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ミャンマーに平和が訪れますように

ミャンマーの事変が一向に収まらないようだ。

政治の事は詳しくないので、ここでは下手に書かないが、3年ほど前に訪れたことを思い出し、もやもやしている。

ミャンマーの経済を支えているのは、農業や天然ガス、そして製造、特にアパレルなどの縫製加工がメインではないだろうか。(外務省より)それが現状ままならなくなっているようだ。

3年経って、あの国はどう変わったのだろう。
以前も書いたが、ミャンマー国民は本当に勤勉で、敬虔な仏教徒ばかり。自分の身よりも仏様にすべて捧げて、それができることに何より幸せを感じている。寺院が立派になればなるほど、それを誇らしく思うのだ。肌には「タナカ」という日焼け止めにもなるお化粧を施し、鮮やかな織物のロンジーに身を包む穏やかな人たちだ。

とにかく労働力がある

市内はともかく、工業地域を見て回ったが、とにかく彼らの暮らしは貧しかった。嘘だろうと思うような光景が延々と続く。平均年収13万円。アジアでも最も生活水準が低い。

揺れがすごいので酔わないように気を付けて観てほしい。そして、ここらに住む人たちの働き先は、最後に現れる。

人口は5000万人超。平均年齢28歳。現れた巨大工場は中国資本によって建てられた。この第一工場に1000人、隣の工場にもう1000人。そして、その時は、もう一つ、増やしていると説明を受けた。それらすべての建材は中国から陸送(タイやベトナムよりも安い賃金の労働力に加えて、港もあるため、ここにミャンマーの地の利がある。というより、利用されやすいのか。)され、電力に乏しいため工場は自家発電によって運営されている。

この近代的な工場は、日本のそれと遜色ないくらいで、メチャ仕事のできる女性の中国人マネージャーによって徹底的に管理されていた。電気や水道はおろか、雨風もしのげないようなチープなバラック小屋が立ち並ぶ先ほどの動画と比べて、内部はまるで異国だ。

海外に生産を頼ることに、当然リスクは伴う。実際に、この光景を目の当たりにして、縫製業の在り方を考え直した。もちろんまくらのキタムラはすべて日本国内で製造をしているが、縫製という業務は人がいないとできない。今でも人海戦術がメインストリームの業界だ。だとすれば、勝ち目があるかもしれないと思い、別の手を打ち始めた。

ちなみに当時、ここで縫われるTシャツ1枚の価格は5ドルしなかった。取引先には日本の大手スポーツメーカーも名を連ねている。またジェンダーレスな世の中だから参考までに、ミャンマー人の男女比は男性48%、女性52%とのこと。でも、ご覧の通り工場内は90%が女性。男性は、、、アジアあるあるである。

笑顔が戻りますように

クーデターの要因は様々な想いが複雑に絡み合っているが、多くの国民が巻き込まれ、命を落としているニュースを観るたびに心を痛めている。彼らと卓を囲み、ミャンマー・ゲームをして、酒を酌み交わした日が懐かしい。ミャンマーゲームとは、一人ずつが順に「ミャンマー」を言う数を増やしていき、言えなかった人が罰ゲームとして、強いお酒を呑んだり、辛い物を食べたり、たわいのないゲームだ。実は彼らは知らなかったが、シンプルな内容なだけにすぐに覚え、大爆笑しながら盛り上がった。

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そんなミャンマーの人たちに、とにもかくにも一日でも早く平穏な日々が再び訪れることを祈りたい。

まくらのキタムラ
北村圭介

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