小数点以下の感情(0.999…)丁
キミに抱擁するのは言葉以外のシグナル。
わたしのココロは2%の濃度で希釈される。
ヴェールを被るように髪の毛に櫛を通す。
光が蒸発して壁にへばり付いている。
時間と時間の結び目にわたしは誕生した。
炎症した空気がわたしの傷口を探している。
髪の毛の先に海が絡まって満ち引きする。
口の中に朝が広がって甘酸っぱい味がした。
キミの心臓はプラスチックでできていてわたしの脳みそは折り紙でできている。
ポップソングが皮膚から浸透して代謝される。
涙は純粋なものじゃなくて不純物を配合している。
人魚が陸に上がって渇きを癒すために足ができた。
声が割れてその裂け目からキミの名前を叫んだよ。
湿度の高いきもちは土に還した。
躊躇いの言葉は雲が爆発して雨が降る様子に似ている。
キミの残像はいつも降り積もる白白白。
その一言がわたしのやわらかい部分を擦ってヒリヒリする。
モラルが漏電してビリビリと音を立てて怒っている。
キミが吸い込んだ空気の粒子は花だったのかもしれない。
生まれてから下がることのない体温は叙情。
森に落ちていくときの太古の思い出。
皮膚で覆われているのはキミとわたしが融合しないための境界線。
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