアB
12. 2月下旬 エリアA 鹿発砲
13. 2月下旬 エリアA 鹿発砲
14. 3月初旬 エリアA 鹿発砲
15. 3月初旬 エリアA

今期は計15回、鹿一頭のみ。イノシシはバイタルに命中してひっくり返ったものの、足をバタバタしてるうちにそのまま沼に沈んでいってしまいました。小一時間ほど沼をさらいましたが、見つからず。こんなこともあるのかと、二週間は落ち込んでいました(メンタル)。

水際は気をつけよう・・・

その後の12月の技能講習では、いつも使用している銅弾の足らないことが予想されたので、デュプレックスのDUPO28とモノリット28を購入して、直前に調整して講習に挑みました。

この時、DUPO28では右にずれるのを確認していました。

なんか当たらないなと思ったのは技能講習の後からでした。

初めて鹿に発砲したのが1月になってからです。30mほど先の鹿を鹿笛(季節外れ!)で止めて、ゆっくり狙ったつもりが外していました。がく引きかなと思ったけれど、その後4回続けて外したので、もう何かがおかしいと気づきました。
2月になり、ようやく初めて命中したんですが、これも15mくらい近くまで寄ってから撃ったものの、思った場所から10センチくらいは右に外していました。

左側から射撃して右にややずれ、バイタルギリギリ

しかも撃ったのはゼロインしてある銅弾!
技能講習前にスコープがずれていた可能性があることが判明します。確かこのあと次の猟までの間にレティクルを右に10センチほど回しました。そう、これは端的に間違えています。今考えれば気づくんですが、この時はよく考えた上で右にレティクルを動かしていました。右にずれているのにさらに右にずらした形です。
このあたりは以下の調整記事を参照。

これは2月の下旬あたりに大きく外したことで判明し、またレティクルを10センチほど左に戻しました。ただ、それ以降も全て外したので、最後はもう正解がわからなくなっていました。自分の撃ち方が悪いのか、まだずれているのか。銅弾も打ち尽くしていたので、残るDUPOやモノリットで弾痕がどう動くのか。全てが藪の中です。

反省1 ハーフライフルゆえの苦悩

このような事態になった原因の一つとして、(もちろんレティクルを反対に動かしたという圧倒的なミスはあるにしろ)弾不足があると思います。昨今の銅弾不足により、今期スタート時に10発程度しか弾は残っておらず、年末には技能講習があったため、弾を温存しておく必要がありました。従って射撃練習には行けず、なんとなくスタートしてしまいました。弾が豊富にあれば、猟期途中でもスコープ調整ができます。
※豊富になくてもスコープ調整をすべきだったのかもしれません。狩猟しながら調整できるだろうという過信と来期のためにも弾をいくらか残しておきたいという欲が出ました。

反省2 ミートハンターゆえのくせ

私は狩猟するのは、狩猟自体の面白さもありますが、基本的には肉を求めています。したがって、狙う位置はネック一択でした。北海道にいる際もほとんどの鹿をネックで仕留めており、ここを狙うのが癖になっておりました。
ただ、スコープがズレているかもしれない状況でネックを狙うのはリスクが大きかったです。少なくともバイタルを狙うなどして、まずは当てること、そこからどれだけズレているかを把握するという方法をとっていればここまで苦しむことはなかったかもしれません。

反省3 射撃とメンタル

今期は射撃への不安があった結果、それが狩猟全体に影響していきました。
一つは焦りです。なかなか猟果が得られないことが焦りを生み、忍びの歩みが早くなったり、双眼鏡などでよく確認しないままに薮に入るなど、全体として雑になることがありました。
また一方で鹿になるだけ近づこうとする意識も生まれました。この辺りの拙速さとチャレンジングな動きが結果に結びつかないこともありました。

忍び猟では特にメンタルの影響が行動に現れやすいと思います。全身のコントロールが大事になるので、単純に集中力が切れてしまうというのが大きいです。この辺りの維持をどうするかも重要なポイントだと思います。例えば頻繁に休憩を取る、オンオフをつけるなどが有効でしょう。個人的にやっていたことは、漠然と忍ぶのではなく、鹿やイノシシがあそこにいるかもしれないと想定して動くことです。たいていの場合は想定とは異なる場所にいるわけですが、想定しておくことで動きに緊張感は出ます。あとは想定外に対処すれば良いわけですから。

その他の外部要因

この辺りは何を書こうとしたかちょっと忘れてしまいました。遅筆のせいですね、すみません。なんとなく今思っていることを書いていきます。

道路について

これは関西に来て思ったことなんですが、北海道では一つの猟場が大きいので一度入ったら最後までそこにいました。一方で山を歩いて山を越えると道に当たったたりします。そういう猟場ではなんとなく手前の山を一周して車に戻り、次の山に近い道路まで車で移動して、その山に入ったりしたくなるわけです。獲れた場合に備えて車を近くに置いておきたいという欲からです。
しかし、実際はこれはあまり効率が良いとは限りません。山にいる時間は短くなり、歩く範囲も狭くなるかもしれません。獲れたあとの楽さにつられて、獲ること自体が疎かになっているのです。
本来忍び猟ではどこまでも歩いていける、どこまでも獲物を追いかけていけるのに自ら限界を設けてしまっているのです。これは山道が張り巡らされているからこそ出てきた問題ですが、来期はあまり車を動かさずに足を使いたいと考えています。

照明について

同様に自ら限界を設けてしまう例として、明るさ問題があります。今期は暗くなると家人が心配するので日暮れには車に着くように行動していました。ただ、実際は日暮れの時間帯は獣が動くので、良い場所にいた方が獲れる可能性が上がります。
これは十分な照明を持っていくことで家人を安心させ、山中で粘るという解決法があります。このあたりはもう少し突き詰めても良かったかなと今は思っています。


駆け足になってしまいましたが、
こんな感じで今期の反省を終えようと思います。
思い出したら追記していきます。

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