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blender 4.1 パーティクルでスノードームを作る

パーティクルシステムは、粒状の物体の物理的なうごきを再現するシミュレーションで、雪や雨、風に舞う落葉のようなオブジェクトを比較的かんたんに表現することが可能です。

ここでは、パーティクルシステムの基本を復習しながら、スノードームを作ってみます。


環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4



01

基本


デフォルトの 2 m の平面を作成し、パーティクルシステムを適用する。

パーティクルプロパティを表示し、右上の + ボタンをクリック

デフォルトでは、スペースバーを押し、シミュレーションを開始する。停止も同じ。再度シミュレーションを始める場合は、最初のフレームまで巻き戻すのを忘れないこと。

画面下部 タイムラインエディターの各ボタンで巻き戻し等ができる
パーティクル(粒)がこぼれ落ちる


Collision


同じく 2 m の平面を下に追加し、コリジョンを適用する。

物理演算プロパティ コリジョンをクリック
シミュレーション開始後。
下のコリジョンオブジェクトでパーティクルが跳ね返る。


Stickiness, Friction

付着度 10 摩擦 1.0

コリジョンの「付着度」「摩擦」の値を大きくすると、跳ね返らず、平面に付着する。


Lifetime

寿命を、終了フレームと同じ、200 とした。発生したすべての粒が降り積もる

パーティクルには「寿命」があり、デフォルトでは発生後 50 フレームを過ぎると消滅する。この値は、発生側のオブジェクトのパーティクルプロパティ、発生 > 寿命で変更できる。


Instance


これまで発生させた球状の粒は、確認用の仮の存在で、レンダリングされることはない。このため、別途オブジェクトで置き換える。

  • さらにデフォルトの 2 m の平面を追加、名前を Piece とした。

  • 発生オブジェクトのパーティクルプロパティ、レンダー > レンダリング方法  を「オブジェクト」に変更。

  • オブジェクト > インスタンスオブジェクト  に、作成した「Piece」を指定。

レンダー > スケールは、デフォルトの 0.05(5%)


左の平面が Piece 。邪魔な場合は非表示にしてもかまわない。


Randomise

インスタンスの、回転、および、スケールをランダムに変更する。

回転にチェック、ランダム化 1.0
レンダー > スケールのランダム化 0.5


レンダリング

インスタンスの発生数、スケール等を調整し、レンダリング。

発生オブジェクトのパーティクルプロパティ、物理演算  > 力 > ブラウン運動 を 0.2 とした。粒がランダムにバラける。

cycles
インスタンスのマテリアルにやや放射(emission)を与え発光させた。

また、カメラの「被写体深度」を 0.2 とし、焦点から離れたパーティクルに、深めにボケをつくっている。

インスタンスの形状やマテリアルを変更することで、より雪らしくみせたり、落ち葉なども表現できるだろう。



02


今回はスノードームを作るので、ドームの中で散乱する粒も表現してみたい。

2 m の平面を追加し、01 と同様に、パーティクルの設定、インスタンスの適用を行った。

  • パーティクルプロパティの、フィールドの重み > 重力 を 0.00 とする。

下から上へと粒が上昇する

ForceField

平面と同じ位置に、フォースフィールド > 乱流 を追加する。

強さは、ここでは 5.0
渦を巻くように上昇する


dome


UV 球を追加、物理演算プロパティから、コリジョン を適用する。

付着度 1.0 パーティクルが内側で勢いよく跳ね返るのを防ぐ。


パーティクルの発生数を 3000 と増やした。


レンダリング

球にガラスマテリアル、球の内部中央にポイントライトを置き、レンダリング。

パーティクルのマテリアルは、通常のホワイトに、粗さを 0 とした。

背景には 夕暮れどきの HDRI を設定


完成


別途モデリングしたオブジェクトを球内に配置、背景や床を加え、01 のパターンと組み合わせた。

cycles 1024 sample

EEVEE は、ガラス、発光オブジェクトの表現にすこし難があるため、上のようなシーンでは、すこしレンダリングに時間がかかるが、cycles が適しているだろう。こちらの環境で、上の画像ならば、5分弱。


まとめ


物理シミュレーションは、なにかと設定項目が多く、パーティクルも同様ですこしとりつきにくい面はありますが、応用範囲も広くおもしろい機能です。参考まで。

参照画像のため「Snow Dome」で検索したところ、出てくるのは屋内スキー場の画像ばかりで、なぜだろうと思っていたら、英語では「Snow Globe」だそうです。

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